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2012年12月23日日曜日

大山詣り


11月4日の大山.。信仰の山である。伯耆富士とも呼ばれる。東側からは富士山に見える。鍵掛峠の駐車場から大山を眺めた。この日は初冠雪後のため雪が積り白く、麓はブナ林は黄色に染まり、空は晴天で青く、素晴らしいコントラストであった。少ないモミジも赤くなっていた。大勢の観光客で大渋滞。中国地方で最も高い山である。どういうわけか、大山は「だいせん」と「やま」ではなく「せん」という。隣の蒜山も「ひるぜん」、氷ノ山も「ひょうのせん」。考えてみると、富士山は「さん」。高野山も「さん」山には「やま」と「さん」と「せん」という呼び名があるみたいだ。

さて、落語に出てくるこの山は「やま」。大山詣りという話がある。江戸の噺である。江戸から大山までの小旅行に町内の者が出かける。博打と商売にご利益があるという。この中に熊五郎という人物がいて暴れて当初の約束通りの坊主にされてしまう。怒った熊は仕返しに出る。先に町内に帰って、一行の全員が死んだといいうデマを流す。かみさんは全員頭を剃り、尼さんになってしまう。そこに帰った一行。ビックリ。腹を立てたが、先達さんが「無事に帰れてめでたい」と言う。一行が「何がめでたい」先達さん「みんな坊主になりお怪我(お毛)がなくてめでたい」。上方では「百人坊主」。文太さんの噺で以前投稿している。一度、相模の国の大山(約1200m)にも行ってみたいものだ。
志ん朝さんのマクラ、女の人が山に登るのがブームになっている。女の人に聴いてみた。「山に登ってどうするんですか」と聴いたら「降りてくる」と言われた。

2012年12月18日火曜日

松葉の落語会


笑福亭鶴二さんの落語会に初めて行ってきました。舞台はイマイチかな。確かに大売出しの幕である。この奥に4人が待機していた。今回は11月の「いかいの寄席」で鶴二さんからお誘いを受けたことでもあるし、京都の有名なお店でやる落語会でもあるし、落語仲間の杏太郎さんが常連でもあるし、・・・と思ってはるばる大阪からやって来たのである。松葉は「にしん蕎麦」で有名。京都南座の西隣にある。あまり近いので南座のテナントかなあと一瞬思ったくらいである。落語の後の「お蕎麦」も3種類から選択。本来ならにしん蕎麦だが、鴨なんを注文、さすがに名店だけあって蕎麦は最高、落語に蕎麦がついて3500円は安いと思う。

さて、この落語会は今回で10回目とか。年に3回開催だから3年以上続いていることになる。次回は4月だそうである。今日の出番は呂好、女風呂の呂に女好きの好と言っていた。ネタは「寄合酒」鰹節を2本頭に乗せて「おっちゃん、かもか」という下りが好きである。次は福矢、マクラでマーフィー岡田の紹介が新鮮で面白い。ネタは「天災」、心学の紅羅坊名丸先生のしゃべりが面白い。続いては壱之輔、この人は見るのも初めて。尖閣諸島とかけての謎かけは・・・。やはり日中(昼日中の日中と日本と中国の日中がその心)、ネタは「ぜんざい公社」、オチは汁がなかったにしていたがが、汁はあって、甘もないなあ・・・の方が好きだ。
トリは鶴二さん、「尻餅」、前も「尻餅」だった。最近多くやっている。オチも前と違ったが、相変わらず、ペッタンペッタンの音は素晴らしい。将来が楽しみな噺家になっている。最後に記念撮影までしていただいて嬉しかった。

2012年12月2日日曜日

桂三幸は三枝さんの12番目の弟子

難波のワッハの上方亭で土曜日にミニライブをやっている。落語あり、漫才あり、若手が一生懸命頑張る会である。久しぶりに覗いてみると、三幸さんが出ていたので、今日は落語家が大勢かなと思って入ると三幸さんだけでガッカリ。あとは、漫談のようなわけのわからない吉本の若手芸人の5分間の芸だった。

三幸さんがこの日のリーダーのようで、仕切っていた。やはり彼の話はさすがだ。若手の賞にもエントリーされているようだ。三四・12で12番目の弟子・三幸です。が彼の自己紹介。初めはお客さんをいじっていた。落語をやるのかと思ったら、初天神をやり始めて、途中で半ばでございますと言って切った。またトリで出てきて今度は三枝作の選挙の噺。これが面白かった。野田君の横に座っているフランケンシュタインのような人とか、ミイラのような人とか、政治家を風刺して笑わしてくれた。彼のオリジナルであると思うが、軽快な話しぶりは今後期待ができる。

