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2014年12月22日月曜日

柳家三三独演会は期待以上だった



三三さんの噺は何回も聴いたが、やはり独演会は違う。末広や池袋、浅草はわずか15分程度の出番で、じっくりたっぷりとはいかない。三三さんは、昨年47都道府県を47日で回ったという。今年は、47日間というのは止めて、主に土日に1年をかけてまわる。
今日は11時~こどもたちへの落語教室から参加した。はじめに小噺を紹介した。味噌豆だった。
こどもたちは大喜び、次にセンスと手ぬぐいの使い方を説明、特に蕎麦を食べる仕草を伝授。
エア箸を使ってみんなで実演した。そのあとは、落語を一席。「転失気」だった。

13時からはいよいよ「独演会」。満員御礼の150名。三三さんのまくらも面白かった。小三治師匠のゆずりというかなかなか楽しいトークだった。さすが上手い。40分くらいだっただろうか。
さあ落語に入った。一席目は「ひとめ上り」、はじめて聴く噺だった。上方では聴いたことがない。
二席目は、お馴染み「転宅」泥棒の噺といって始めた。この噺はどんでん返しが面白い。高橋お伝の孫で高橋お菊とかが実におもしろい。
仲入り後は、三席目の「二番煎じ」だった。これも寒い日の噺、いずれもリズミカルにさわやかに演じた。これは本当に期待できる。吉弥さんと同期と言って、二人会を行っているとか、次回は東西の人気者が聴ける会に是非行きたいと思った次第である。

2014年11月24日月曜日

浅草演芸ホールは楽しい寄席である。


私にとっては豪華な出演者ばかりでした。16時45分開演 21時5分終演 約4時間半。
感想をひとこと。

柳家花どん:真田小僧、将来有望とみた 前座さんより上手かったよ
春風亭一左:つる 前座としてはまだまだ 一朝一門
三遊亭天どん:創作落語 あまり変わらないなあ 成長がイマイチ 頑張れ真打

とんぼ・まさみ:漫才 上方の二人
柳家花飛:元犬 二つ目昇進したばかり 上手でした 教科書通り
川柳川柳:歌で綴る太平洋戦記 いつもこればかり 飽きるが・・・
ぺぺ桜井:ギター漫談

古今亭志ん橋:穴子でから抜け 聞いたのは初めてだった バカの出る噺
三遊亭白鳥:創作落語 山奥寿司 やはり上手い 白鳥ワールドだな
世津子:マジック、なかなか美人 新聞やぶりには驚いたなあ
春風亭一朝:太鼓腹 (幇間腹)さすが聞かせるなあ

春風亭柳朝:町内の若い衆 切れが良い 玉川大学で講師をしているとか
のだゆき:かわいい女性 2回目 ピアニカで楽しませてくれる 
柳家三三:洒落将棋 初めて聞いた噺 柳家のホープ ひょうひょうとしている
桂文楽:掛取り 貫録十分 談志・志ん朝と同期とか 元気でした

こいる・順子:漫才 共に相手方が病気で休んでいるため 新コンビ
柳家小里ん:二人旅 初めて聞いた噺 噺家らしい噺家
千三郎社中:傘で枡を回すなど 2人の演技は楽しい
春風亭一之輔:寝床 文句なく素晴らしい 独特のムードを出している

浅草の主任は春風亭一之輔の「寝床」


浅草演芸ホールの11月下席夜の部を鑑賞。入ったら昼の部の主任:林家木久蔵さんが「時そば」を演じていた。主任だから「時そば」はないと思うが、そこは浅草、大衆向けに分かりやすい噺を演じたのであろう。途中、そばを食べる仕草が上手いと言って客をいじったところで笑いが起きた。

