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2018年12月30日日曜日

六代目松喬一門会 ホリエにて



六代目松喬一門会のハガキを頂いた 行かないわけにはいかない 12月はこれで4回目の寄席通い ちょっと多すぎるか 喬介さんは2回目となる
今日は「欲の熊鷹」と「お目見得(おめみえ)」という珍しいネタがかかっていた どんな噺か 聴きたかった
このアルテでの一門会は21回目となる 年3回やっているので7年続いていることになる 六代目松喬師匠がなくなって来年で七回忌なので師匠が大事にしている会なのだろうと思った
さて喬介さんは「黄金の大黒」江戸の噺家から聴いたことはあるが上方では珍しい噺だ 挑戦する喬介さんに拍手を贈りたい 風喬さんはマクラで得意の似顔絵を披露 欲しい人ということで手を挙げてジャンケンをしたが決勝で敗れた 残念 落語は「平の陰」
そして七代目松喬師は「欲の熊鷹」2回目か3回目に演じるというくらい滅多にはしない噺だった 欲の皮が突っ張るとこういう結果になる 
仲入り後は遊喬師の「胴切り」皆さんついて行ってますかというフレーズが面白かった トリは生喬師の「お目見得」であった この作品は花登筐さんの作品とか 花登さんは大学の大先輩である 脚本家として高名な方 特に「細腕繁盛記」は素晴らしい作品である この作品は2年前にネタおろししたとか 松鶴師匠 六代目松喬師匠も演じていたという 演じた後に朝日新聞に記事になったという 花登先生のご親族の方から電話があってドキッとしたが「新作の落語」を書いていたことは親族も初めて知ったという 是非演じて欲しいという電話だった なお花登先生の最後の奥様は女優の「星 由里子」さん 今年74歳でご逝去された 吉永小百合さんの1年先輩である
噺は「めんめ」が嫌いな留吉 「めんめ」はつねること 親が子供を叱るとき親指で「顔をつねる」ことを「めんめ」と言う 懐かしい言葉だ そういえば子どもの頃「めんめ」と言われたことがあった この「めんめ」が「おめみえ」と似ていることが落語の「サゲ」に繋がっているようだ この「え」が「得」になっているのも面白い 噺と合っていると思う もう一回聴きたい噺だ 如何にも花登先生らしい作品だった ハッピーエンドで噺は終わった

2018年12月27日木曜日

年末のハルカス寄席



12月25日(火)は今年最後のハルカス寄席だった 先週も行ったので迷ったが好きな噺家が出るということで行くことにした 出演順に 喬介 由瓶 福丸 かい枝 華紋 雀太 由瓶さんは先週も聴いたが本来は本日の出番 先週は鉄瓶さんの代打であった
第1部のトップは喬介さん マクラは占いだった ニコニコ笑いながら「落語やります」と言って始めたのが「牛ほめ」喬介さんのファンは多い 今日もたくさん来ていた
由瓶さんは鶴瓶師匠の噺 噺は「動物園」時間を短縮してエキスだけを演じた 無駄なところは全部省いた「動物園」であった 福丸さんは南座の興行をマクラにもってきた 頭の良さは誰もが知るところ 灘中・灘高・京大法学部出身 福團治が師匠である 「蔵丁稚」はなかなか上手だった 優等生的な感じがやや物足らない
第2部のトップはかい枝師 このメンバーの中では一番の人気者である マクラでは神戸・大阪・京都の違いを面白く語った 3人で食事に行ったとき考えていること 神戸は見え張りでええ恰好したいタイプ どうやって皆の分を払おうかと考えている 大阪は割り勘を考えている 京都はどう御礼を言ったら良いか考えている というたとえで笑わして 京都の「京の茶漬け」を演じた 大阪の客人が一度は食べたいと思って出掛けたが 相手の奥様がなかなかしぶとい 永谷園とか言っても茶漬けを出さない しかしもう我慢がならないと腰をあげると「茶漬けでも・・・」と声がかかり成功 やっとのことで茶漬けを食べることになったのだが・・・そこでおーいお茶の伊藤園が出て来たり・・・
華紋さんは昨年のノーベル文学賞のイシグロさんをマクラに持ってきた 奥さんの親戚筋とのこと 従兄弟違いだそうな 噺は「阿弥陀池」先週も聴いたので違うのを演じて欲しかった
トリの雀太さんは新開地の喜楽館のマクラで笑わせた 久しぶりに元気なお姿を拝見したが今は大活躍中である 年末最後の噺とあって「芝浜」の大ネタを聴かせてくれた 上方では「夢の革財布」である オチは「また夢になるといけねえ」久しぶりに聴かせてくれた 雀太さんに感謝である
 

