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2013年7月31日水曜日

松喬師匠さようなら

毎日毎日師匠のホームページとフェイスブックはチェックしていた 今朝ふと毎日新聞のオンラインのニュースをチェックしていたら松喬さんの字が見えた あれ・・と思って目を凝らした 30日にお亡くなりになったという記事だった 遂にその日が来た 62歳 これからという年に残念です 後援会には入っていた チケットを申し込もうとオフィス笑に電話をすると師匠が出てきたので驚いた あのかすれ声でもっちゃりした関西弁で応対してくれた 師匠お元気でと電話を切った

2011年12月の紅梅亭の時にはガンの治療で休演、2013年4月の草津の宿場寄席も休演 2013年7月の十六夜 これが最後の休演となった しかし今年の6月の一門会は出演しその後体調を崩された それが最後の公演になるとは そのときのマクラでは私が死ぬときはガンやのうて栄養失調ですわと皆を笑わしていたが私は笑う気にはなれなんだ そのくらい気が弱っていたのだ 一番元気だったのは2012年7月のさん喬・松喬二人会だっただろうか このまま良くなると信じていたのだが ほんとうに残念である あとは師匠が育てた三喬、生喬、喬楽さんをしっかり応援していきたい さようなら師匠 

2013年7月27日土曜日

田辺寄席のペアチケット当たり



文太師匠の開口ゼロ番(文太の前ばなし)は叩く太鼓の音が何に聞こえるかというクイズであった   
 雷とか雨とか雪とか最後には津波(これは小学生の答で感性にビックリしたと言っていた) 面白かったのはあるお客さんが「太鼓」と言ったのには驚いた そのままである 文太師匠も苦笑いだった 
さて今日の出番は米團治の弟子の團治郎が「七度狐」を、米輔師匠が「崇徳院」、仲入りが入って文太師匠が「ぞろぞろ」を演じた 米輔師匠は残念ながら淡々と盛り上がりもなかったので眠くなった 良かったのは團治郎である 身長が180を超えているのが自慢のよう 一番弟子で噺も上手だった 勢いを感じる 今日の文太師匠のぞろぞろもいつもと違いと淡々として物足らなかった

右喬さんの「壺算」とマクラは良かった この日は右喬さんのたっぷりの会だから当然であるといえば当然 張り切らざるを得ない 四国八十八箇所を野宿で回ったとか そのときの話をマクラにして笑わしてくれた 壺算とは全く関係のない話ではあったが
この日はお客が少なかった おそらく前日の南光師匠が多かったのだろう だから笑呆亭のクイズは当たる確率は高かった クイズも正解し(今回は正解者が少なかった)抽選を待っていると「当たり」の名前が読み上げられた これで2回目 8月の田辺寄席のペアチケットが商品 春蝶さんが出るので是非行きたい。

新・じっくりたっぷりの会-笑福亭右喬の段 649回


21日に開かれる予定だった松喬師匠の十六夜(第四夜)が師匠の体調不良のため中止となった 残念 4月の第三夜の時に前売りを買っていた そのときも体調が下降気味の話をしていた 声がでないと言っていた 6月の一門会では本当にしんどそうだった ホームページも更新されないままであったので、ひょっとするとと思っていた 体調を整えて出てきて欲しい 切に願うばかりである
21日は田辺寄席をやっている プログラムをみると師匠の5番弟子の右喬さんが出ていたので行くことにした 私が親しくしている喬楽さんの次の弟子である

右喬さんが二席、「平(ひら)の陰」と「壺算」である 平の陰は江戸では手紙無筆とか無筆の手紙 
 上方では平の陰 手紙を読んで欲しいと頼まれるが頼まれた方は正直自信がない 頼んだ方がいろいろとヒントを与えてくれる 書いたある 書いたあると・・・ お膳を貸してくれ、盃を貸してくれと言われているのやけど・・ああ書いたある なんで盃のことを読んでくれへんかったんや? それはお膳の陰に隠れて見えへんかったんやがオチ お膳の陰ではなく大平椀(おおきなひらべったいお椀)の陰に隠れてというのが本来のオチやそうだが まあなんでもええ 二人の会話だけで十分である 右喬さんはマクラで師匠が毎年行っている北海道公演を今年は代わりに呼ばれて行ったことを話してくれた これは少し面白かった

2013年7月15日月曜日

小枝の小倉船


小倉船は門司と馬関(昔は下関のことを馬関といった)を結ぶ船のこと つまり馬関海峡(今は関門海峡)を渡る船のことである そういえば馬関戦争というのもあったなあ 明治維新のころ 長州藩が外国船籍の船に発砲した事件 また巌流島も昔は小次郎と武蔵が戦った 下関に行ったことがあるが本間に目の前が九州だった この風景は好きだ 香港も同じような風景 ここが舞台の噺である なぞかけやフラスコや竜宮城が出てきて賑やかな噺だった どうも小枝はこの噺が好きなようで息子が独演会に行ったときも小倉船を演じたとのこと