さて、お待ちかねの夜席の主任は一之輔。8時30分過ぎから舞台に上がったが、ここは、昼と違って、どかん、どかんと来た。この人の人気の凄さが伝わった。「寝床」というあまり面白くない噺なのだが、そこは一之輔さん、登場人物をなんともいえない表現で面白くしていた。テレビの「マッサン」まで出していた。なんという頭の切れ。終わってからみんな「一之輔」さんは良かったと言っていたのが聞こえた。この日はなんと師匠の一朝師が仲入り前に出てきて「太鼓腹」を演じた。これも熱演でした。他に兄弟子の柳朝、前座の一左(いっさ)など一門が揃った。

2014年11月6日木曜日

三喬三昧(第5回独演会)は超満員


三喬さんの独演会に初めて行った。1500人位の席は超満員。凄い人気。たいしたものである。どちらかといえば、高齢者が多かった。やはり松喬師匠の一番弟子だけのことはある。師匠亡き後、一門をグイグイ引っ張っているのが頼もしい。独演会ではいつもはゲストを呼ぶようだが、今日はなし。従って3席でたっぷり。「べかこ」、「くっしゃみ講釈」、最後はネタおろし?の「高津の富」だった。高津の富は、笑福亭のお家芸、松鶴、松喬師匠の得意な噺。もう何回聴く噺だが、子の1365番のところが楽しい。

三喬さんといえば、マクラが面白いのだが、さすが3席を演じるとしんどいのか、最初の「べかこ」でちょっと触れただけ、西宮市民であるので今年のお詫びをしたのが面白かった。件の議員の趣味が読書、好きな作家は志賀直哉、好きな小説が「城の崎にて」。そうかそれで1日おきに城の崎に行っていたのか?笑わせてくれた。

2014年9月6日土曜日

小三治師匠が人間国宝に




小三治師匠が重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されたのは7月18日のこと。1939年12月生まれの75歳。さぞ師匠の5代目小さんさんも喜んでいることだろう。噺家としては3人目。小さん師匠、米朝師匠に次いでのことである。噂はあった。次は小三治さんだろう。小三治さんしかいない。やはり古典落語を演じる噺家でなければいけない。文化審議会が文部科学省に答申したとか。文化審議会のメンバーは学識経験者である。小三治さんの次は上方では六代文枝師匠しかいないが、創作落語が認められるか?文化勲章は間違いないと思うが・・・

小三治師匠のマクラは最高。皆さんそれを楽しみにしてきている。先日落語研究会が出しているDVD全集を購入 若い時の舞台である 1983年から1999年であるから44歳から60歳の時代になる  TBSの落語研究会は最近では毎回聴いているので若い時にどんな噺を聴かせてくれるのか楽しみである。

2014年8月18日月曜日

大木戸のかけひやし大とおでん2つ


時うどん、時そばは前座噺。上方はうどん、江戸は蕎麦が定番。四国高松はうどん王国。本当にうまい、安い、はやいの3拍子。香川県はファーストフード店が全国一多いらしい。同級生の四郎ちゃんが精魂込めたうどんは生き物だからと言って、営業時間は短くしている。朝早く打ったうどんは14時までが限界らしい。それが過ぎると賞味が過ぎるらしい。このかけひやしは四郎ちゃんおすすめのうどんである。良い冷ましに一番らしい。だから出汁が少し辛いのか?



落語に登場する特うどんは16文である。高松のうどんも素うどんが160円くらい。現代で言えば、10円玉で1つ・2つ・3つ・・・・・今なんどき12時・・・13・14・15・16と10円玉がたくさんいる。落語では9つだが、ちょっと朝が早いので12時かな。江戸では時そば、上方では時うどん、九州では時ラーメン、四国高松は時うどん、出汁はイリコ出汁、ネギは奴ねぎ、おでんは天ぷら(讃岐では魚の練り物を天ぷらという)これを褒めて欲しいと思う。うどんに関しては「探偵うどん」とう古典落語もある。

