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2018年2月19日月曜日

田辺寄席 如月席


田辺寄席の如月席は塩鯛さんのたっぷりの会だった 開演前の文太師匠の開口ゼロ番はいつも楽しみにしている 今日は菅原道真の『類聚国史』の「る」についての話だった 「る」で始まる噺はないとのことでよく似ている「群書類従」の話を始めた よく聞くと「塙保己一」のことだった 塙が編纂・刊行した本(版木)のことである 
「はなわほきいち」の名前は久しぶりに聞いた 文太師匠は今は目が見えない 塙保己一も目が見えない 現在の埼玉県本庄市の出身 江戸時代の人物である 7歳の時に失明 その後江戸に出て一生懸命学ぶ 太平記を全部暗記してしまうほど記憶力が良かったという 
逸話が披露された ある人が「さんずいへんに吉(よし)」と書いた字のお店はどこにあるのかと聞いて来た そんな字はない するとそれを聞いていた塙保己一はその「さんずいへんによし」は「油ではないか」と答えたという 吉と由の違い さすが鋭い 塙保己一はヘレンケラーが師と仰ぐ人物であることも知った「群書類従」は現在「温故学会」が保存しているという 渋谷の國學院大學の近くにある 一度行ってみたいと思う
さて塩鯛師 桂都丸から四代目塩鯛に襲名したのが平成22年 ざこば師匠の一番弟子である 今日は塩鯛門下の二番弟子の鯛蔵が「近日息子」を最初に演じた 早口で余裕がなかったように思えた 続いて塩鯛師は「貧乏神」小佐田定雄作 なんかくどいように感じて私には合わなかった 文太師匠は「禁酒関所」何回も聞く噺である 江戸では「禁酒番屋」上方では松本氏 江戸では近藤氏と武士の名前は異なるが「正直者」のサゲは同じ 文太師匠は本当に面白く演じる
最後は再び塩鯛師 「質屋蔵」天神さんが出てくる噺で今の季節にピタリ サゲは道真公の「東風吹かば 匂いおこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」・・・どうやらまた流されそうな・・・塩鯛師の熱演に思わず拍手

2018年1月20日土曜日

田辺寄席 2018年 睦月席


新年2回目の寄席 近所の田辺寄席に出掛けた 田辺寄席は昨年10月にめでたく800回を迎えた 今日は809回 久しぶりに行った 少し様子が変わっていたのには驚いた 土日3回公演が土曜日のみの2回公演 しかも5席が4席になった ただし、3か月に1回は3回公演 またお楽しみの「笑呆亭」がなくなっていた このクイズで招待券があたるのが楽しみだった 仲入りのお茶はあったが規模が縮小した 1月は「ぜんざい公社」の「ぜんざい」が振舞われていたのだが・・・今日はなかった 
さて今日は露の都一門会 といっても師匠の他 紫 棗(なつめ)の3人 昨年1月に一番弟子の雅がなくなったのが記憶に新しい まずは棗の「時うどん」ロビーで師匠を待っている姿は不安そうな顔をみせていたが舞台に上がると堂々としたもの マクラも3つ披露したがオリジナルかどうか 笑った 続いて紫は「風呂敷」細心の小室哲也のマクラで笑いを取っていた なかなかの人気者だ しっかりしている
都師匠は44年の経歴がものを言っている マクラで鏡の小噺(かかみせ=鏡店 今年見せん=琴三味線 死なん所=指南所)をして「松山鏡」に入った 短い噺だけど大いに笑わせた
文太師匠は66歳とか18歳で入門 16年後に結婚 16年前の50歳で目が見えなくなったが今まで落語家をしてて良かったとしみじみ話されていた 今日は珍しい噺で初めて聴いた 「嬶(かかあ)違い」 橘ノ円都師匠のネタを5代文枝師匠に伝わり文太師匠に ほんまにあった話とか 昔だったらあり得ると思った 花嫁さんを取り違えたのであるが そのやりとりが落語的で面白かった

