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2012年11月26日月曜日

露のききょうさんの「つる」

露のききょうさんは、ご存じ「露の五郎兵衛」師匠の長女さんである。五郎兵衛さんは、上方落語界の重鎮であった。面白さでは一番であったと思う。怪談噺も一流。皿屋敷が面白いとお勧めなのでぜひ再度聴いてみたい。ききょうさんはお名前は聞いていたが、落語を聴くのは初めてだった。なかなかぽっちゃりして藤山直美似の可愛い人である。この日は、百面相で有名な「露の團四郎」さんも一緒だった。ききょうさんは、女優と噺家の二足のわらじを履いている。テレビにも出ているそうだが、気づかなかった。これからは、注目して観てみたい。

「つる」は、よく聞く噺である。なぜ首長鳥が鶴と呼ばれるようになったのか。単純な噺だが、これを面白おかしくしている。甚兵衛さんによると唐土の方からオンがツーっと飛んできて、メンがルーと飛んできて「つる」になるのだが、喜やんに教えれると、オンがツーと飛んできて松にルーととまる。メンは・・・メンは・・・どうしたんやと竹に言われると・・・メンは黙って飛んできたというのがサゲである。初めに甚兵衛さんとの会話で膨らませて、鶴まで持ってくるのに面白おかしい会話があった。これはさすがである。父譲りのこってりした噺を思い出させる。またどこかで聴きたいききょうさんであった。
 

2012年11月18日日曜日

桂文我 古事記を語る

桂文我さんの独演会に行ってきました。毎年当地での興行で確か8回目とか。固定客がほとんどで、師匠もやりやすそうでした。宗助さんか三象さんを連れてくるのが多いのですが、今回は呂竹さん。前座で「池田の牛ほめ」を一席。上手だったけれど、少し早口であせっていたような感じでした。文我さんは、ニコニコしながらマクラで美味しいものの披露をして、一席目は「フグ鍋」。この季節ならではの名演。続いて、二席目はなんと「古事記」を語ったのでありました。これにはビックリ。三席目は「子は鎹」。お崎さんと息子の亀と熊さんの人情話。涙を抑える人も居るくらい感動的な噺でした。

何故、古事記か、前日、テレビで出雲のことを観て思いつたとか。文我さんの出身地である三重県松阪の偉大な人物である本居宣長が古事記を世に出した人でもあるので、それが言いたかったのか不明だが、田端義夫、三越の創設者、あべ静江、西野カナ、三重ノ海など偉大な人の名前が出てきた。それに桂文我・・・。
古事記の話は、天武天皇、イザナギ・イザナミから天照大神・すさのうのみこと・くしなだ姫までのストーリーを面白おかしく語り、大国主命の手前で終わった。途中、たっぷり文我師匠の博識を入れて、大いに笑わしたのはさすがである。

2012年11月12日月曜日

鶴二さんの「尻餅」

露の新治さん、笑福亭鶴二さん、笑福亭喬楽さんの共通の出身地である大阪桃谷での落語会に行きました。特に喬楽さんは、生で聴くのは初めて。鶴二さんの話によると、なかなか聞けない「天然記念物」の噺家だそうです。本人は「世界遺産」と言っておりましたが・・・・。新治さんは「猿後家」これが実に新治さんにあった噺、トリの喬楽さんは「壺算」これも汗をかきながら大熱演、そして鶴二さんは「尻餅」。最近覚えた噺と言っていましたが、なかなか大したもので、笑わしてくれました。

「尻餅」は、年末の噺だが、時代を先取りすることから言えば、ちょうど良い時期かもしれない。私の小さいときは、お正月のお餅をついてまわる「賃つき屋」があったことを思い出す。この賃つき屋の真似事を家の中でやろうとするのがこの「尻餅」。
 嬶に尻を出させて、親爺が尻を叩くのだが、この音がペッタン、ペッタンと良い音が出る。鶴二さんは右手の握りこぶしで左手の手のひらを、気持ちよさそうに叩く。実に良い音である。だんだんと嬶のほうが痛くなって、音を上げる。オチは、「あとの2臼は、白蒸で食べとくれ」。6代目松鶴師匠の得意ネタだけに鶴二さんは師匠譲りの味を出していたと思う。この日は落語の前と終わってから鶴二さんと話をする機会があった。12月15日(土)の京都の松葉での落語会の誘いを受けた。是非行きたいと思っています。