小枝は確かに人気がある あのおかしな声で エーとやると笑いが起こる どうしてだろう テレビのせいかな レギュラーも持っているしカイロの宣伝でも有名 白塗りもしていたし奇抜な噺家である 三喬は高校時代に小枝と進路を巡って相談したらしい 面白い関係である これから小枝の噺に注目したい

小玉西瓜を初めて食した スイカはどことなく船に似ている 小倉船ではなく西瓜船 今は西瓜のシーズンである 大栄西瓜は今週で出荷が終わるとのこと
これからは倉吉の西瓜である「極実スイカ」が出てくる。極実は銀座の千疋屋にも卸しているとか

雀々は顔も芸も濃い


枝雀の4番弟子の雀々 枝雀師匠に一番近いと言われている 本人もそれは意識しているようで枝雀師匠の芸風を真似しているように思える 昨年から活動を東京に移して活躍している模様 春蝶も同じである 雀々さんの濃さとコテコテの大阪弁が東京で受けているかどうか少し心配なところだが 東京にも枝雀師匠のファンがいるので心配はない 高座に上がるなり「けい・じゃん・じゃん」と言って笑わす 大きな顔だ こんなに大きかったかな?得意の梅田の陸橋での小噺をする 本当になぞなぞおじさんはいるのだろうか?駐車場で9番だけが空いている どうして どうして 「車は急に止まれない」 清少納言は毎晩寝る前にどうしている わからない 枕の掃除をしている どうして どうして 枕草子 枕草子・・・・・何回聴いても笑ってしまうから不思議だ

今日は分けのわからん面白ない噺です と繰り返し繰り返ししつこく言ってじらす もう昔からある噺だそうだ そういえば私の持っている古い本にも出ている アタマヤマとなっている サクランボを食べてた男の話である 種が残って頭に桜の木が生えてきた 近所の人が花見にやってくる、宴会をするわで賑わう 男は今度は桜を抜いてしまう そこに池ができる フナや鯉が集まり、釣り堀になる 男は池に飛び込んでしまうという噺 小松左京張りのSF小説である あまり聴かない噺で結構面白かった 雀々さんの関東での活躍を祈念したい 

2013年7月14日日曜日

市馬の歌が聴きたかった


市馬は五代目小さん師匠の弟子である 落語協会副会長 会長は兄弟子の小三治師匠だから二人の兄弟弟子がきちんと協会を支えている 51歳か まだ若い 老けてみえる 芸風が地味のような感じはするが風格はある 小さん師匠と同じように剣士である 歌も上手い 春日八郎張り 確かに美声である 高砂やをうならすと最高である この日は昼席・夜席の2回公演だったようだ 夜席は団体の貸切とか どこだろう? 市馬は夜席では「片棒」を演じたようだ 芋俵も聴いたことがあるが上手である 今日は得意の喉で魅了することを期待していたが残念 聴けなかった

将棋のマクラから始まった 志ん生師匠が楽屋で「待ったクラブ」を作っていて大勢が参加していたという しかし最後は志ん生師匠の勝ちで終わる 「待った」は将棋や碁ではよくあること 「待った」で有名な噺は「笠碁」である 後ろの女性が面白いことを言っていたのが気になった オチの菅笠から落ちる水を嬉し涙と思っていたというのが気になった それでは「笠碁」にならないのだが そう解釈するという人もいるということだ 残念だが 市馬さんには小さん師匠のような「目つき」になっているか注目していたが・・・イマイチ 「ザル」とか「ヘボ」のあたりは良かったのだが

2013年7月13日土曜日

上方落語の三喬は髪形落語家

三喬がマクラで言うのは決まっている お客さんからいつも言われますねん「三喬さん いつも髪形がぴちっと決まっていますね」「はい 私は上方の噺家ですから」 ほんまに三喬さんの髪形はいつみても角刈りが決まっている 植木の手入れではないが見事だ 三喬の得意ネタは泥棒もの盗人ものである 顔がどことなくそういう感じがするといえば失礼にあたる 一度打ち上げでご一緒させていただいたが素顔は至って真面目である 噺も上手い 時事ネタもたくさん取り入れお客さんを笑わすところなどは上方でナンバー1である