露の團四郎さんの「二番煎じ」は面白かった

團四郎さんは、露の五郎兵衛門一門の大ベテランである。上方で百面相を演じる第一人者でもある。繁昌亭では小道具を使った百面相を観たことがある。えべっさんが良かった。とにかく陽気な噺家である。表情がオーバーで分かりやすい。この前もマクラでギリシヤ危機の話をしていたが、それはそれは身振り手振り顔を動かして小噺を演じていた。危機を救うのはドイツやとか、大笑いさせていた。そうそう私の好きな団姫(まるこ)さんは、團四郎さんの弟子である。

この日に演じたのは「二番煎じ」。火の用心が舞台だから冬の季節の噺。当地ではあまり聞こえないが大阪では年末に町内で聞こえる。あまり寒いので番所に火が置いてある。その火にあたりながら世間話をしている。知恵者が必ずいるもので、風邪薬といって煎じるのがお酒。そのうちに猪肉が出てくる、ネギが出てくるわで大宴会、大きな声を出すものが居て、見回りの役人が入ってくる。役人も風邪気味だと言い出してお酒を飲んでしまう。お酒が空っぽに。煎じ薬がないと答えると「そうか、それなら拙者は一回りしてくるから、二番を煎じておくように」というのがサゲ。禁酒番屋も同じようなストーリーだがこちらも面白い。二番煎じとは、誰かが既にやった行動を真似して行うことも呼ばれるが、これはこの落語から来たものだろうか?語源の由来が知りたい。

2012年11月26日月曜日

露のききょうさんの「つる」

露のききょうさんは、ご存じ「露の五郎兵衛」師匠の長女さんである。五郎兵衛さんは、上方落語界の重鎮であった。面白さでは一番であったと思う。怪談噺も一流。皿屋敷が面白いとお勧めなのでぜひ再度聴いてみたい。ききょうさんはお名前は聞いていたが、落語を聴くのは初めてだった。なかなかぽっちゃりして藤山直美似の可愛い人である。この日は、百面相で有名な「露の團四郎」さんも一緒だった。ききょうさんは、女優と噺家の二足のわらじを履いている。テレビにも出ているそうだが、気づかなかった。これからは、注目して観てみたい。

「つる」は、よく聞く噺である。なぜ首長鳥が鶴と呼ばれるようになったのか。単純な噺だが、これを面白おかしくしている。甚兵衛さんによると唐土の方からオンがツーっと飛んできて、メンがルーと飛んできて「つる」になるのだが、喜やんに教えれると、オンがツーと飛んできて松にルーととまる。メンは・・・メンは・・・どうしたんやと竹に言われると・・・メンは黙って飛んできたというのがサゲである。初めに甚兵衛さんとの会話で膨らませて、鶴まで持ってくるのに面白おかしい会話があった。これはさすがである。父譲りのこってりした噺を思い出させる。またどこかで聴きたいききょうさんであった。
 

2012年11月18日日曜日

桂文我 古事記を語る

桂文我さんの独演会に行ってきました。毎年当地での興行で確か8回目とか。固定客がほとんどで、師匠もやりやすそうでした。宗助さんか三象さんを連れてくるのが多いのですが、今回は呂竹さん。前座で「池田の牛ほめ」を一席。上手だったけれど、少し早口であせっていたような感じでした。文我さんは、ニコニコしながらマクラで美味しいものの披露をして、一席目は「フグ鍋」。この季節ならではの名演。続いて、二席目はなんと「古事記」を語ったのでありました。これにはビックリ。三席目は「子は鎹」。お崎さんと息子の亀と熊さんの人情話。涙を抑える人も居るくらい感動的な噺でした。

何故、古事記か、前日、テレビで出雲のことを観て思いつたとか。文我さんの出身地である三重県松阪の偉大な人物である本居宣長が古事記を世に出した人でもあるので、それが言いたかったのか不明だが、田端義夫、三越の創設者、あべ静江、西野カナ、三重ノ海など偉大な人の名前が出てきた。それに桂文我・・・。
古事記の話は、天武天皇、イザナギ・イザナミから天照大神・すさのうのみこと・くしなだ姫までのストーリーを面白おかしく語り、大国主命の手前で終わった。途中、たっぷり文我師匠の博識を入れて、大いに笑わしたのはさすがである。

2012年11月12日月曜日

鶴二さんの「尻餅」

露の新治さん、笑福亭鶴二さん、笑福亭喬楽さんの共通の出身地である大阪桃谷での落語会に行きました。特に喬楽さんは、生で聴くのは初めて。鶴二さんの話によると、なかなか聞けない「天然記念物」の噺家だそうです。本人は「世界遺産」と言っておりましたが・・・・。新治さんは「猿後家」これが実に新治さんにあった噺、トリの喬楽さんは「壺算」これも汗をかきながら大熱演、そして鶴二さんは「尻餅」。最近覚えた噺と言っていましたが、なかなか大したもので、笑わしてくれました。