2018年12月18日火曜日

12月のハルカス寄席


火曜日はハルカス寄席がある 久しぶりに出掛けた 今日は誰かな 贔屓の喬若さんが出る 由瓶さんも 紫さんも 文鹿さんも 阿か枝さんも 講談では南海さんも
欲を言えば かい枝さん 雀太さん 喬介さん 染左さん 福丸さんたちも出ていたら最高であるが
ここは3席で1000円 前半・後半の6席で1500円 大変リーズナブルである ありがたい 有難い 暮れの平日となれば少ないかと思ったら なんと満員御礼
前半戦の3席は「田楽喰い」の阿か枝さん 「阿弥陀が池」の由瓶さん 講談の南海師はこの時期の討ち入りに因んで「赤穂義士外伝 忠僕元助」初めて聴いた講談であった 群馬に元助が供養した四十七士の石像があることを知った 最近 神田松之丞というスーパースターが講談界に出て来て講談ブームだという 隣の若い男性は落語では眠っていたが南海師が登場すると「待ってました」と声を掛けた 突然だったので驚いた
後半戦は喬若さんが登場 素晴らしい「天災」だった 表情が豊かである 続いて紫さんが創作落語 桂三枝作の「シルバーウェディング」熱演だった 喉の調子が悪いことをマクラにしていたが しんどそうだった
トリは桂文鹿師の「真景累ヶ淵 宗悦殺し」初めて聴いた大作である 文鹿さんは凄い 迫力満点の熱演であった 江戸でも上方でも演じるのは少ないのではないかと思う あの圓朝師匠の怪談噺の導入部である 「豊志賀の死」へつながる
文鹿師はたま師から相当な噺家であることは聴いていた 来年1月から3月までは充電すると言っていた 4月からの舞台が楽しみである 今日は文鹿師の迫力溢れる舞台が聴けて本当に良かった

初めての喜楽館




今年7月に神戸新開地に開館した喜楽館 上方落語の定席は天満天神繁昌亭に次いで2番目である 行きたいと思っていたが実現した 新開地に行くにはどうしたら良いか 阪神電車か阪急電車か 高速神戸の次が新開地 阪急は新開地まで 阪神は新開地から山陽電鉄で姫路までつながっている 結局は阪神に乗った
新開地に着くと歩いて2分 商店街の中に「喜楽館」があった これは便利である 早く到着したので周りを歩いた なんと福原が東側にあった これはこれは 思い出深い場所である 
開場は13時30分 桂ちょうばさんが太鼓を叩いていた 枝雀さんの息子さんである 叩いていると染吉さんと文太師匠が横を通った 今日は喬楽さんが出るというので「有田みかん」を楽屋に差し入れした 喬楽さんは病み上がりで心配だが普段と変わらなかったのが嬉しい 今日は「千両みかん」を誰か演じてくれれば嬉しいのだが
14時開演 染吉さんが「平林」続いてひろばさんの「笠碁」、続いて喬楽さんの「寄合酒」一生懸命のお喋りだった 色物で豊来亭玉之助さんの太神楽も登場
仲入り前はたま師の「ちしゃ医者」得意のショート落語で笑わせた この日のネタはスタンダードなものだった 新作ではなかった
福楽師は「代書」何度聞いても面白い噺である 次は江戸からのゲスト桂文治師匠 前は平治さんだったが数年前に文治を襲名した 大看板である 源平盛衰記のさわりを語った マクラでの池袋演芸場での支配人の話が面白かった
トリは文太師匠の「稽古屋」 熱演だった 「待ってました」と声を掛けた 師匠には聞こえたらしく この前は繁昌亭で「ご祝儀」が飛んできて大変だったと言っていた
初めての「喜楽館」なかなかこじんまりした良い小屋であると思った 少し我が家から遠いのは困る

