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2011年10月26日水曜日

町内の若い衆

白酒さんを生で聴きました。浅草です。「待ってました」と声を掛ける。このタイミングは難しい。繁盛亭と違ってお囃子もメリハリが効いていない。知らない間にスッと出てくる感じ。頭は三喬さんのようにスカッとしている。額のところに特徴がある。声も良い。良く通る綺麗な声である。顔も愛くるしい。現在聴いてみたい落語家のナンバー10に入る。
町内の若い衆という噺は初めて聴いた。大家さんのところは、家の手入れが良い。褒めると、なあにこれは「町内の若い衆が寄ってたかってやってくれた」と謙遜する。それを聴いた兄貴、自分の家を思い出す。おかみさんが凄い太い声で家中を仕切っている。兄貴が風呂に行っている間に、兄貴から頼まれた友達が、おかみさんを訪ねて、兄貴のことを褒めるが、全然反応なし。せいがない。ふとお腹を見ると大きい。さては子どもが生まれるのかときくと、「なあに町内の若い衆が寄ってたかってやってくれた」というのがサゲ。実に恐ろしいサゲであった。
白酒さんの噺はこれからも注目したい。五街道雲助師匠の一番弟子である。

2011年10月25日火曜日

読書の時間

何回聴いても噴き出す噺だ。三枝師匠は落語の天才だとつくづく思う。このような創作落語を100近く作っているという。選りすぐりの34撰のDVDを購入しているが、どれもどれも逸品。特に「読書の時間」は5本の指に入る。
先日、この噺を正蔵さんから聴いた。正蔵さん、こぶ平改め正蔵である。弟のいっ平は、三平になっている。江戸でこの噺を聴くのは珍しいと思う。お客さんは、読書の時間で、生徒が島崎藤村のことを島崎・フジムラと読んだことでドット笑う。細雪をほそゆき、細道をささめみち、とくると更に笑う。やりやすい客だ。たけものしょうじじっとくは武者小路実篤、そう読むほうが難しいとか。きんいろよまた、までくるとお腹をかかえて笑っている。
私が面白いと思うフレーズは、厚い本だな、なんだ全国時刻表かという場面、しかしこのフレーズは出てこなかった。そして、竜馬がゆく、ここで最高潮、正蔵さんが、おお・・という顔が面白い。最後は息子と父親の会話があるが、この日は時間の関係か、最後までいかなかった。江戸のお客を笑わすのはこれが一番。しかし著作権料を払うのだろうか?それが気になる。

2011年10月22日土曜日

浅草演芸ホールの賑わい


浅草には、年間3000万人の観光客があるらしい。この六区は、演芸のメッカである。隣の東洋館にも大勢の浪曲ファンが並んでいた。ここは、ホールは満員だった。じじ・ばば・じじ・ばばでサロンパスの匂いが充満していた。入ると前座さんが金明竹を演じていた。花どんは花録の弟子、続いて出たのが小朝の弟子のぽっぽ、女性である。11月から2ツ目とか。なかなか可愛かった。
この日は、豪華メンバー、真打では聴きたかった白酒、川柳、正蔵、圓太郎、馬風、仲入り後は、木久蔵、正雀、たい平、主任は白鳥(彦いちが休演のため)、満足の高座であった。
色物では、遊平・かおりの漫才、ゆめじ・うたじの漫才、あした順子の漫談などこれで2,500円は値打ちがあった。久しぶりのホールであったが、2階があるのは知らなかった。

2011年10月19日水曜日

大師の杵

林家木久蔵真打の落語を生で初めて聴いたのである。演目は「大師の杵」、川崎大師が舞台である。若き日の弘法大師物語。マクラが振っていて、会ってみたい歴史上の人物のベスト3。龍馬、信長、聖徳太子。木久ちゃんは、教養のあるところを見せて弘法大師をチョイス。これから本題に入るのは、意外と新鮮だった。声も大きいし、若いし、華がある。こちらもそういう目で見るから余計だ。
おもよさんが大師に惚れる。片思いだ。心配した親爺が、おもよを大師の寝間に襲わせる。しかし大師は先に気がついて、出掛けてしまう。布団の中には杵がひとつ。お玉牛なら牛が寝ているところだが。杵がサゲのヒント。失意のおもよさんは、六郷に身を投げる。大師は、予感がして戻るがそのときはすでに遅し。悪いことをしたと親爺に謝り、「おもよ堂」を造り、杵を奉納する。それが評判を呼び現在の川崎大師として人の集まる場所となった。
木久蔵さん、私も本当かと思って大師に行ったんですよ。そのことを話したら、お坊さんに「臼だ」と言われました。これがサゲ、杵と臼。臼と嘘。木久ちゃん途中で「土左衛門」が出てこなかったが、まずまずの噺だった。