「尻餅」は、年末の噺だが、時代を先取りすることから言えば、ちょうど良い時期かもしれない。私の小さいときは、お正月のお餅をついてまわる「賃つき屋」があったことを思い出す。この賃つき屋の真似事を家の中でやろうとするのがこの「尻餅」。
 嬶に尻を出させて、親爺が尻を叩くのだが、この音がペッタン、ペッタンと良い音が出る。鶴二さんは右手の握りこぶしで左手の手のひらを、気持ちよさそうに叩く。実に良い音である。だんだんと嬶のほうが痛くなって、音を上げる。オチは、「あとの2臼は、白蒸で食べとくれ」。6代目松鶴師匠の得意ネタだけに鶴二さんは師匠譲りの味を出していたと思う。この日は落語の前と終わってから鶴二さんと話をする機会があった。12月15日(土)の京都の松葉での落語会の誘いを受けた。是非行きたいと思っています。

2012年9月27日木曜日

松喬師匠の「あみ船」 は最高

松喬師匠が、繁昌亭に1年ぶりに出演したということで、4日間の高座を聴いた。花筏、禁酒関所、へっつい幽霊、最終日の23日は「あみ船」だった。「あみ船」は、ネタおろしとか。三木助さんが演じていたそうだ。今はやる人がいない。そこで落語作家の小佐田定雄さんが松喬師匠のために手直しして噺を作った。言うときますけど、この噺は「面白うないですよ」と初めに断っていたが、それはご愛嬌。確かにアドリブは少なかったが、結構楽しめた。ご贔屓の江戸堀「やまぐち」さんが出てきたりして、野だいこと若旦那、大旦那さんの舟遊びは実に楽しいものだった。やはり大阪の金儲け上手のガメツイ大旦那さんには誰もかなわない。

松喬さんの「ひとり舞台」のDVDを購入した。昨年の12月の還暦公演。この後に「肝臓がん」が見つかった。それからもうすぐ1年。病院に入院しながらの舞台は感動的です。この前、フェスブックに書き込んだら、師匠からお返事が来た。嬉しかった。まさかのメール。毎日、師匠のブログをチェック。熱が下がって良かった。後援会にも入会を申し込みした。10月からは、大きな舞台にチャレンジしているのを見て、これはガンも逃げるワイと思うのである。

2012年9月6日木曜日

平成紅梅亭は豪華版 小朝師匠が登場


8月30日に収録された平成紅梅亭は、6代目桂文枝の襲名披露公演だった。春風亭小朝が出るのも楽しみだった。他に桂三金、桂あやめと丁度良いラインナップだった。特に文枝さんと小朝さんの対談は、40分くらいだっただろうか。おそらくだいぶカットされるのではないか。危ないトークショーだった。文枝師匠は新作の「芸者ちどり24歳」を演じた。お婆さん芸者トキ、母親の芸者はカモメ、オチは「トキは金なり」実によくできた噺だった。なかでも文枝さんの唄は本当に上手だった。小朝さんは「ぼやき酒屋」(三枝作)。これも現代のジョークをふんだんに入れての面白い噺だった。

小朝さんも言っていたように文枝師匠は、相当疲れているようだった。楽屋ではグッタリだったらしい。しんどそうだったが、やはりお客さん相手ではしっかり、たっぷり、演じていた。さすがである。この日は、息子を誘った。息子も小朝さんなら行くと言っていた。一度聴きたかったらしい。この前は小枝の独演会に行ってきたらしい。一緒は2回目。息子も落語好きである。

2012年8月19日日曜日

露の新治さんの中村仲蔵

島之内寄席に行く。三河(HOW・TO・プレイボーイ)、三幸(にぎやか寿司)、米平(稲荷俥)、新治(中村仲蔵)、遊方(うなぎ)、染丸(腕喰い)の6席。入り口でどこか見たことがあるような人を発見、向こうもじっと見ている。何故こんなところで・・・に「トリイホール」に居るのか?やはり知り合いだった。話を聞くと露の新治さんと学生時代からの知り合い。同じ下宿だったそうである。新治さんからのお誘いで島之内に来たと言う。奇遇である。実は新治さんと高松で同じ座敷で飲んだことがあり、こちらもファンであることを言うと驚いていた。新治さんは高松で西日本放送の番組を持っていたので、香川県にはファンクラブがあるのだ。

この日は、中村仲蔵を熱演。この前、志の輔さんの中村仲蔵を聴いたのだが、その時は1時間以上の噺だった。新治さんも下宿の友人に終わった後に言っていたらしい。「この噺は30分弱で話すものではない」と。その通りエキスだけを語っていた。本によると得意な噺は、「狼講釈」、「紙入れ」「鹿政談」だそうだ。古典の名作を演じている。新治さんは、限られた時間を有効に使って大いに笑わしていた。やわらかな人柄の良い噺家であり、今後も応援していきたい。この日の染丸さんの「腕喰い」(かいなくい)は、初めて聴く噺だった。