2018年11月24日土曜日

第15回 森乃福郎独演会 繁昌亭



9月の彦八まつりで福郎さんから独演会のチケットを購入した 今回は指定席にして販売したという これが良かったのかどうか 本人が言っていた 毎年来ているがやや空席が目立った 
開口一番は笑福亭縁 ゆかりと読む 松枝師匠の弟子である 平成26年入門 そういえば昨年の田辺寄席で話したことがある 緑とか「えん」とか「ふち」と呼ばれることがあるとマクラで話していた 「煮売屋」を一席 頑張って欲しい
続いて森乃石松さんが登場 今年のニュースから1・2・3・・・・と10まで面白おかしく語った 素晴らしいマクラであった なんと言ってもアイディアが良いと思った そういえば色々あった1年であった 日大・相撲協会・レスリング・ボクシングの不祥事 尾畑春夫さん 紀州のドンファン 安室奈美恵引退 「猫の皿」も良かった
仲入り前は福郎師匠の「三日天下」明智光秀の三日天下は三日ではなかったという話しで始まった 実際には三日以上であったが・・・日本人は三という数字が好きなため三日天下にしたという 外国帰りの日本人と外国から日本へ移住した外国人の会話が面白い 日本人のたとえは詐欺だという 「さじをなげる」とかの慣用句が誤解を生んで笑いを誘う 
仲入りは千田やすしさん いわゆる「腹話術」川上のぼるさんの弟子 久しぶりに腹話術を楽しむ 
再び福郎師匠の登場 珍しく「死神」を演じた 彦八まつりで話した時に初めて演じると話をされていた たいへん丁寧な話となっていた さすが福郎師匠である 自分のものとしていた 師匠は8月で古希とか 新しい挑戦をしている師匠を今後も応援したい  

2018年11月13日火曜日

月亭一門会


11月8日にNHK大阪ホールにて「月亭一門会」が開催された 12月は笑福亭一門会だが12月は行けないのが残念である もっとも抽選に当たらねばいけないのだが
月亭八方の弟子7名のうち5名が出演 2名の方気と八織はまだ見習い中?かな まだ落語の舞台に立てるのは早いのか
ハ斗は2008年入門だから10年選手 「4人癖」は元気があって良かった 次は八光の「堪忍袋」人気者とあって「待ってました」と女性の声 初めて落語を聴いたがなかなかのもの アドリブもたっぷり
三番目は遊方師 今日の噺家の中では最高に笑った 「干物箱」は江戸の噺らしいが上方風にアレンジして爆笑爆笑 息子の作次郎と本屋の善さん それに親父の3人が最高の笑いを誘った こんなに面白かったのか遊方師は 掛け声も「たっぷり」から「しっかり」の話しや 倅の尻(ケツ)が汚いとか 言いたい放題 腹がねじれるくらい面白かった
中トリは師匠の八方師 なんと崇徳院でまた作次郎が出てきた これは前の演者と被るのではないか ええんかなと思った 八方師匠はゾゾタウンの前澤氏の話を中に入れたが月旅行=剛力彩芽とのハネムーンとまではもっていかなかった 
仲入りの後は文都師のマクラが最高だった 何回か聞いたことがある 「替り目」は時間の関係で途中で打ち切り おでんまでいかなかった
トリは方正師 2008年入門 八斗師と同じ トリは初めてとかで張り切って「子は鎹」を熱演 人情噺で涙を誘う 素晴らしかった
今日の最高の爆笑は遊方師 彼は本当に面白い 上方でも笑いの多さではトップクラスだろう 今日はそう思った これからが楽しみだ 

2018年11月4日日曜日

2018秋 たま独演会

恒例の独演会 足を運んだのは何回目だろうか 次回は1月6日とか たま師の誕生日らしい 行くかどうか たぶん行くと思う 
さて今日の舞台は前座である露の棗「時うどん」で始まった しかしどこか物足りないと思った うどんやの屋号である「あたりや」が抜けていた 続いて雀五郎の「遊山船」初めての噺家だった 
たま師は「源平盛衰記」と創作の「最後の晩餐」を続けて演じた 「源平盛衰記」は駄洒落の連発で大爆笑だった ようもようもこれだけ並べるとは さすがである 「最後の晩餐」は短い噺だった 教会を辞めた牧師が主役 その時は面白かったが1週間経過して思い出しているが全然思いだない
仲入りがあって露の都師匠が登場 最近よくお目にかかる 今日の噺は「禍は下」都噺のひとつだろうか うまくまとめて下がる
最後はお得意のショート落語と8本 続いて「高津の富」古典をうまく現代風にアレンジして爆笑 今日は120%の笑い 源平盛衰記が最高だった

生喬 鶴二 歌舞伎ワールド



難波に新しいビルが出来た 「なんばスカイオ」とか ここの特設ステージで落語会があった 「歌舞伎の世界へようこそ」ということで歌舞伎がメインだったが落語も演じられた 京都南座が11月1日に改築オープンとなるのでそのPRも兼ねて松竹が企画したものだった
落語は松竹芸能の生喬師が27日 鶴二師が28日 二つとも聴きに行った 歌舞伎に関する落語をするというお約束だった
生喬師は「質屋芝居」鶴二師は「七段目」前座もなしで一人30分の舞台だった 生喬師の舞台には赤毛氈がなかった どうしたのだろうかと思ったら「質屋芝居」での動きが激しいため毛氈は敷かなかったのだろうというのが後から分かった
鶴二師舞台にはいつもの応援団の姿はなかったのが寂しかった やはりいつもの落語会ではなかった 落語を知らない人も多かった 生喬師の舞台のときにはこどもの声が後ろから聞こえてきてたいへん気になった 生喬師もやりにくかっただろう 