2018年1月8日月曜日

2018年 初笑い たま


恒例の笑福亭たま阿倍野独演会が今年の初笑いだった 今年の正月は「らくごのお時間」で春團治・米朝・吉朝・枝雀の面白い噺をテレビで観たがなにか物足らなかった やはり落語はライブに限る
今日はいつもの小ホールではなく大ホール たまも言うように正解だった 若い層が多いのも たまさんならでは たまの集客力は凄い 今日の高座はやけに高かった これが一番良い高さですと言っていた 2列目の席では首が上がらざるを得ない
トップバッターの華紋さん 文華師匠に入門して7年? 「普請ほめ」だった 「牛ほめ」の前半部分である 時間の関係で途中で打ち切ったのだろうか マクラではノーベル賞のカズオ・イシグロさんと親戚であることを5分くらい喋った 自慢話で時間を費やした
2番手はさん吉さん 「手水回し」この噺は久しぶりに聴いた さん吉さんは吉朝さんの弟子らしくピシッとしてうまい マクラの2号で笑った 文枝さんの神戸の喜楽亭にかけての落とし噺 たまさんが良く二葉さんをゲストでもってくる噺も面白かった
お目当てのたまさん マクラが面白い 上方落語協会 日本相撲協会 噺家仲間の楽屋でのおもろい噺 大学卒の入門が減ってユニークな人の入門が増えていると言う 古典の「たいこ腹」と新作でダジャレ連発の「ヤマカン刑事」を演じた 
仲入りの後は雀三郎師匠の「うどん屋」 師匠の禿げた頭を下げて「初日の出」という仕草には思わず爆笑 確かに光っていた
たまの最後は得意のショート落語8作と古典の「苫ヶ島」一度聴きたかった噺であった 現在の加太の先の「友ヶ島」のことである たまさんは途中で博学を披露して笑わす このあたりが他と違うところ オチもしっかり
次回は4月15日(日)同じく阿倍野にて開催 ゲストは南天さんと二乗さんと初めての智丸さん 楽しみである

2017年12月27日水曜日

年末のハルカス寄席 


今年最後のハルカス寄席 大入り満員だった 染左さんが「今日が初めての方」と言って半数の方が手を挙げた 私の隣の若い女性も少しだけ手を挙げた
第一部 染左さんは「つる」染左さんは「わろてんか」の落語指導を行っているとか 大阪大学卒の噺家だ 兄の中川桂さんは学者だが落語に詳しい 一度、二人の対談を聴きたいと思っているのだが
南海さんの講談は「荒大名の茶の湯」講談をする人を「好男子」と言ったところで笑いが起こる 何がおかしいと南海さんが言ってまた笑う この噺は落語でも演じる
かい枝さんの「茶屋通い」は最近よく聞く噺だ 江戸では「木乃伊取り」となる 江戸の方がこの噺にはふさわしいと思う この日は珍しくこどもさんがいたのでかい枝さんも色気のシーンではやりにくかっただろう
第二部 喬介さんの出囃子は「幸せなら手を叩こう」前の席の女性が手を叩いていた 親戚の人か 「時うどん」にも工夫があったので楽しかった 喬介さんの「落語やりまーす」は名文句となり人気者になったのは嬉しい
ナオユキの「漫談」はいつも楽しい 場面を設定していくつかの噺を演じる オチがついてどっと笑う 場末の居酒屋 場末の居酒屋 いつものようにおっさんが飲んでいる 飲んでいる おっさんがわしは今日は誰とも話せんで 誰とも話せんで 今話しとるやないか このパターンで約20分 笑い疲れた 笑いの本質を心得ている
由瓶さんは大晦日の噺ということで「除夜の雪」後ろの女性が笑うとこなかったわ と言っていたが・・・これは笑う噺ではない 知らんのかと思わず心の中で叫んだ 由瓶さんには珍しい人情噺を聴けたので大満足だった 今年で聞き納めの落語会だった

2017年12月3日日曜日

第14回大阪 森乃福郎独演会


12月のスタートは大好きな福郎師匠の独演会 繁昌亭で開かれた 実は9月の「彦八まつり」で師匠から早々と前売り券を購入していた 師匠は先代と同じく読書家で博識の噺家であるところが好きだ 彦八でも毎年古本屋を開いている 常に本を持ち歩く噺家は珍しい そういえば上方最高齢の笑福亭松之助師匠も読書家と聞いている 一度阪急電車で隣の席に座ったことがある その時も本を読んでおられた
さて独演会は阿久太さんから 3年目に入っているとか アクターというのは英語で俳優のこと 俳優あがりで名づけられたとのこと 大きな声で「酒の粕」を演じた 続いて13年目の石松さん 珍しく「転宅」を へえーこんな噺もするのかと期待して聴いた サゲは「道理で上手く騙り(語り)った」だが 今日は初めて聴くオチ 旦那がいればタライを出しておくと云う約束で翌日泥棒が来て「お隣は転宅(洗濯)しました」と云われそれでタライが出ていたのかというオチ 石松さんには似合うオチだった
仲入り前は福郎師匠 「加賀の千代」という珍しい噺 「朝顔に釣瓶取られてもらい水」は有名な句である 桂小文吾さんから聴いたことはある 久しぶりの演目だった
今日のゲストは月亭文都さん「茶屋通い」だった 先日テレビの「落語ザ・ムービー」でもやっていたのだが江戸では「木乃伊取り」となる 上方は最後の飯炊きの杢兵衛がやや違うがだいたい同じストーリーだ 
トリは福郎師匠の「井戸の茶碗」だった これが今まで聴いた「井戸の茶碗」の中では秀逸だった ふんだんにギャグが織り込まれた50分になろうかという力作 大いに笑わせて頂いた 上方随一の博識の噺家として今後も活躍して欲しい