小春団治師匠の新作と古典の2本立て興業


8月16日(土)の田辺寄席葉月席686回午後1時30分公演は、小春団治師匠の「たっぷり」であった。好きな噺家である小春団治師匠は新作派だ。しかし、今日の2席は新作と古典。師匠の古典が聴ける。大阪ネタの「宿屋仇」は聞いたことがあるが、どのように語るのであろうか?新作の「断捨離ウォーズ」の自作ネタも楽しみである。

始めに出てきたのが露の団姫(まるこ)さん、産前産後育休で休んでいたらしい。最近見なかったわけだ。相変わらず切れがある。おめでとうという声を発するタイミングが遅れて不発。続いて小春団治師匠の「断捨離」これは家の中の片づけを巡る夫婦の話、皆が思っている何気ない話を面白おかしく話す、さすが小春団治師匠。
さあお待ちかねの「宿屋仇」。これが最高の味を出してトントンと語る。確かに宿屋に泊った時の隣の部屋の音や声が気になる。鎮めるためには様々な手があるが、最高のオチで締めくくる。そういえば、この前東京に行ったときは壁が薄いため途中で何回も起こされた。チェックアウトの時に話したらフロントを呼んでくれたら良かったのにと言われた。宿屋仇の伊八がフロントだったのだなとふと思った次第である。落語での伊八は、イタチとなっていたのが可笑しかった。


2014年8月3日日曜日

松喬十六夜DVD購入



松喬さんが亡くなって1年経った 7月30日が命日だった 7月27日の一周忌にあたる追福落語会は阿倍野区民センターで行われた 江戸からさん喬師匠、権太楼師匠がお見えになった豪華なものであったが残念ながら行けなかった

その代りDVDを購入 この中には松喬師匠が始めた十六夜の第一夜から第三夜までの舞台が収録されている 残念ながら第四夜は中止だった 第三夜は聴くことができたが第四夜のチケットは払い戻しとなった 壷算、住吉駕籠、初天神、一人酒盛り、寄合酒、貧乏花見が聞ける その他お座参り、お文さん、網船も入っている 特別に住吉大社での「住吉詣り」も入っている ネタおろしの
最初で最後の作品 これは良かった 素晴らしい落語家を失くして寂しいと改めて思った次第である 弟子の喬楽さんが師匠の手を引いていたのが映っていた

2014年6月6日金曜日

談春大阪二夜 30周年記念 フェスティバルホール


「稽古とは一より習い十を知り、十よりかえるもとのその一」 千利休の言葉だそうです。知らんかった。さすが、談春さん。一夜は「除夜の雪」と「らくだ」であった。普通の落語会と違って若い人の多いこと。私の横は私より若いご夫婦と若い女性。NHK大阪の無料の落語会とは全然違う。あちらは「ジジババジジババ」のオンパレード。今日は4500円×3000人=1350万円のアガリ。「除夜の雪」が終わって、洋服の談春師匠。そこにさだまさしの長男・長女のバイオリンとピアノの演奏が入る。
豪華ですね。米朝師匠から「除夜の雪」の噺を演じて良いかの許可を得に行った時の話がまた最高に面白かった。

「らくだ」も色々聞いたが談春さんもまた良い。長い噺だがあの屑やさんの豹変ぶりが最高であった。オチはいろいろあるようだが、談春さんの場合は。「かんかんのう」を躍らせろで終わる。まだ噺は続くようだが、このあたりで丁度良いと思った。
これから全国を回るようだが、今旬の噺家「談春」は凄い。

2014年5月9日金曜日

露の紫さんの金明竹


やはり美人は得だ。上方では内海英華さん(女道楽)、桂あやめさん(落語)、上方舞の松浪千壽さんこと澤千左子さんが美人であると思う。特に松浪さんの「おおきに」は色気が充満している。昭和の日の田辺寄席イン「寺西家」では露の紫さんが登場。今年のNHKの新人演芸大賞を逃したのは残念だったけど、なかなか見所がある女流噺家である。先日の瑞さんも良かったけれど、紫さんは大人の色気がある。愛媛県出身とあったが、あの友近と一緒だな。