2018年9月10日月曜日

松鶴 生誕百年祭




久しぶりの動楽亭 中に入ると たまさん 鶴二さん 生喬さんが会場準備や記念品販売を行っていた 豪華顔触れである 迷わず生誕100年祭の記念誌を買った
今週は繁昌亭 動楽亭で「松鶴師匠ウィーク」と称して笑福亭の噺家が総動員 日頃は仲が良くない「笑福亭一門」らしいが70名も集まるという
従って昼は繁昌亭 夜は動楽亭というように二つの場所が必要のようだ 東京からも鶴光師匠の弟子がやってくる 
四日は大阪を襲った台風21号の影響で繁昌亭の昼席はお流れになった 出番だった遊喬師ほかがこの日の動楽亭に回ってきた 初めて見る「べ瓶」も登場した 普段は東京で出ているそうで上方では馴染みが薄い しかしファンは多い
縁(ゆかり)と笑子(しょうこ)の女性噺家は今日見るのが初めてだった 笑子は元婦人警官とか 鶴二師 生喬師と同級生らしい そうは見えなかったが鶴笑師匠の弟子らしくパペット(人形)を使った腹話術で楽しませてくれた 異色の噺家である 神戸生まれとかであやめ師にどこか似ていた
後ろの席にやまだりょこさんが座っておられたので話しかけた いつもメルマガを読んでいると話したら喜んでおられた 有名な評論家であるが控えめにしておられるのが素晴らしい 最後の福笑師匠の「憧れの甲子園」までメモ帳を持って聴いておられた
鶴二さん 生喬さん たまさんにも話が出来て満足の動楽亭であった


彦八まつり 2018



9月の第一週の土日は「彦八まつり」あいにく土曜日は大雨だった 日曜日はお天気も良く満員御礼だった 福郎師匠のところへ直行する 師匠がおられたので挨拶したらまあまあ椅子に座ってということで世間話をした 11月の独演会のチケットも購入 師匠のお店はいつも「古本屋」 落語の道具屋に出てくる「本屋の善さん」というお店 師匠は本好きで有名だ 落語界随一の読書家である 先代もそうだった
「彦八まつり」は今年が「第28回目」実行委員長は春蝶師 確か第1回は露の五郎師匠だった 委員長は順番に回っている ただ誰でも出来るわけではない 旬の噺家 話題の噺家が対象と思う この委員長になるのは名誉なことだと思う 今年は春蝶師がどんな企画をするのかと思ったら テーマは「甘~いお祭り。」二世落語家を集めたり 香西かおりさんを噺家のど自慢の審査員に特別ゲストとして招いたりして 素晴らしい なおのど自慢は銀瓶さんが優勝したようだ
落語家に話しかけるのは難しい 今日は喬楽さんがテントの中にいたので話しかけた この前の落語会で衝撃なことを聴いたのでどうですかと声かけた ゆっくり無理をしないようお願いした 5日は松鶴ウィークで繁昌亭で出番があるとのこと 後日 兄弟子の生喬師から聴いたのであるが普通に「寄合酒」を演じたという 良かった
しかし知らない噺家が増えた もう300名位になっているのではないか 特に女性噺家も多くなっているような気がする あやめ師の弟子の「おとめ」さんもすれ違った 美人が多くなった お花畑のような上方落語協会に期待したい

