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2019年7月27日土曜日

宗助さん 繁昌亭に初登場




13年前に繁昌亭がオープン その際寄付した 提灯に名前を書いて飾ってもらっていたのだがこのたびのリニューアルで提灯が外された 少々がっかりしていた 外した理由が良く分からない もう繁昌亭には行くこともないだろうと思っていた
その矢先 招待券が届いた プログラムを見て25日に決めた 宗助さんが出るので是非繁昌亭での舞台が観たかった
25日は天神祭りの日であることを忘れていた 天満宮と商店街は大勢の人で溢れていたが今回から指定席なので助かった お目当ての宗助さんは仲入り後の「口上」で登場 まだ上方落語協会に入りたてということで春若師が気を遣っていた
トリの前に宗助さんが登場 ネタは「釜猫」という初めて聞く噺だった 家に閉じ込められている商家の倅の作次郎が釜の中に入って街中に脱出する噺 「干物箱」によく似ている そのたくらみを親爺が漏れ聞いた 作次郎が入った大きな釜を空焚きする 熱くて我慢できない作次郎が飛び出し脱出計画はおじゃん 作次郎の代わりに行儀の悪い猫を入れてしまう お茶屋に釜を持って行って蓋を開けると猫が飛び出す あちこちに汚物(ババ)を散らす 挙句の果て芸子の財布まで取ってしまう これがほんまの「猫ババ」やがなというのがオチ 
宗助さんは大きな良く通る声で演じた ネタも尊敬する米朝師匠の「珍品」から選んだ 本当に師匠に似ている 物まねも上手だ
トリの春若師(ネタは三十石)によれば今日が宗助さんの繁昌亭での初舞台とか 記念日である こんな日に偶然噺が聴けて幸せである
今日は初めての三実さん(寿限無) 文福師匠のお弟子さんのまめださん(ちりとてちん) 鳥取大落研出身の呂竹さん(相撲場風景) バルーンショーの元銀行員の三金さん それにタカラヅカファンの林家花丸師(厩火事)が登場 なかなか皆さん張り切って演じていた
提灯の代わりに寄付した人の名前を記載した「銘板」があった 立派なものである 直ぐに自分の名前を見つけた またロビーでは笑福亭風喬さんが描いた噺家の「似顔絵」が飾ってあった 特徴を良く掴んだ力作である 噺家の皆さんの前向きの姿勢が伺えて繁昌亭を盛り上げようという気持ちが分かった これからも応援したいと思う一日であった

2019年7月19日金曜日

7月の田辺寄席


毎月 田辺寄席の案内を頂く プログラムをチエックするのだが是非行きたいということが少なくなった どうしてだろう 何か寂しい
7月は大好きな生喬さんが登場 弟子の生寿さんも一緒だった 第850回の昼席はほぼ8割方の入り 900回まであと50回 多分来年末には900回になるだろう 1000回はだいぶ先になる
さて生寿さんは「米揚げ笊(いかき)」米相場で有名だった堂島の商家が出てくる噺である 商家は縁起を担ぐ 下がるというのは禁句だが 最後の最後に口を滑らす 生寿さんの噺は明るく楽しい
生喬師は「遊山船(ゆさんぶね」と「お目見得(おめみえ)花登筐作」の2作 いずれも生喬師らしい噺であった 「遊山船」は「舟弁慶」と同じように夕涼みに出掛けて川を眺める風景が出てくる 舞妓さんのことを「まあ衆」とか芸子さんのことを「げい衆」とかいうのが面白い 鰻の半助も出てくる 最後は同じように雀のお松さんが出て来て「質に置いても流れんように」というのがサゲである なんという種類の「オチ」だろうか?
「お目見得」は昨年末に堀江で聴いたので2回目となる 花登先生は松鶴師匠のために書いたらしい それを先代の松喬師匠が引き継いで演じていたものだが松喬さんはあまり演じなかったらしい 理由を聴いたら「あれはなあ・・・」で終わったらしい 愛すべき丁稚の留吉 生喬師ならではの話芸で演じた
生喬師と生寿はこの高座が終われば神戸の喜楽館に行くとか 「噺家タカラヅカ」に出演するとか チケットは完売のようだ どんなタカラヅカか一度観てみたい
そしてお馴染みの文太師匠は「八五郎出世」江戸では「妾馬」八五郎の妹が大奥で世継ぎを生んだという目出度いお噺であった
田辺寄席は歩いても近いので助かる 一時のような抽選会はないが安価で楽しめるのがとても嬉しい会である