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2015年3月24日火曜日

米朝師匠が・・・・・寂しくなります

人間国宝の米朝師匠がお亡くなりになった。3月19日。享年89歳。かなり弱っておられるとは、いろんな落語会でお聞きしていたが、やはり寿命だったのか。本当に上方落語を愛し、上方落語の発展に寄与した人だった。確か記憶では学生時代に岡崎にあった京都市民会館での「市民寄席」で生ライブを聴いたのが最初である。米朝師匠、春団治、小文枝、露の五郎、松鶴、くらいしか居なかった時代である。今や300名近くなる上方落語の噺家たち。素晴らしい功績である。
何とも言えぬ、絶妙の間があり、名人芸そのもの。学者肌というか、正岡容師の薫陶を得て、落語を掘り起こしたのも人間国宝に指定されるべき人だった。合掌。

何回も聴いたのであるが、印象に残っているマクラは、「手遅れ医者」。医者の使う言葉に「手遅れですな」というのがある。これは便利だ。患者に対して「手遅れですなあ」というと大抵の患者は納得する。あるとき、木から落ちて直ぐに医者に連れて行った。医者が「手遅れですな」・・・。付き添いの男が「何言ううてまんのや、今落ちたばかりですがな」「いつ連れてきたらえんや」と怒ると、医者が「落ちる前に連れてきなさい」

これは昨年発刊された「米朝全集」の最後の巻、第8巻にも掲載されている。他の噺家も同じマクラをふるが、やはり、あの間である。これは息子さんも真似できない。

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