2018年8月26日日曜日

松喬一門会 ホリエでアルテ


松喬一門会 六代目が亡くなって5年経つ その後 年に3回開催されているという 知ってはいたが行くのは初めてだった
今日のお目当ては喬楽さん 会場に着くと喬楽さんと会えた だいぶ痩せましたが最近また戻ってきたと言っていた 「趣味はダイエット 特技はリバウンド」と言ったらそれは誰かのネタ違いますかと返された
確かに人相が前と違った 今日はトリで登場 マクラで自らの体調のことを話した 驚いた そんなことがあったのか 全く知らなかった 頭も明快だし口も良く回っていたように思ったのだが 本日のネタ「次の御用日」から「宗論」に変更となった お客さんは喬楽さんの噺に引き込まれていた 頑張って欲しいというムードが充満していたように思う
終わってからメールで激励 直ぐに返事がきた 「焦らずユックリと生きていきます」
今日は生寿さん「子ほめ」 喬若さん「七段目」 そして七代目松喬師匠「矢橋船」 仲入りがあって生喬師の「朝友」生喬師によれば「ともふさ」と速記本には書かれているそうだが ルビが「ともふさ」と振ってあるが誤植の可能性大 題はそのくらいいい加減ですと説明された ともあれこれは先日鑑賞した宝塚の「アナザワールド」でも取りあげた古典落語 今は生喬さんしか演じない珍しい噺 サゲは「ご縁」(五円)ではなく6円(冥途行は6文銭が6円に値上げ)なかなか面白かった さすが生喬師である
七代目の「矢橋船」も滅多に聞けない噺 10年ぶりに演じるとか でもなかなか素晴らしい出来 松喬一門会 次回は12月29日とのこと 是非参上したい 

2018年8月12日日曜日

第6回 喬若独演会



落語界の松坂大輔こと喬若さんの独演会 今年で第6回目 入門20周年記念とのこと もう20年になるのか 43歳 喬若さんを知って7年になるが 若々しさはあまり変わらない 入門20年と言えば、同じ笑福亭では たま 風喬 江戸に出ている里光 鶴光の弟子の里光が真打なので江戸に行けば「真打クラス」となる
客層はたまとほぼ同じ 年配者が結構いる 7月の同じホールで開かれたたまの独演会と同じ入りだった
開口一番は咲之輔の「平林」 サゲがいまいち聞こえなかったのが残念 だけどだいぶ成長した 喬若さんは三席「道具屋」「七段目」「花筏」それに篠笛 喬若さんは笛の名手と聞いている 同じ松喬師匠の喬介さんも笛が上手という 初めて聴いたがなかなかのもの 熱演だった 隠し芸 余興というより玄人はだしの芸であった
さて喬若さんの落語 「道具屋」は何回か聞いた噺 マクラでは一粒種の噺でタップリでした 寝返りの噺で爆笑「七段目」は趣味のひとつである歌舞伎の噺 マクラでは祖父・父が好きだった「役者へのかけ声」の披露 松島屋とは言わない シマヤ シマヤとくればダシの素 歌舞伎が趣味とは なかなかハイカラの家だと思う 
もうひとつの趣味は「鉄道」関西の鉄道の車掌さんの物まねが大変面白かった 阪急神戸線 京都線 阪神 南海 大阪メトロ 特に南海では「ざじずぜぞ」が発音できない和歌山の人を真似して車内放送をして笑わしていた そういえば和歌山の知人は「だぢづでど」言っていたなあ 特急サダンは特急サザンのこと 
「七段目」は熱演だった 素晴らしかった 最後の「花筏」も聴くのは初めてだったが 六代目松喬師匠を思い出した 勿論全く同じでない ところどころに個性を発揮して面白かった
今日のゲストは師匠の七代目松喬さん「借家怪談」を演じた 「幽霊」と「お化け」の違いを例によって解説 大変面白く最高のプレゼントだった

2018年7月21日土曜日

田辺寄席 文月席は


久しぶりの田辺寄席 猛暑の中 さすが松喬一門会 満員御礼 予想していた通りだった 昨年の800回のお祝いの席でご一緒した方も来られていた どこかでお会いしたような気がしたのでお声をかけた 確か毎月一日の「おついたちさま」にお赤飯をご近所に配っている 田辺寄席でもお祝いの会にはお赤飯を作っている という方 なんと素晴らしい方だろうと思っていた お話を聴くと喬若さんのファンらしい 随分昔からのようだ 私は10年前くらいだからまだ若造 桂枝雀さんの息子のりょうばさんも応援しているとのこと なかなか通である 
さて 本日は喬介さんから始まった 「兵庫船」こんな噺だったのか?「小倉船」と混同していた 今日はアドリブも沢山連発していた しかし出来が悪そうなことを言っていたが 続いて喬若さんの「粗忽長屋」お馴染みの噺 本当に一生懸命のおしゃべりだった 8月13日(土)に第6回独演会が阿倍野で開催されるので是非足を運びたい 松坂大輔似は最近言わなくなった ハルカス寄席でも大活躍している もっと独自色を出しても良いと思うが 喬若さんは芸歴20年とか もうそんなになるか 「一生懸命のおしゃべり」が最近のマクラ言葉になっているような気がする
トリは松喬師匠 マクラはオリックスファンとしての愚痴 先日の「誤審」で負けた噺 面白かった 鶴の恩返しはホークスにはない 鷹だから 演目は「お文さん」六代目もよく演じていた 思わず六代目を思い出した 今の北御堂 津村別院だから浄土真宗 白骨の御文「朝には紅顔ありて夕べには白骨・・・」で有名 御文=お文という名作である さすがである
文太師匠は開口ゼロ番からノリノリだった ちょっと夏痩かな 演目の「猿後家」も猿年のオチが面白かった 猿沢の池 「さる」大家(たいけ)の旦那 猿年と 猿が続く話しで後家さんを怒らす これは文太師匠が演じると上手いの一言 今日は松喬一門・文太師匠で大満足だった
  

