昨年末に談春12か月独演会の公演があった。神戸・大阪で毎月行った最後の公演は、満席。さすが人気者である。一昨年は談志師匠が亡くなった直後で、今回は中村勘三郎さんが亡くなった直後であった。勘三郎さんの想い出話をマクラにあげた。勿論、談志つながりで交流ができたのであると思うが、勘三郎さんの人柄が偲ぶものであった。昨年2月の平成中村座での談志追悼公演ではあんなに元気だった勘三郎さんが逝くなんて到底想像できないことだった。
談春さんは御存知競艇が趣味である。競艇の選手になることが夢だったと「赤メダカ」に書いてあった。マクラではギャンブルの話から入って、「富久」を演じた。丁度、2週間前に日本の話芸で可楽さんがやっていたのでストーリーは覚えていた。ただ面白くなかった。幇間の久蔵が富くじに当たるという噺。人情噺か滑稽噺か分からないけれど、談春さんはたっぷり聞かせてくれた。やはり、話芸のように30分では味が出せない噺である。可楽さんも30分以上あれば面白くしたように思うのだがどうだろうか?籤に当たる噺は、高津の富というのもあるが、なかなか縁起の良いものである。この日は、「六尺棒」も演じた。一尺は約30センチだから六尺は180センチ、そういえば木戸のつっかえにしていた棒である。この日は山田りよこさんも来られていて、お話ができたのも収穫であった。(前日、繁昌亭の餅つきでもお会いした)この投稿にと写真を写したのだが、投稿の仕方がわからず残念です。