昭和の日。地下鉄昭和町近辺は賑わっていた。田辺寄席も今西家住宅で1日4回開催、文太師匠は4回全て出演していた。演じたのは「七度狐」、「坊主の遊び」、「へっつい盗人」、「文六豆腐」。さすがの私も1回で充分。3回目の公演を聴いた。露の紫「金明竹」、喬楽「上燗屋」、トリは桂千朝師匠の「抜け雀」であった。文太師匠は「へっつい盗人」。たくさんのお客で満席状態。若い人は紫さんが目当てか?二葉さんもアフロヘアで居たな。私は大好きな喬楽さんがお目当てだった。
千朝師匠は初めて。噺の最中に金の屏風が倒れてきたのには驚いた。丁度佳境に入ったところだったので残念であった。舞台は小田原。一文無しの浪人。障子に雀を書くと、その雀が朝日と共に外へ飛んでいく。それが評判になりお殿様がその障子を買おうとする。浪人から自分が帰ってくるまで、それは売ってはならぬと言われている亭主。雀のお宿は連日の超満員でご満悦。そこにやって来た浪人の親爺。これでは雀が死んでしまうと、障子に籠を書いた。その後、1年ぶりに宿に戻ってきた浪人、その籠をみて、ああ親爺を「籠かき」にしたと親不孝を嘆く。サゲは明快。師匠もさすが上手で噺はなめらかであった。これは左甚五郎ではないようだ。甚五郎は「竹の水仙」と「ねずみ」が有名だが、抜け雀は知恩院の七不思議の抜け雀だろうか
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