2011年10月14日金曜日

明石飛脚

桂しん吉さんの得意ネタ?かな。3回くらい聴いた。先日は繁盛亭で生で聴いた。吉朝師匠の4番弟子で有望株である。人気者の吉弥さんは2番弟子。東住吉高校の噺家は多い。染二さん、しん吉さん、吉坊さんなど、染丸師匠が教えていたので、多くの噺家を輩出。

さて、明石飛脚 大阪から明石まで15里の道を手紙を持った飛脚が走る走る。現代の佐川急便である。佐川のマークは飛脚。西宮のえべっさん、三ノ宮、「どこいさのさ」との掛け声で、体を揺らしながら、ここはどこや、大阪から明石までどのくらいかと聞いてまわる。西宮でも三ノ宮でも兵庫でも、須磨でも明石の人丸でも大阪から明石までと聞くから、みんな15里と答える。聞き方が悪いので全然減らない。面白いのであるがあまり受けない。遂に人丸で寝込んでしまう。ここはどこや。明石の人丸や。飛脚が思わず「走るより寝ている方がはやい」。というサゲ。少し分かりにくいと思う。ここで一旦終わるので、お客は拍手。しかし、まだ終わってませんでと、雪隠飛脚、うわばみ飛脚の噺が続く。上方ならではの鳴り物入りで、テンポよく楽しい落語である。

2011年10月4日火曜日

京の茶漬け

口先だけの実がないたとえとして用いられることもあるが、訪問、あるいは滞在する時間帯への客の心得や、主客相互の気遣いなどを表すたとえでもあり、基本的に家庭料理ではもてなさない京都人の接客振りをも表している(京都検定テキストより)
落語では、口先のことを強調しているが、そうではないという解釈か?奥が深い深いテキストである。落語では、京都人を皮肉っている。学生時代4年間、京都に下宿した私にとっては、この噺を聴いてなるほどと思う。しかし、実際にはそうではないようだ。京都人の奥深さを示しているのだ。まだ、若かったのである。やはり、訪問する時間は気を配らなければならない。
この噺は、やはり、京都の落語家が演じるのが一番良い。福郎師匠、米二師匠、染二さんの噺をもういちどゆっくり聴いてみたい。
千本今出川上がるに近為という有名なお漬物やさんがある。ここでは、京の茶漬けというメニューがある。2500円らしい。一度、食べてみたい。ただの茶漬けではないらしい。どんなものか大変興味がある。

2011年10月2日日曜日

秘伝書

道具屋ではないけれど縁日には沢山のお店が出る。怪しい小屋もある。蛇女とか人魚女とか、だみ声の口上が怪しさを倍増する。奥でおっさんが本を売っている。結構高い。もちろん、サクラも群がっている。これらを落語にしたのが秘伝書である。4代目桂米紫さんで聴いた。都んぼ改め米紫である。3代目は、大きな太った噺家であったような気がする。千里セルシー寄席で何回か聞いたことがある。4代目は若くて元気が良い。都丸改め塩鯛の弟子である。

釜なくて飯を炊く方法(鍋で炊け)ひと月100円で暮らす方法(ところてん、一突き100円)とか、ただで電車に乗る方法(車掌になれ)とか若い女の子にきゃきゃ言われる方法(ここでは答は書けない)天皇陛下になる方法(これも書けない)最後に少ないお金で大儲けする方法、これは何かと読めば、これと同じように本を売れ。これがサゲである。単純な笑いであるが、お客さんは爆笑。江戸ではばかばかしくてやらないのでしょうね。

2011年10月1日土曜日

道具屋


お初天神の道具屋さん。優雅なものである。おじさんが椅子に座って番をしている。与太郎ではない。昔は道具屋さん、今ならガレージセールというのだろうか。フリーマーケットと呼ぶのだろうか。噺にで出てくるのこぎり、股引、木刀、お雛様は置いてなかった。その代わり壺、絵画、洋服を置いてていた。