2012年8月9日木曜日

小三治師匠の落語

落語協会会長の小三治師匠の落語を池袋演芸場で聞いた。超満員で立ち見だった。何度か聞いたことがあるが、いつだったのか忘れるくらい前である。東京に勤務していたとき、末広・鈴本によく通った。早朝寄席、深夜寄席というのもあって入場料は500円。二つ目の勉強会である。もちろん、小三治師匠はそんなところには出ない。小三治といえば「まくら」が有名。長い長いマクラ。博識のあるマクラで笑わす。これが楽しみでお客は集まる。

この日は、オリンピックの噺から始まった。世界でも日本だけだろう。ホケツがオリンピックに出るのは・・・・・。法華津さんの噺から馬の噺になる。馬は賢い。人を見る。自分は馬と気が合わなかったと日高の牧場が出てきて、北海道といえばバイク。バイクの噺もして、再び馬の噺。味噌蔵を背負った馬の噺が始まる。しっこく、しっこい会話が繰り返される。その間の素晴らしさ。味噌蔵を背負った馬が子どもに悪さされ、何処かに逃げてしまう。茶店で売っているおでん、つまり味噌田楽が登場。おらあ「馬の田楽」は食ったことがねえあ、というのがオチ。オチを解説するなんて実に無粋なことである。

2012年8月1日水曜日

さん喬・松喬二人会

楽しみにしていた二人会。たっぷりの3時間。松喬さんの弟子の生喬さんの「時うどん」を含めて5席は贅沢である。杏太郎さんのお蔭でチケットが手に入った。それも前から2列目のほぼ正面。良い席だった。さすが、東西の一流の芸人。会場は満員。満足した落語会でした。

松喬さんは前座噺の「大安売り」と「へっつい幽霊」の二席。マクラは、闘病記。みんなが心配していたことである。それにしても落語の予定を次々と入れて、それに向かって治療する姿は痛々しいが、凄い精神力を感じた。どうしてもガンを克服して欲しい。

一方、さん喬さんは、「船徳」と「たがや」の二席。実物を拝見したのは初めて。品の良い噺家である。人気者だけある。二つの噺は、浅草近辺の噺で古典中の古典である。「船徳」は、実家を勘当になった若旦那の噺。船頭にあこがれ、船頭の徳さんになったは良かったが、そう簡単には、船は漕げない。お客さんを乗せて船は出したが、ドジばかり。やっとのことで大桟橋には着いた。お客から「おい船頭大丈夫か」と声を掛けられ、「ヘイ、船頭一人雇っておくんなせい」がオチ。船で揺られての会話が最高。本題に入る前の噺が少し長かったので、欠伸が少し出ました。次回もぜひ聴きに行きたい。

2012年7月22日日曜日

ハワイの海


喬太郎さんの「ハワイの雪」ではなく、こちらは、ハワイの海。もちろん鳥取県の羽合。ここの石脇海水浴場は日本の海水浴場(快水浴場)100選に選ばれている。水質がきれいなようである。今日は波があった。サファーには絶好の波。ハワイは今年売り出し中。ソフトバンクのCMでトリンドル玲奈さんがハワイからの留学生タダで登場。「ハワイのどの辺?」と聞かれて「鳥取。鳥取のはわいだでぇ」と方言で回答。これが当たった。同じCMで砂丘の「糸電話」といい、鳥取ネタが思わぬ波及効果をもたらしている。

菊志んの祇園祭

落語協会のインターネット落語会が配信されてきた。今週は「菊志ん」さん。古今亭圓菊師匠のお弟子さんである。もちろん真打ち。江戸では人気者である。本物は見たことがないが画像でみると前より少し太ったような気がした。圓菊師匠のところには、もうひとり「菊の丞」さんという人気者がいる。菊志んさんの兄弟子にあたる。

さて、「祇園祭」。この時期7月の噺である。上方ではあまり聞かない。江戸から伊勢へ、そして京へ。京の人が京の自慢話をさんざんするのは良いとして、最後は江戸の悪口を言ってしまう。遂に江戸の旅人が激怒して爆発。サゲは難しい。御所の紫宸殿の砂をつかむと「おこりがおちる」。江戸城の砂利をつかむと「首がおちる」。おこりがおちるという意味が分からない。現代では使わない言葉だからである。おこりとは、発熱などの一種の病気のこと。おこちがおちるとは、ある物事に夢中になっていた状態から醒める。それに比べて江戸は首が落ちる。江戸のほうが凄いのだというのだろうか?この噺はサゲではなく、途中のお国自慢が面白い。王城の地とか、コンチキチンとか神田祭りとか、巧みな話芸がある。本当は30分以上の噺だが、寄席の持ち時間の関係で途中の面白いところをだいぶカットしていた。