2018年7月16日月曜日

たま 2018 夏



恒例のたま夏の陣 15日に阿倍野区民ホールで開演 ごまめさんのプログを見ると前日に「せんしゅう寄席」が地元の岸和田市で開催されており連日の独演会であった 今日も大ホールはほぼ満席 開演時間を間違ええて滑り込みセーフ
まず「弥っこ」さんが登場 私にとっては初めて 先代の桂春蝶になにか似ている感じ 弥から連想すると桂吉弥師の弟子 きっちり出来ている 桂歌丸師匠の十八番のひとつである「つる」を演じた オスの鶴が「ツー」と来てメスの鶴が「ルー」と来たのお馴染みの噺である 続いて生喬師の弟子である生寿さんが登場 マクラで「たま」さんを理解する為の「検定」を紹介 これが実に面白かった ファンは良く知っている たま師には差し入れは不要とか 我が道を行くたま師のことを面白おかしく話した 演目は「相撲場風景」私としてはタカラヅカの噺が聴きたかった
さて「たま」師が登場 いつも上方落語協会の内幕を話すのだが今日はなし 代わりに文鹿師との話の会を今年から開くということでまつわる話をたっぷり お互いに変わり者で面白くなりそうとのこと 文鹿さん 文鹿の弟子の白鹿さん 最近入門した雪鹿さんの話しで大いに盛り上げた 落語は「ホスピタル」という創作落語と「野崎詣り」
仲入りの後の花丸師の「ナイモンガイ」という古典の「無いもん買い」のアレンジした創作落語 この噺も実に面白かった 天神橋商店街での買い物 外国人との会話でテンポよく話を進める 花丸師の語りはスムース
最後はたま師のショート落語と古典の「松曳き」今日は前日の疲れからか淡白だったような気がした 満足度は90% 喜楽館のことを聴きたかったのだが一言も触れなかったのに 期待外れだった

2018年7月8日日曜日

追悼 歌丸師匠 


享年81歳 7月2日ご逝去 謹んでお悔み申し上げます 私にとって最後の舞台は昨年2月の大阪松竹座 三代目春團治師匠追善興行の舞台だった 演目は十八番のひとつ「紙入れ」だった 幕が上がると酸素吸入器のチュ―ブをつけた師匠が座っていた 大きな耳は人の話を良く聴くためにあったのだろう きっと人格者に違いない
松竹座の感動の舞台 例のお説教口調でハキハキと淡々と喋る 分かりやすい落語だ お客さんの万雷の拍手で舞台の幕が下りた 
歌丸師匠といえば「笑点」最初からのメンバーであった 東京に勤務の時は後楽園ホールでの収録に足を運んだ 整理券が必要だが最後に並ぶとフリーパスだった 中に入るとスタジオがセットされている 2回分の収録 客席の真ん中に長い顔をした圓楽師匠が座っている 何回も観に行った
笑点は1966(昭和41)年からスタート 従って52年経っている 当初からのメンバーは歌丸師匠に圓楽師匠 すでに鬼籍に もうひとりのこん平師匠は病期療養中とのこと この笑点は落語の発展におおいに寄与したことは間違いなし 日本テレビ系列だから全国隈なく行き渡っている 大喜利もこの番組で有名になった 
歌丸師匠の生涯は波乱万丈 著書で拝読したが本当に凄い 古今亭今輔師匠に入門してそれから飛び出してまた戻り 兄弟子の米丸師匠の元に 米丸師匠は御年93歳とか まだまだお元気だ 歌丸師匠への弔辞でどんなことを語るのだろうか 合掌

