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2015年11月29日日曜日

今日の演目(文我・宗助)


毎年11月に開催する「桂文我」独演会 今日は宗助さんが一緒 実は開演前に文我さんとすれ違った こんにちは 今日は楽しみにしていますよ ありがとうございます と文我さんは答えた その数分後宗助さんと会場の1階にある図書館ですれ違った 今日は何席やりますか 楽しみにしていますと 言えば宗助さんから2席やりますと応じてくれた
18時30分開演 まず宗助さん「替わ目」おなじみの酒飲みの噺 サゲは今行ったらお銚子の変わり目 ちょっと分かりにいくが・・・続いて文我さん「持参金」これは金は天下の回りものがサゲ いったん終わって続いて文我さんが「菜刀息子(ながたんむすこ」を一席 この噺は米朝師匠の4代目桂米團治さんが作った噺とか 滅多に演じることがないらしい 別名「弱法師(よろほし」というらしい 実は桂吉朝師匠が亡くなる前に演じた一席 笑うところはないので覚悟して聞いて欲しいと演じた 素晴らしかった 今日はこれだけで値打ちがある サゲもまあまあ
仲入り 宗助さんの稲荷俥(産湯稲荷までのこわーい噺) この噺は聞いたことがある 米朝さんの本を片手に高津神社さんに行った帰りに寄ったことがある 確かに怖い雰囲気のお稲荷さん そして最後は文我さんの「紀州」これは最後に演じる噺ではないが マクラが実に面白かった 笑わせてくれた 家康(家が安い)とか 綱吉を網吉(あみきち)と読んだ司会者 露の團六さんの但馬牛(ただし馬と牛の肉) キシューのサゲに入るまで引っ張って引っ張って笑わしてくれた 今夜はたっぷり2時間40分の最高の独演会でした 

2015年11月10日火曜日

同志社寄席イン誓願寺


新京極のほぼ真ん中 三条に近い所にある誓願寺での落語会 10月はこの寺になんと2回も「参上」した ここは落語の祖である安楽庵策伝師が何代かの住職をされていた浄土宗のお寺 毎年岐阜で「全日本大学選手権・策伝大賞」というのが行われている だから策伝師は京都ではなく岐阜(美濃)の出身らしい 策伝師が書いた「醒酔笑」という本には古典落語のネタが書かれていると言われているからまさに策伝師は落語界の祖である 「そう」
今日は4席 最初は阿久太さんの「犬の目」これが傑作だった いつものオチで太鼓が鳴った しかし終わるのかと思ったらまだ続いていた 阿久太さんがそこから独自の話を展開したのだった これはお客も! 喬楽さんが間違って太鼓を叩いたらしい
さて2番目は雀喜さん どんな噺をするのかと思いきや なんと「天狗裁き」 古典だ これは驚いた 実はこのネタを全然思いだせなくて雀喜さんにメールで教えて頂いた この日も噺が終わってからメモをしておいた それで安心してしまって頭の記憶装置から離れた メモをなくしたものだから全然思い出せなかった 「天狗裁き」と聞いてやっとマクラを思い出した 夢の話 マクラで冷で飲んどったら良かったとか 小判が夢で しょんべんがホンマやったとか言うてはった 夢の噺はいくつかあるがこの「天狗裁き」も面白い 雀喜さんは歯切れよく徳さんから家主さん奉行と進んでいよいよクライマックスシリーズの天狗さんを登場させて最後はお咲さんが「ちょっとちょっと、あんた えらい うなされて 一体どんな夢見たん」とサゲる ここは京都 天狗と言えば鞍馬山 そんなことを意識していたのだろうか それなら偉い 今夜はどんな夢を観るのだろうか 天狗が出ないことを祈る

2015年11月1日日曜日

鶴二さんの段(じっくりたっぷり2席)


この日は三河 鶴二 そして小二三と二と三の名前が出演 これは珍しい これに一蝶さんが出ていれば一二三となる 露の団四郎が出ていればなお面白い そんなことを考えながら聞いていたのである 五は故人の露の五郎師匠 六は蝶六 七は七福 八は染八 九は五九楽 までいるいる 東西約八百名の噺家の名もなかなか味があるではないか
さて この日のお目当ての鶴二さん最初は「平の陰」江戸では手紙無筆とか 字を読めないおっさんのところに熊さんが手紙を持って行ったのだが おっさんは出鱈目ばかり読む 熊さんがこれ書いていないかと言うと 書いたあるとか言ってはぐらかすのだが 遂に手紙は御猪口を借りに来た手紙だったということが分かり 熊さんが御猪口が書いてあることが何で分からんかったんや と言うと おっさんは「平の陰になって見えなんだんや」 平の陰というのは大平椀のことなのだが現代では分かりにくいサゲである
もう一席は「算段の平兵衛」これも有名な噺ではあるがそんなに面白い話ではない 悪巧みが上手い平兵衛が活躍する噺でありあまり好きな噺ではないが鶴二さんは面白く演じている これは下げがなしで延々と続くサスペンスである