2012年7月20日金曜日

6代目文枝 なう

7月16日に桂三枝さんが6代目桂文枝を襲名。三枝さんが自分の誕生日に襲名したのは特に思いがあるのだろう。三枝さんは吉本興業のタレントだから、吉本興業からの強い要請もあったのではないかと推測している。これから1年間、各地で襲名興業がある。ぜひ行きたいということはないが、何か機会があれば文枝さんを観てみたい。

三枝さんを初めてみたのは、昭和44年だから43年前になる。会社の運動会にタレントとして来てくれた。一緒の写真も残っている。そのときはまだ売り出し中。知っている人は少なかった。いやいなかったのでは。あとで、人気者になったから三枝さんと分かった。この後、毎日放送の「ヤング、オーオー」で爆発した。テレビ・ラジオで大活躍した。4人組のパンダを結成、林家小染、きん枝、八方のリーダーとしてまとめていた。やはりテレビに強い吉本興業ならではのことである。
ずば抜けていあたのが桂三枝、オヨヨ、いらっしゃーい、芸というより、会話が上手な噺家である。特に創作落語はこの人の右に出る人はいない。先日、やまだりょこさんが桂三枝の自叙伝らしきものを発刊した。立ち読みだったが、その中に特撰の創作落語のあらすじが掲載してあった。私の好きなのは、「読書の時間」これは分かりやすい噺で、江戸でも林家正蔵さんが演じて大受けしていた。なにはともあれ落語界のトップランナーであり、今後の活躍を祈念したい。

2012年6月28日木曜日

亀佐 笑福亭円笑

繁盛亭ライブで円笑師匠の「亀佐」を聞いた。円笑師匠は上方で唯一江戸落語を演じる方である。逆に桂小南師匠は江戸で数少ない上方落語を演じた(1996年没)。円笑師匠はこの噺は珍しい噺だと言っていた。確かに初めて聞く噺だ。米朝作らしい。なぜ演じないかと聞けば、米朝師匠曰く「おもろない」からと答えたようだ。亀佐は、亀屋佐兵衛のこと。今でも伊吹山の近くに店を構える「亀屋佐京」というもぐさの老舗の主人のこと。坊さんの説教の途中で大いびきをかいて寝てる御仁がいる。誰かと思えば、亀佐。もぐさを売り歩いて疲れたのか。こらこら寝ている奴があるか。体をゆすぶっても全然起きない。そこで、「(お灸を)すえたなはれ」と坊さんが言う。これがオチ。亀佐は、お灸をすえるという掛け声でもぐさを売っていたので、そのあてつけに言ったのがオチ。

もぐさは、漢字では百草。百草園というのが東京にある。江州の伊吹山は、薬草の宝庫らしい。信長が西洋の薬草をたくさん植えた。子どもの頃、よく言われたものである。悪さをすると「やいとをすえるぞ。」お灸をすえるとも言われた。今でもビジネスで「お灸をすえる」ということは使うことがある。あのもぐさを盛ってじわーと攻めてくるやいと。熱いのなんの、手がちぎれるのではないかと思う。落語には若旦那が幇間の一八相手に鍼をする「たいこ腹」というのがある。鍼はピクピクと心地良いが、やいとは嫌だ。だから、ストレスのないように暮らしたい。

2012年6月23日土曜日

志らく 雨ン中のらくだ

新潮文庫の志らくさんが書いた本「雨ン中のらくだ」を読ませてもらった。談志師匠との想い出が綴ってある。志らくさんは、まだお目にかかったことはない。どんな声でどんな容姿か知らない。が、相当な人物であることが分かった。志らくというのは、フランスの大統領の「シラク」から取ったとのこと。かなりの大物であることが分る。

談春さんとのことも書いてある。入門は談春さんの後だ。築地で修行するのが習わしであったので談春は築地で奉公した。しかし、志らくは行かなかった。そのあたりのいきさつを事細かに書いてある。やはり二人は意識している。それにしても談志師匠は凄い。あまり感じていなかったが、談志師匠は、桁外れの落語家のように思う。単なる毒舌家ではない。落語のことをよく考えている。現代で言えば、誰にあたるだろうか?上方でいえば桂米朝さんか、桂三枝さんか、改めて偉大さが分かった。

2012年6月3日日曜日

志の輔独演会に満足

5月26日(土)森ノ宮ピロティホールにて志の輔落語を鑑賞した。会場は1000人収容だが、ほぼ満員。年輩の方が多い。初めての志の輔さん。日本で一番チケットの取りにくい噺家とのこと。大阪での公演は4日連続。26日は3日目だった。2時半開演で、終わったのは5時前だった。