三喬は「鷺取り」を演じた この噺は何回も聴いたことがある 上方でしかやらない噺かもしれないそのくらい馬鹿馬鹿しい噺である 最初はスズメを一度に取る方法 「トリトリ」 伊丹名物はみりんのしぼり粕のこぼれ梅と南京豆(スズメが寝る枕)で仕掛けるが失敗 ここでは江戸のスズメが出てくるがこれを喬太郎雀と呼んでお客を笑わす このあたりが三喬のアドリブ 絶妙である ツボを心得ている この日は時間の関係か鷺取りの最後のオチ(四天王寺の五重の塔から飛び降りる)まではいかず トリを取る商売で成功して全国の駅前にチキンの店を作ったというケンタッキーフライドチキンのオチで終わった まあそこまで考えるかと感心した三喬さんの苦労が伺える

 

喬太郎は人気者 古典も創作もいける


幇間腹とは「たいこ腹」 幇間とは「たいこもち」のこと そのたいこもちに鍼をうつというお馴染みのお噂である 幇間の腹に鍼を打ち、その鍼が折れる 迎え鍼を打つがまた折れる しまいにはお腹が血だらけになる いくらかお金になったのだろと聞くと いいえ皮が破れて金にならないというのがオチ 太鼓は皮が破れると音が出ない 考えオチなのでしょう 

喬太郎は若旦那?たいこもち?どちらが似合うのだろうか?やはりたいこもちタイプである 第一に茶目っ気がある 如何にもご機嫌取りスタイルである 父はイラストレーターとか 上方でいえばボンボンである 育ちの良さが分る これは一之輔にも通じるところがある 江戸ではこの手が人気が出るのだろうか 福家書店に入社して退社し、さん喬師匠に入門 師匠も浅草の洋食屋のボンボンだ 品が良い 喬太郎は古典も創作もいける この日は古典だったが創作物もぜひ聴いてみたかった

2013年7月12日金曜日

一之輔の凄さ

春風亭一之輔は、真打になって1年 昨年東京で襲名披露興行を見たばかりである その後、寄席、ラジオなどで活躍 関西には滅多に来ない 数える程ではないか この日も日帰りだったようだ 喬太郎さんから聞いた 二人とも日大の落研だから仲が良いのだろう 同期は三遊亭王楽、上方では市楼とか2001年入門 市楼と比べて悪いが一之輔の実力は相当高い 天狗になっている態度が今までの噺家にないタイプなので人気があるのだろう

「初天神」といえばお馴染みの噺であるが一之輔の「初天神」はどこか違う 得意ネタだけあって至る所で面白さを倍増しているのだ 想定外の会話が実に面白い そもそも子どもが違う 自分なりに変えて大人のような口をきく子どもに仕立てている それがまた受ける おとっさん大好きだよ 俺はそれほどでもないよ 果物買って 飴買って みたらし買って・・・とねだる金坊 叩かれて鳴くと思うだろう とか 金坊が脅しをかけたりするのが一之輔流 この会話が最高である 子どもが竹ちゃんの家に生まれれば良かった 俺もお前が竹ちゃんだった買ってやるよとかいろいろ言うが八五郎さんは動じない 親爺の名前が八五郎というのもサプライズである 噺は凧揚げまで途中で切れる ここまでで21分 ぜひ凧揚げまで聴きたいと思った 江戸にもいないが上方にもいないタイプで人気の秘密がわかるような気がする

2013年7月8日月曜日

東西の人気者が神戸に集まり七夕寄席



神戸文化ホールは900名入る それが満席、昼の部は一般公開か?夜の部は会員だけかもしれないが、あったようだ まず、一之輔登場、自分の子どもをネタにマクラを語ると「初天神」に入った 一之輔の演じる子どもは他の噺家と全然違うから面白い 噺家次第でものすごく面白くなることを証明している 次は喬太郎、もすごくまずくておいしいもの、コロッケ蕎麦と言うが反応悪し、これは東京では受けると言いながら苦笑する光景も 「幇間腹」を演じたのである 続いて出たのが三喬
マクラはクリームパンに輪ゴムが入っていた噺 今朝の起きたことらしい 「鷺取り」を演じた

仲入り前は、市馬 マクラは待ったクラブの将棋の噺 志ん生の将棋が強いわけを明かしてくれたのである 「笠碁」かなと思ったらその通りの「笠碁」 5代目小さん師匠にはかなわないなあと感じた 特に行ったり来たりしているときの「目つき」が物足りなかった

仲入り後は、雀々 自己紹介は「ケイジャンジャン」である マクラはお得意のなぞなぞおじさん おやつは何時(字)?3時(字)ばんごはんは何時?7時 残念 5字でした 大笑い 「さくらんぼ」を演じる これは「あたまやま」なんだけど「さくらんぼ」になっている トリは小枝 昔話の小噺から「小倉船」に 得意中の噺のようだが・・・ オチが分りにくいので???だった