金明竹をどう演じるかと思って聴いていたら、途中で終わってしまった。まだ全部覚えていなのかどうか疑ってしまう。中橋の加賀屋佐吉・・・の使いが・・・・までいかなかった。誠に残念だった。親爺に盛りが付いたまでは良かったのだが・・・。この噺は圓丈師匠が名古屋弁で演じることを聴いたことがある。大抵は大阪弁だが、江戸に行くと東北弁バージョンもあるらしい。早口言葉が実に楽しい。金明竹が生えている黄檗山万福寺は学生の頃行ったことがあるが、そのときは金明竹のことを知らなかった。今度は宇治に行くことがあるのでじっくり確かめたい。

2014年5月1日木曜日

桂千朝師匠の抜け雀


昭和の日。地下鉄昭和町近辺は賑わっていた。田辺寄席も今西家住宅で1日4回開催、文太師匠は4回全て出演していた。演じたのは「七度狐」、「坊主の遊び」、「へっつい盗人」、「文六豆腐」。さすがの私も1回で充分。3回目の公演を聴いた。露の紫「金明竹」、喬楽「上燗屋」、トリは桂千朝師匠の「抜け雀」であった。文太師匠は「へっつい盗人」。たくさんのお客で満席状態。若い人は紫さんが目当てか?二葉さんもアフロヘアで居たな。私は大好きな喬楽さんがお目当てだった。

千朝師匠は初めて。噺の最中に金の屏風が倒れてきたのには驚いた。丁度佳境に入ったところだったので残念であった。舞台は小田原。一文無しの浪人。障子に雀を書くと、その雀が朝日と共に外へ飛んでいく。それが評判になりお殿様がその障子を買おうとする。浪人から自分が帰ってくるまで、それは売ってはならぬと言われている亭主。雀のお宿は連日の超満員でご満悦。そこにやって来た浪人の親爺。これでは雀が死んでしまうと、障子に籠を書いた。その後、1年ぶりに宿に戻ってきた浪人、その籠をみて、ああ親爺を「籠かき」にしたと親不孝を嘆く。サゲは明快。師匠もさすが上手で噺はなめらかであった。これは左甚五郎ではないようだ。甚五郎は「竹の水仙」と「ねずみ」が有名だが、抜け雀は知恩院の七不思議の抜け雀だろうか

2014年4月23日水曜日

露の瑞は可愛い


露の瑞(みずほ)は都師匠の4番目の弟子。雅、眞、紫の次。田辺寄席で初登場。小柄で着物が良く似合う女性だ。京都女子大卒。演目はお馴染みの「動物園」。なかなか落ち着いている。切れ味も良く、大阪弁の使い方も宜しい。ネットで検索すると昔々なんと桂雀々師匠の弟子だったようだ。桂鈴々と言ったらしい。どうりで上手である。また、何といっても可愛らしい。これは楽しみである。誰かに似ていると思ったら、江戸の「ぴっかり」を思い出す雰囲気だ。都一門は最近紫も活躍しているようで、楽しみな弟子が入った。

動物園は小学生にも大うけの落語である。うちの孫も聞いたらしい。だいたい園長は長谷川さんだったが、瑞の場合は前田さんだった。どうしてだろう?瑞の本名と違うし、どこから持ってきたのだろうか?よくあるのが、米朝の中川さん、松鶴の竹内さん、枝雀の前田さん、いずれも本名を時々使っている。そういえば、江戸の禁酒番屋は近藤氏、上方の禁酒関所は松本の旦さん。それぞれ違うのも面白い。

2014年4月22日火曜日

春駒さんを偲ぶ会(田辺寄席)