いきなり志の輔さんが出てくる。演目は中村仲蔵。落語の場合は、何を演じるのか分からないことが多いのだが、立川流は予め決まっていることが多い。それだけでは、4500円は高いので、他に何かをやらないといけないということで、創作落語を一席。「ハナコ」という黒毛和牛の噺を演じた。これは先日東京に出張したときに、飛行機の中で聞いたものだった。筋は分かっていたのだが、やはり面白かった。さて中村仲蔵は、歌舞伎の噺。一度聴いたことはあるが、志の輔さんは解説付きで丁寧に丁寧に語る。実に巧みだ。笑いのツボをよく知っている。間も最高。さすが第一人者である。ファンも多い理由が分る。満足した高座であった。

2012年5月22日火曜日

談志と一之輔

「一之輔の凄いところは登場人物にクスグリ(ギャグ)をしゃべらすのが上手い」というのは落語協会会長の小三治師匠の評である。的を得ている。一方、談志師匠は、考える噺家である。噺の意味をよく考えている。ただ単に語っているわけではない。それに世間のことをよく勉強している。ところどころにクスグリを入れる。これが実に巧みである。

新釈落語噺(中公文庫)を久しぶりにめくってみた。おしげもなく洒落を披露している。「真田小僧」の続きを語っている。こういうことを思いつくのは談志師匠くらいだろう。これを語らないと落語は面白くないと言っている。確かにそうだ。一之輔さんも凄いけれど談志さんはもっと凄い。嫌味や破天荒な人だっただけに世間を騒がしたが、本を読んでみて改めて凄いと感じる。

2012年5月19日土曜日

国立演芸場にて

真打昇進襲名公演3日目のプログラム シルバー料金1,300円とは有り難い。

前座:春風亭一力(延陽伯)
二つ目:三遊亭金兵衛(孝行糖)・・・身内かどうか知らないけど熱烈ファンが1名いて拍手が強烈
真打:五明楼玉の輔(マキシムド呑兵衛)・・・末広で白鳥さんから聴いたことあり。初めて見た。
奇術:マギー隆司(顔は談志師匠似)
真打:橘家圓太郎(骨釣り)・・・品があります。初めて見た。好印象の噺家。
真打:柳亭市馬(親子酒)・・・得意の歌を唄う、ええ声でした。やはり実力者である。
真打:林家木久扇(松竹梅)・・・まじめにやれば落語もできるね。面白かった。
仲入り
口上:玉の輔・圓太郎・一之輔・一朝・市馬・木久扇
    玉の輔の司会が滅茶苦茶
師匠:春風亭一朝(喧嘩芝居)・・・初めて見ました。地味だが・・。芝居ものが上手いようだ。
漫才:ゆめじ・うたじ(箸の話)・・・一度聞いたことがある。長すぎた。
真打:春風亭一之輔(青菜)・・・通常の青菜とは違うように演じた。一之輔流?これが人気の秘密

真打昇進襲名披露

春風亭一之輔さんの真打昇進襲名披露公演に行ってきた。こういう公演は生まれて初めてのような気がする。さすが落語界のヒーロー。21人抜きとのこと。年功序列の世界での快挙。国立演芸場は満員御礼の札。実際は少しだけ空席があったが、チケットは売れていると一之輔さんが言っていた。

さて、お目当ての口上である。進行は五明楼玉の輔さん、真ん中に一之輔.右には師匠の一朝。隣に落語協会副会長の市馬師匠、隣に相談役の木久扇師匠、左には圓太郎師匠が並ぶ、圓太郎、市馬、木久扇がお祝いの口上を述べる。そのあと玉の輔さんが、一朝師匠の口上を紹介するのを忘れてしまうハプニングが起こる。一朝師匠も苦笑い。一之輔は、落語が好きで好きで、稽古、稽古の毎日で上手くなったということを語る。最後に一之輔さんが、口上を述べる。お客さんは大満足。終始なごやかなムードで口上は終わった。一之輔さんは、トリとして「青菜」を語る。これが最高に面白い青菜であった。

2012年4月23日月曜日

懐かしい「島の内寄席」で鶴二さんを聴く

久しぶりに島の内寄席に行く。最初は田辺寄席に行こうかどうか迷ったけれど、結局は鶴二さんの噺を聴きたかった。それに繫昌亭の賞をもらった面々が出るとあれば、行くしかない。前座は月亭八斗さん(犬の眼)、輝き賞の団姫(一眼国、奨励賞のよね吉(稽古屋、八天(粗忽長屋、爆笑賞の三象(忘れ物承り所、大賞の鶴二(猫の災難)さん。猫の災難は、猫が・・猫が・・・とすべて猫のせいにするストーリー、酒飲みが、頭を使ってタダ酒を飲むという馬鹿馬鹿しい噺であるが、鶴二さんがやると陽気なこと、これが素晴らしいと思う。

