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2011年10月19日水曜日

大師の杵

林家木久蔵真打の落語を生で初めて聴いたのである。演目は「大師の杵」、川崎大師が舞台である。若き日の弘法大師物語。マクラが振っていて、会ってみたい歴史上の人物のベスト3。龍馬、信長、聖徳太子。木久ちゃんは、教養のあるところを見せて弘法大師をチョイス。これから本題に入るのは、意外と新鮮だった。声も大きいし、若いし、華がある。こちらもそういう目で見るから余計だ。
おもよさんが大師に惚れる。片思いだ。心配した親爺が、おもよを大師の寝間に襲わせる。しかし大師は先に気がついて、出掛けてしまう。布団の中には杵がひとつ。お玉牛なら牛が寝ているところだが。杵がサゲのヒント。失意のおもよさんは、六郷に身を投げる。大師は、予感がして戻るがそのときはすでに遅し。悪いことをしたと親爺に謝り、「おもよ堂」を造り、杵を奉納する。それが評判を呼び現在の川崎大師として人の集まる場所となった。
木久蔵さん、私も本当かと思って大師に行ったんですよ。そのことを話したら、お坊さんに「臼だ」と言われました。これがサゲ、杵と臼。臼と嘘。木久ちゃん途中で「土左衛門」が出てこなかったが、まずまずの噺だった。

1 件のコメント:

  1. 木久蔵さん,東京で聞かれたのですか?

    「大師の杵」,知りませんでした。何か悲しい話ですね。
    六郷というのは,箱根駅伝の1区の最後の方で渡る六郷橋の辺りでしょうか。

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