2017年11月20日月曜日

西宮で特選落語競演会


親友からチケットを頂いた 米朝一門の落語会 毎年開催しているようでこれを楽しみにしている人が多かったように感じた 阪神間の品のあるお客さんで800席の西宮芸術文化ホールはほぼ満席状態 凄い人気である
11時からの公演は江戸から入船亭扇遊師匠がゲストで登場 上方に来られるのは珍しいと思う さてどんな噺か 期待していた さすが江戸落語の「明烏」とは たっぷり30分聴かせた 童貞喪失物語である 上手い 上方の爆笑と違ってこれが古典落語だという噺だった
さて上方勢はといえば 二乗 ひろば ざこば師匠 米團治 南光という顔ぶれだった 二乗さんは「阿弥陀池(新聞記事)」米二さんの一番弟子は順調な成長ぶりが伺える 続いてのひろばさんは相撲のお話の「大安売り」だった 入門から17年か 違うネタが聴きたかった
ざこば師匠は10月以来だった 今日はだいぶと落語らしきものが聴けた 自分でも一生懸命覚えていると言っていた マクラでは入院したときの模様 脳梗塞の症状 失語症 今は落語を覚えるなどのリハビリをしていることなどを話し 簡単な植木屋の「クチナシ」の小噺をした後 上燗屋を演じた 途中「甘酒」が出てこないところもあったが 失礼ながら上々の出来でした 必死さが伝わって来る高座だった 感動した 言葉が出てこないのは前からや と言われて爆笑 皆さん心配しているし私も心配している
仲入りの後は、米團治さん 御曹司の登場 襲名のときの失敗談 春團治師匠のところに携帯を忘れてた話しで大いに笑わせた アホボンと自虐ネタがピタリの御曹司である 地元西宮はファンが多いし温かい ネタは「蛸芝居」得意の芝居噺である 蛸の真似がとても面白くつい笑ってしまった トリは南光さんの「抜け雀」だった マクラは趣味の絵画鑑賞  「抜け雀」は最近聞き飽きるくらい聴いている 南光さんのオチは「天狗に成るなよ」で鞍馬山の大杉とひっかけていた 先日のさん喬さんのオチは教科書通りの「親を駕籠かきにした」である オチを分かりやすくした南光さんは偉い 今日は楽しい一日でした

2017年11月12日日曜日

さん喬・鶴二 二人会


豪華な組み合わせの二人会 秘密クラブのような稲田観音 徳川大将軍三名(家康 秀忠 家光)をお祀りしている 350年の歴史を刻む禅・曹洞宗の寺である 立派な鐘楼 本堂 この本堂に高座があった
今回はお誘いを受け ぜひ行きたいと思っていた さん喬師匠は大好きである 鶴二さんも大好きである このような組み合わせは滅多とみられない さん喬師匠は六代目松喬師匠と親交が深かったと思う 大阪でもお二人の会が西区であったのを覚えている 数回聴きに行った
さて鶴二さんから今日は番外編とのこと メインはお目当てのさん喬師匠と紹介 広島の帰りにわざわざ大阪に寄って来て頂いたとのことで明日は沖縄とか 演目は「鼠穴」は決まっていますがあと一席は「心眼」か「短命」・・・ではないかと言っていた 従って私の方は 短い噺で 東の旅から「軽業」ということだった 鶴二さんのもう一席は「祝いのし」関東では「鮑のし」いや二席とも爆笑の渦で大笑いした
いよいよ 紫綬褒章綬章のさん喬師匠の登場 演目は「心眼」かと期待したが「抜け雀」だった 先日の松竹座の三喬襲名披露公演と同じだった 残念 しかし前回と違い最後の方は丁寧に噺を聴かせてくれたので感動した トリは予告通り「鼠穴」竹二郎と兄貴の物語 夢は五臓の疲れとか 夢に自分が登場しない不思議 女は夢を見る 男は夢を持つ とかをマクラで振ったあと 二人の物語を迫力満点で語った 時には大声で 時にはしみじみと語る メリハリの利いた舞台に全員シーンと固唾を飲んだ 初めて聴く噺ではないのでストーリーは分かっていても堪能する オチは夢は土蔵(五臓)の疲れ 万雷の拍手で高座を降りた 階段が狭いので危ないとも言って笑わした
さすがである 鶴二さんが尊敬する20年先輩との落語会 これからも番外編を期待します 「柳田格之進」の名演も聴きたかった