島の内寄席は、もう何回も行った。ミナミにあった暫という料亭でやっていたこともあった。座敷であった。下足番も噺家さんたちがやっていて、アットホームな雰囲気だった。今日の会場は、トリイホールだった。ワッハで出来なくなって、トリイに。ここは上方という旅館だったらしい。移動式の椅子席で全部で150名くらい入れるかどうかのところ。平均年齢60歳というところか。前売り2000円だから、そこそこする。今日は特別で、大体100人くらいの固定客がいるらしい。毎月、やっているので、チェックをしておきたい。





2012年4月9日月曜日

松喬さん回復祈念

昨年末に読売テレビの「平成紅梅亭」の録画があって行ってきた。お目当ては笑福亭松喬師匠だった。しかし、12月に突然「肝臓がん」の治療で入院ということになり、林家染丸師匠が代役となった。楽しみにしていただけに残念だった。その後、師匠はどうなっているのだろうかと心配していた。3月に師匠が「島の内寄席」に出演すると聞いて、嬉しくなった。その後、精力的に活動しておられることは、ホームページで知った。あせらず少しづつ良くなっていただいたいと思う。

松喬さんの「おやっさん」も読んだ。兵庫県小野市出身。松鶴師匠とは、生き方が違うが、笑福亭の看板を背負う噺家である。何回聞いても面白いのが「禁酒関所」である。独特の語り口で、くすぐりも最高。さすがである。「高津の富」もいいし、「崇徳院」も楽しい。マクラも好きだ。仁鶴、鶴光、福笑、そして松喬。松喬師匠の噺を聴くのが楽しみである。

2012年3月17日土曜日

春團治の野崎参り

3月の平成紅梅亭で春團治師匠の「野崎参り」を聴いた。1000人ほど入るホールはほぼ満員。野崎参りは何回か聴いたことがある。野崎参りは屋形船で参る・・・という歌があるくらい有名であるが、行ったことはない。5月の1日から始まるようだが、一度行ってみたいと思う。師匠がマクラで関西の三大参りは、京都祇園八坂さんの「おけら参り」、讃岐金毘羅さんの「鞘橋の行き違い」、それに野崎参りというていた、しかし讃岐の鞘橋は聞いたことがなかった。鞘橋というのはあることはあるのだが。・・・・

さて春團治師匠の十八番だけあって、この噺は聴かせる。何回聴いても面白い。口喧嘩で相手をやりこませると、その年の運が向いてくるという。喜六と清八の会話と、土手の向こうの口喧嘩相手の会話が落語になる。船頭との会話もある。同じような噺で枚方のくらわんか船、三十石船もある。春團治師匠は、1930年生まれだから今年82歳、お元気である。羽織の脱ぎ方といい、関西弁の柔らかさといい、上方にはなくてはならない噺家である。

2012年3月4日日曜日

ユリイカの談志特集

ユリイカという雑誌に談志特集が載っているということを杏太郎さんから聞いた。談春さんの独演会でこの雑誌の紹介があったという。特に月亭可朝さんのインタビューが良いとのこと。早速、アマゾンで購入。本屋さんに行かなくても簡単に読みたい本が手に入る。立ち読みの楽しさはなくなるるが、便利になったものだ。ユリイカという雑誌、時々本屋で手に取ることがあるが、買ったのは初めて。まじめな雑誌である。これからも注目したい。

さて、本の中身。月亭可朝さんのインタビューも談志師匠のことが詳しく載っていて、談志さんの人柄が良く示されていたと思う。型破りは共通。志らくさんのインタビューも興味があった。それよりも戸田学氏の記事も良かった。懐かしいミナミの暫の中田昌秀さんが出ていたからだ。中田先生は上方演芸発展の功労者である。上岡龍太郎とも親しかったようだ。上岡さんはインテリだった。たくさんの名前が出てきて懐かしい談志特集だった。本を読んだ後に「黄金餅」のDVDを鑑賞。やはり談志師匠は素晴らしい噺家である。

繁昌亭ライブで楽しむ落語

たいてい毎晩、落語を聴いている。繁昌亭のライブである。毎月1000円支払っている。2月の三週は大好きな福郎師匠が出ている。メイドカフェの新作落語をやっている。いまどきだからこのカフェに携帯電話のメールが出てくる。この2つがテーマ。噺は、メイドカフェで遊んでいる亭主にやきもちを焼いている奥様の正子さんが自ら家でメイドになる噺。つまりホームメイド正子。

新作落語を書きたいと思っている。現在台本を募集中。いろいろ考えてみた。思いつかない。ポイントは「サゲ」だと思う。福郎師匠の話も「メイド」=「冥土」と掛けている。そういえば、字の変換で思いがけない発見がある。そういう「サゲ」を見つけたら後は筋書きだけだ。面白いことを並べれば良い。しかしこれがなかなか難しい。しかしいつかは挑戦してみたい。

