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2012年5月22日火曜日

談志と一之輔

「一之輔の凄いところは登場人物にクスグリ(ギャグ)をしゃべらすのが上手い」というのは落語協会会長の小三治師匠の評である。的を得ている。一方、談志師匠は、考える噺家である。噺の意味をよく考えている。ただ単に語っているわけではない。それに世間のことをよく勉強している。ところどころにクスグリを入れる。これが実に巧みである。

新釈落語噺(中公文庫)を久しぶりにめくってみた。おしげもなく洒落を披露している。「真田小僧」の続きを語っている。こういうことを思いつくのは談志師匠くらいだろう。これを語らないと落語は面白くないと言っている。確かにそうだ。一之輔さんも凄いけれど談志さんはもっと凄い。嫌味や破天荒な人だっただけに世間を騒がしたが、本を読んでみて改めて凄いと感じる。

2012年5月19日土曜日

国立演芸場にて

真打昇進襲名公演3日目のプログラム シルバー料金1,300円とは有り難い。

前座:春風亭一力(延陽伯)
二つ目:三遊亭金兵衛(孝行糖)・・・身内かどうか知らないけど熱烈ファンが1名いて拍手が強烈
真打:五明楼玉の輔(マキシムド呑兵衛)・・・末広で白鳥さんから聴いたことあり。初めて見た。
奇術:マギー隆司(顔は談志師匠似)
真打:橘家圓太郎(骨釣り)・・・品があります。初めて見た。好印象の噺家。
真打:柳亭市馬(親子酒)・・・得意の歌を唄う、ええ声でした。やはり実力者である。
真打:林家木久扇(松竹梅)・・・まじめにやれば落語もできるね。面白かった。
仲入り
口上:玉の輔・圓太郎・一之輔・一朝・市馬・木久扇
    玉の輔の司会が滅茶苦茶
師匠:春風亭一朝(喧嘩芝居)・・・初めて見ました。地味だが・・。芝居ものが上手いようだ。
漫才:ゆめじ・うたじ(箸の話)・・・一度聞いたことがある。長すぎた。
真打:春風亭一之輔(青菜)・・・通常の青菜とは違うように演じた。一之輔流?これが人気の秘密

真打昇進襲名披露

春風亭一之輔さんの真打昇進襲名披露公演に行ってきた。こういう公演は生まれて初めてのような気がする。さすが落語界のヒーロー。21人抜きとのこと。年功序列の世界での快挙。国立演芸場は満員御礼の札。実際は少しだけ空席があったが、チケットは売れていると一之輔さんが言っていた。

さて、お目当ての口上である。進行は五明楼玉の輔さん、真ん中に一之輔.右には師匠の一朝。隣に落語協会副会長の市馬師匠、隣に相談役の木久扇師匠、左には圓太郎師匠が並ぶ、圓太郎、市馬、木久扇がお祝いの口上を述べる。そのあと玉の輔さんが、一朝師匠の口上を紹介するのを忘れてしまうハプニングが起こる。一朝師匠も苦笑い。一之輔は、落語が好きで好きで、稽古、稽古の毎日で上手くなったということを語る。最後に一之輔さんが、口上を述べる。お客さんは大満足。終始なごやかなムードで口上は終わった。一之輔さんは、トリとして「青菜」を語る。これが最高に面白い青菜であった。