今日は、昨年12月31日にお亡くなりになった春駒師匠と同期の噺家が「偲ぶ会」をするというので、是非行きたいと思って田辺寄席に足を運んだ。昭和46年入門は、文太師匠、仁智師匠、雀三郎師匠の4人。春駒師匠はどちらかといえば、地味な存在。だが頭は4人の中ではふさふさしていたことを思い出した。文太師匠の話によれば、桂きん枝さんとは同じ高校だったとのこと。きん枝さんは昭和44年入門、2年早かった。春駒師は独特の語り口調があった。固いと言うか昔の警官のような感じであった。

この日は仲入り後に3人で春駒師の思い出を語った。文太師匠が司会進行役。全員同じ一門ではなかったため、そんなに深い付き合いではなかったとのこと。笑福亭、枝雀、文枝。春駒師は春団治。このような話は滅多に聞けない。それぞれの個性が良く出て良かった。お客さんもいつもより多くて期待している様子が分かった。春駒師のDⅤDがあった。上方落語の会。演題は「親子酒」酒のみの親子が喧嘩をしてしまう。こんなぐるぐる回る家は要らんというのがサゲ。実におもしろい噺である。春駒師のご冥福をお祈りしたい。

2014年4月4日金曜日

風喬さんの短命



この短命は、伊勢屋の養子が若死にをしたことで噺が始まる。これで3度目だ。何が原因か?嫁さんの器量が良すぎるのが原因らしい。嫁さんの手が養子に触れると若死にするらしい。それを聞いた八五郎は家に帰り、お茶漬けを食べて女房に給仕をしてもらい茶碗を受け取るときに手を触ってもらおうとして確かめたのだが、女房の顔を見て、ああ俺は短命ではなく長命だというのがオチ。
手が触るというのは今では通じない話だそうである。今は手が触ったくらいではなんともない時代。昔はそうではなかっjたようである。  

風喬さんは少しとぼけている感じがある。見た目がそうである。名前の通り風貌がそのような感じ。
松喬師匠の最後の弟子で、右喬さんの方が先輩のようである。たんたんと喋り、どことなくとぼけた味を出している。                                          

2014年3月30日日曜日

談志はやはり凄い噺家である

談志の噺を聴いた。こういう噺家はしばらくは出ないだろう。テンポが良い。面白い。なんでも良く知っている。客を喜ばす。良く勉強している。ただ、毒づくというか、天狗になっている。俺より偉い人はいないだろうと思っている節がある。いわゆる破天荒な噺家であると思う。

東京には昭和44年4月から7月まで住んでいた。末広とか紀伊国屋ホールで談志を聴いたことがあると思う。しかし、そのころは談志も若かったからそんなに有名ではなかった。真打になったのが昭和38年、その前に真打になった志ん朝は若くても有名だった。志ん生の息子だからといいうことで。圓楽は紀伊国屋で「たがや」を聴いたのが初めて。そのころは、歌奴さんの授業中で「山の穴、穴・・・」という話がブレイクしていたのを思い出す、もちろん痴楽の綴り方教室も最高だった。大阪に転勤してからは、島之内寄席によく通った。ミナミの「暫」での寄席は雰囲気が良かった。落語歴50年、いやはや飽きないものである。

文太師匠の茶論亭


桂文太師匠が行っている落語教室(近鉄文化サロン)の生徒さんの落語会に行ってきた。今年1月13日(日)高津宮の高津の富亭で行われた。演じられた噺は、始末の極意、餅屋問答、持参金、くっしゃみ講釈、代脈、高津の富、仲入りの後は、猫の皿、親子酒、初天神。そら豆さんは「くっしゃみ講釈」を演じた。一番良かったのはそら豆さんの「くっしゃみ講釈」だった。講釈師の噺だが、これが実にすばらしかった。