2018年6月8日金曜日

林家きく麿 独演会

独演会のチラシを見て連絡先の携帯に電話をした 本人が電話に出てきたのにはビックリポン きく麿という名前から林家木久蔵(現・木久扇)門下ということは連想した 早速ネットで調べるとピンポン しかしホームページが開かない 落語協会のページを観ると「真打」になっていた どうやら「新作落語」が得意らしいことだけは分かった
当日は50人くらいは集まっていた 一番前の特等席が空いていたのでそこに座る 今日は3席を演じるという まず自己紹介から 木久扇の弟子 笑点の裏方として「座布団」を用意して山田君に渡しているという あの座布団は結構重たいらしい 5キロとか 軽妙な語りで皆さんを笑わしていた 
マクラの中で今日は3席 初めに2席 仲入りのあと1席 さてどんな新作落語かと楽しみにしていたらなんと「初天神」飴玉とみたらしのところで終わり 途中で子どもに連れのお客さんの声が聞こえてやりにくかったようだ
続いてはお楽しみの「新作落語」だった 「寝かしつけ」子どもを寝かせる噺で唄が次から次へと出てくる 「桃太郎さん桃太郎さん」から始まり次から次と熱唱 小林旭まで飛び出す オチは忘れた あったかな?
3席目は「青菜」 新作ではなかった 古典中の古典である 初めて聴く人にとっては良い噺である お客さんを見て選んだのだろう なかなか笑わせてくれた 最後におまけとしてカラオケを披露 なんと小林旭の「昔の名前で出ています」なかなか上手い 落語より良かったとはいわないが声もよく似ていた 3番まで歌った 私が4番と言ったら聞こえたらしく この歌には4番はありませんと言って笑わした 一番前なので握手までしてもらった なかなか面白い噺家でした
後からこの独演会の主催者を聴いた きく麿さんと懇意の地元の方が企画した落語会 このような会があればまた是非行きたい

2018年5月11日金曜日

385回NHk上方落語の会


久しぶりに抽選が当たった 鶴二さんが出演するので是非当りたかった 先日の独演会でご一緒した鶴二さんの大ファンの落語仲間を誘った 16時30分から並んだのに残念ながら1階の後ろの方の正面の席だった 前でなくて残念 早く並んだから前の席という訳にはいかないらしい 次回から並ぶのは止めよう しかし私より年配の人がゴロゴロ 落語が本当に好きなんだろう 帰りは遅くなるし 眠くなるのに・・・ 
さて鶴二さん 三番目の登場だから持ち時間が18分とか ネタだししていたのを見ると「祝いのし」マクラの夫婦の話もそこそこに本題に入る 鶴二さんは今年銀婚式とか言っていたなあ 誰も拍手せず このあたりが独演会と違う 
噺は小佐田定雄さんの「上方落語のネタ帳」とはサゲが違った いろいろあるらしい 鶴二さんは文枝師匠(五代目)流のサゲだった 今日はお詫び(鮑)の印に生貝をお祝いに持ってきた買(貝)があったという風にまとめた 
今日は林家笑丸さんの余興が秀逸だった 「わろてんか」の「後面」を指導したということから最後に演じた なかなかのものである 皆喜んでいた
露の眞さんは「千早振る」なかなかユニークなアドリブを入れていたように思う オリジナルだろうか 同じく女流噺家の粋な姉さんの桂あやめさんは「恋する更年期」いつものように女性3人が登場 オチが素晴らしかった
仲入り後は桂米左さんの「持参金」よく出来た噺で楽しい 壷算を連想する 今日のトリは雀三郎さんの「舟弁慶」鳴り物入りで上方らしい噺である 
6月も応募したのでどうなるか 次回は6月7日とか 来年には400回を迎える 東京のように有料にして真打クラスに登場して欲しいと思う