2012年2月11日土曜日

喬太郎の午後の保健室

喬太郎さんの落語会に行った。4年前に池袋演芸場で聴いたことがある。メモをみると「うどん屋」であった。あのときは、独演会でないから「たっぷり」とはいかなかった。今回はたっぷり三席。始めは松竹梅、松さん、竹さん、梅さんが結婚式で御祝を述べる噺。次は、「午後の保健室」という創作落語。最後は「転宅」。多少太り気味の喬太郎さんにとっては、ここの高座は高く、かつ狭そうだった。上がるのはいいが、降りるのに苦労していた。これはやはりなんとかして欲しいね、亀屋さん。

喬太郎さんは、創作落語を多数手がけている。ハワイの雪も名作だ。午後の保健室も彼しか出来ない噺かもしれない。表情が可愛いというか、おぼっちゃまというか、東京の品の良さがにじみ出ている。日大時代から落研で人気者だったらしい。上方で言えば、三枝さんだろうか?ただ、三枝さんは大変な苦労人である。「すみれ荘201号」という名作も是非聴いてみたい。この日の高座でもギャグを連発。12月1月2月だな・・・不愉快(冬かい)とか貴方は不調僕は会長、貴方は不調僕は校長とか・・。

2012年2月7日火曜日

千橘師匠の一文笛

一文笛は人間国宝の米朝師匠作である。スリの名人噺。どういう経緯で出来たのか知りたいところだ。噺は前篇、後編とわかれる。前篇はスリ仲間がスリの権利を売買して名人を競うと言う噺である。これが後編に続く。後編は一文笛が買えない子どものために笛をスルという噺。これが大変なことになる。ここがクライマックス。子どもが濡れ衣を着せられてしまう。子どもが生きるか死ぬかの状況になっていまう。親分に叱られて、スリの名人が右指を詰める。助けるために医者を呼ぶがお金がない。また再度名人がお金をスル。驚いた親分。お前は凄いと感心する。名人「あっしはぎっちょ」でんねん。

千橘師匠は、露の一門である。噺の前に親しく話をさせて頂いた。確か同年である。ざっくばらんで面白い。噺も上手い。さすが、露の一門の幹部である。顔も噺家らしい。この日は露の眞さんも一緒だった。女性噺家である。寿限無をアレンジして笑わしてくれた。単に落語を聞くだけでなく話もできる楽しい落語会であった。

2012年1月16日月曜日

一之輔のあくび指南

噂の春風亭一之輔さん。二つ目であるが、今年大抜擢で真打ちになる。1978年1月28日生まれである。松尾貴史の番組に出ていたのでじっくりと鑑賞した。これが二つ目という感じではない。もうすでに立派な真打ちである。貫禄充分。桂吉弥さんを初めて観たときも思ったのだが、人気者になるには、共通点がある。色気と華である。吉弥さんも輝いていた。これは大物になるな、人気者になるなと分かった。今や一之輔さんの人気は最高である。今度、上京した折には是非ご尊顔を拝したい。

さて、あくび指南。これも面白い噺である。町内にあくびの指南所が出来た。ひとりで行くのは間が悪いとのことで、友達に付き添ってもらった。夏のあくびの稽古。なかなか上手く出来ない。ついてきた男がこれを見て、ああ、退屈で退屈で、ああああ・・・。あくびの師匠が「おつれの方の方が器用だ」と思わず褒める。これがサゲである。あくびの仕草がなかなかみものである。これが上手い。あくびは、伝染するという。日常でよく起こる出来事で、身に覚えがある噺なので、何故かしらほんわかする。

談春のねずみ穴

昨年12月の独演会に行った。お誘いがあったからである。なかなかチケットは入手出来ない落語会である。追っかけファンが沢山居ることでも有名。森の宮ピロティホールは、1000名くらい収容できる。そのホールがほぼ満席。さすがである。初めて見た談春師匠は、男前で色気がある。人気者の要素を充分備えている。

さて、この日は三席。人情八百屋、禁酒番屋、ねずみ穴。たっぷり。普通は弟子が最初に喋るのだが、それがない。いきなり師匠の噺。まくらは、震災の件が中心だったが、30分近くあっただろうか。人情八百屋は、初めての噺だったが、なかなか良かった。次はお馴染みの禁酒番屋、談春師匠の水カステーらも良い。最後は、ねずみ穴。これは、ストーリーは知っていたので、特に驚きはなかったが、さすが上手い。「あなたが選ぶ談春この一席」のパンフをもらったので、試しにどのくらい聞いたことがあるか調べたら、60席中37席だった。約半分。これはこれは、談春師匠の噺は、これからもマークしておきたいと思った。ついこの前、亡くなった談志師匠の想い出話も聞けて満足した独演会であった。