くっしゃみ講釈は、上方で良く聞く話である。後藤一山という講釈師への仕返しのために二人が胡椒を買いに行くが胡椒がなく、唐辛子を購入、それを火でくすぶるとくしゃみが出るは出るは、講釈にならない。講釈師が二人に何か故障でもおありか?と聞くと、二人は故障がないから唐辛子を買ってきたんやというのがサゲとなる。そら豆さんがくしゃみを何回もするしぐさが良かった。この噺を聴くといつも中学時代を思い出す。ポケットから胡椒を振りまいていた輩がいた。みんな「ハクション」「ハクション」。花粉は飛んでいない平和な時代の話である。

築地の寿司は大行列



大江戸線の築地駅から直ぐの磯寿司。限定30食に惹かれて入ると東南アジア系の若者が先客で入っていた。二人は写真を撮りまくり食べることはそっちのけであった。マグロがとても美味しかった。2500円は手ごろなお値段で、味もさすが築地である。文句なし。なかなかの穴場である。奥に入るとものすごい行列が出来ているお店もあったが、ここの磯寿司も大変美味しい。

文枝さんが三枝時代に作った創作落語に「にぎやか寿司」というのがある。にぎやかというのはな名前だけで誰も客がいないお寿司やさん。そこに入ったサラリーマンと大将との会話が三枝さんらしいストーリーになっている。小朝さんの「ぼやき酒場」も同じような噺。これも三枝作かもしれないが、やはり上手い人になると本当に楽しい噺になる。

この約2か月は写真がうまく入らず、四苦八苦していたがようやくアップできるようになりやれやれである。

2014年2月25日火曜日

笑福亭たまの崇禅寺馬場はオリジナルだった

久しぶりに足を運んだ「寺西家」の如月席。たまさんの崇禅寺馬場で始まった。江戸では鈴ヶ森。続いて文太師匠の「寝床」。旭堂南海さんの「矢頭右ェ門七」の講釈があり、トリは再び文太師匠の「五両残し」これは江戸では「星野屋」。以上4本を聴いた。丁度このくらいが良い。最後はお楽しみ抽選会があって全員に何かが当たった。私はミスタードーナツ。200円くらいか?何か当たるのは誠に嬉しい。


たまさんは京都大学出の噺家。独身。はやくも人気者となっているのはさすがである。外野席からは冗談で税金の無駄づかいと言われているが、別に京大だから噺家になってはいけないということはない。皆さんは笑っているけど、親は泣いているとは、高学歴の噺家に対するジョーク。学歴は関係ない。いつもはショート落語で始まるのだが、この日はソチ五輪で始まった。バイアスロンの射撃のネタで笑わしてくれた。また、巷でささやかれている嘘か本当か分からない「都市伝説」をいくつか紹介してくれた。崇禅寺馬場は福郎師匠で一度聴いたが、たまさんは少しアレンジして単純な噺に変えていた。時々、古典をアレンジしているようだが、これからもどのように創作するのか楽しみである。

2014年2月15日土曜日

動楽亭2月 トリは雀三郎師

動楽亭の席亭は桂ざこば師匠。地下鉄動物園の近くにある。家から歩いて約40分というのが有り難い。2回目の訪問。前回は米團治、南光師匠が出ていて満席だった。今回の2月8日の昼席は、鯛蔵(代脈)、佐ん吉(桃太郎)、紅雀(花色木綿)、文之助(不動坊)、中入の後は団朝(阿弥陀が池)、トリは雀三郎(哀愁列車)であった。14時から始まり16時30分過ぎに終わった。はじめtの噺家は鯛蔵、佐ん吉、団朝だった。


一番面白かったのは団朝かな。もちろん雀三郎は余裕の舞台、2月1日の朝日放送の上方落語を聴く会と同じ噺だったのが残念。文之助も熱演だった。ここは米朝事務所のホームグランドであるが、笑福亭も林家も出るので、丁度良い寄席小屋である。1日から20日までの昼席は本当に落語好きという連中が集まるところである。