2018年5月6日日曜日

鶴二さん50歳記念独演会


鶴二さんの独演会が国立文楽劇場で開かれた 落語仲間の「ごまめ」さんからのご案内で喜んで出掛けた 鶴二さんが出演する落語会にはもう何回も行ったが「独演会」は確か初めて 50歳を記念する独演会である 18歳で入門だから芸歴は32年になる 753席あるホールは満員御礼 三列目の真ん中で目が合う距離だった さすが御贔屓の多い鶴二さんならではのこと 女性は和服の方も多かった 皆さんお洒落をして来ているように思った 地下鉄の出口で女の人が二人 会話を聞いてみると面白かった 鶴二さんの若い頃の話しのようだ 終わって鶴二さんが外に出るとお客さんが「あんた うまいわ プロになり」とか言われたとか 「もうプロやのに」
さて 開口一番は「紫」さん 美貌の噺家である 華やか 今日はマクラが面白かった 関西弁の特徴である「知らんけど」という「尾ひれ」がつくこと これで笑わした 生粋の関西人ではないので多少の「ハンディ」はあるがそれを克服しての話しぶりに拍手 「看板の一」を演じた
続いてマジックの「ビックリツカサ」さん 初めて見る芸人だったが 堂々としたもの 三人目に鶴二さんが登場 「浮かれの屑より」という初めて聴く噺だった 「紙屑屋」とも言うらしい 鶴二さんの芸達者ぶりが伺えた
続いては「鶴瓶」さんが登場 さすが有名人 お客さんも大喜び 私にとっては最近では昨年の七代目松喬さんの襲名披露公演以来である 今回も「青木先生」だった
仲入りがあって幕が開くと お目当ての前田憲司さんと鶴二さんの対談 そこに鶴瓶さんも加わり松鶴師匠の想い出となる 亡くなられて33年になるという 前田さんが松鶴師匠宅で撮影したという貴重な映像が流れた 生きていれば今年100歳 今年繁昌亭で記念の落語会があるとのこと 私も同じ町内に住んでいたことがある その関係でどなたかの紹介で家内とご自宅を訪問したことがあったので懐かしかった 確か昭和47年から60年の間だった もしかして銭湯でも会っていたかもしれない
最後は鶴二さんの「子は鎹」名作だ いい噺である こどもの日だったから子どもの噺を選んだのだろうか 日本人皆に聴かせたい噺である
生まれて初めての「打ち上げ」に参加した 有名な前田先生とも少しだがお話しできて満足 今日は出番のない「森乃石松」さん達も来ていて話をした 彼の応援団も作る約束もしたので今後動かねばならない 今日は満足がいく落語会だぅた 鶴二さんありがとう 「ごまめ」さんもありがとう

2018年5月4日金曜日

落語と歩く 落語九九旅

田中敦さんの本が岩波書店から出ている いずれも落語の舞台となったところを紹介している本だ 本当によく調べているなと感心する 米朝師匠が書いた上方落語にゆかりがあるところを紹介した「米朝ばなし 上方落語地図」という名著に劣らない 田中さんはどういう方だろうか 落語名所探訪家 1961年生まれとある 現在57歳か
2017年出版の「落語と歩く」は自らの足で辿った街の様子が細かく書かれている 一方2016年出版の「落語九九旅」は噺をテーマにゆかりの地を紹介している まさに九九旅となっている 寝床に入って読むには楽しい本だ
結構読みごたえがある 
田中さんは「はなしの名どころ」というサイトも開設している これも凄いサイトだ 落語研究者といって良いだろう 米朝師匠が生きていたらどうコメントするか知りたい たぶん接点はあったと思うがどうだろうか 田中さんの今後の執筆を期待したい

2018年4月28日土曜日

第八回 甘茶寄席


先日 御堂筋を歩いていると三津寺さんのところに「甘茶寄席」のチラシが目に留まった 明日開催とある 前回も楽しかったのでぜひぜひということに決めた 
今回も多彩な顔触れだった 最初は女性の「あん光」さんの「刻うどん」なかなか上手だった うどんやの屋号が「あたりや」ではなく「また来てや」とユニーク しかし皆から集めて十五文用意したというフレーズがどうも変 これでいくと三文損は三文足らないので勘定が出来ないことになるのではないか 余計なフレーズだったのではないか 次は「ぼん彩」さんの「仏師屋盗人」 なかなか上手 滅多に演じない噺なので楽しかった  三番目は「安庵」さんの「池田の牛褒め」上手いなあ 福田次官の「慎重に(新潮に)」「あっそう(麻生)」の時事ネタもマクラに入れていた どうせなら安倍首相が謝らないので「アイ アム ソーリー」も付け加えて欲しかったのだが
仲入り前は「水車」さんの「舟弁慶」だった 水車さんは前も聴いたことがある テーマ曲である「コトコト コットン」の水車の歌が耳に残っていた 印象的で効果あり これは落語家でも使える 分かりやすくて親しみが持てる 今日の「舟弁慶」も難しいのにものすごく面白かった
仲入り後は「ぽんぽこ」さんの「転失気」 女性らしく優しく話す 沖縄のマクラも面白く「転失気」にうまくつなげていた オチの「何時の時代からそう呼んでいたのですか?」 ハイ「平安の昔」からも転失気の屁と平安のへを引っ掛けた素晴らしいオチだった 
続いては「晴太郎」さんの「宗論」この方も前に聴いたことがある 確か三枝作の「おじんタクシー」だった 宗論ははどっちが負けても釈迦の恥の「宗論」オチは岸和田出身の「泉州」 途中アドリブで天国の噺「あのよー」も挟んだ トリは「祭蝶」さんの「替り目」だった 時間の関係で「祭蝶」さんの噺が聴けなかったのは残念だった 爆笑が外まで聞こえてきた なかなか値打ちのある落語会である