右喬の平の陰


右喬さんはこのたび「第8回繁昌亭爆笑賞」をもらった。本人の弁によると今まで賞はもらったことがないと言う。マクラでは今までのアルバイトの噺を朴訥に語る。それが実に面白いのである。なんとも言えない。爆笑賞をもらった訳が分る。これからも頑張って欲しい噺家である。

平の陰は右喬さんの得意ネタのようだ。江戸では「手紙無筆」とか。右喬さんは松鶴さんに似た話し方をする。手紙に書いてありませんか?と尋ねると「書いたある」とおやっさんが答える。この「書いたある」が何回も出てくるのが面白い。噺の方は単純だが二人のやりとりがあきない。

喬介の「金明竹」


喬介さんは初めに「落語やります」でスタートするのだが、今回はそれがなかった。卒業したのかもしれない。三喬師匠の2番弟子。入門9年目である。ちなみに松坂似の喬若さんは1番弟子。

金明竹は前座噺とか。早口が噺家としての練習台になるのだろうか。古典の中の古典である。黄檗山金明竹というくだりがあるがそこからとったのだろう。黄檗山万福寺は宇治にあるお寺だが、一度学生時代に行ったことがある。そこに金明竹という竹があるのだろうか?金色の竹?。この噺は大阪弁の早口が面白くて何回も言わして喜ぶところが面白い。だが名古屋弁もある。圓丈師匠がやる。また東北弁で演じる立川流の噺家もいる。いずれも江戸でやるから面白いというというのが私の意見である。

笑福亭仁扇師匠の「胴切り」は大人の噺


昨年11月の豊田亭での仁扇師匠。なかなか大阪では見られない師匠であるので貴重である。打ち上げでお話したが、愉快な噺家であった。仁鶴師匠のお弟子さんは一番弟子が仁智さん、次が仁福さん、その次が仁扇さん、7人の弟子の中での三番弟子。仁鶴師匠は昭和40年代は物凄い人気だった。最近では難波のNGKでご本人の出番を見たが、落語ではなく漫談であった。

胴切りとは物騒な噺だが、なんのことはない。胴を切られた男。胴と足が切り離された。胴は風呂屋の番台に座り、足は麩屋の職人になった。兄が番台に弟が麩屋に。風呂屋の番台に座った兄が目にやり場がなくなり、目が霞んで来た。足に「やいと」をすえたら良くなるというので、使者が弟のところにやってくる。弟はお尻からモノを言えるようになっていた。やいとが終わってから弟が兄に伝えてくれと使者に言ったのは「兄貴あまり女湯を覗かんようにして呉れ。前のモノが元気良すぎて困るから」ということでオチがついた。麩屋というのは昔は多かったんかいな。最近ではあまり食したことがないけど。

2014年1月22日水曜日

三喬さんの鹿政談


鹿政談を初めて聴いたのは米朝師匠からである。ライブで聴いた。人間国宝になる前であり、かなり前のことだ。いちいち日記をつけていないから分からない。豆腐の「おから」のことを上方では「きらず」というのもこの時知った。これがオチにつながるから知らない人のためにマクラでその話の解説が出てくる。オチは「まめに帰ります」というのが最後となる。これも豆腐とかけている。米朝師匠はマクラで奈良のことをたくさん話したと思うが・・・覚えていない。

三喬さんは実に勉強家である。奉行所の話を解説してくれた。東と西は上方、江戸では南と北奉行所とのこと。そういえば佐々木政談は確か西町奉行、しかしこれが江戸に行くと南町奉行に変身するからややこしい。この噺は上方落語での落語会なので東町奉行が登場した。このあたりが三喬さんの真骨頂。他の話でもところどころで知識を披露してくれるから楽しい。近江八景もそうだった。この日は師匠松喬さんの追福落語会。一番弟子の三喬さんは一門を引っ張ってくれると思う。
楽しみにしたい。