笑福亭三喬さんが「近江八景」を演じた。初めて聴く噺である。ここは草津の宿場、本人は「滋賀に来て是非やりたかった落語です」と言っていた。他にも滋賀が舞台の噺はたくさんあるとのこと。私の知っている噺は「指南書」である。これは福郎さんから聴いた。急がば回れの諺は指南書から出たとのこと。大津から草津に行くのに近道の舟に乗ったら遭難、全員が亡くなった。近道は危ない。急いでいる時こそゆっくり歩いて行こうでいいじゃないかというお話。草津の名物の「うばが餅」が出てくる。
三喬さんは本当に上手い。聴かせる噺家である。近江八景は占い師と占いを見てもらう男の噺である。二人の会話が実に巧みだ。八卦をさわる手つきも上手だ。最後の最後に近江八景が出てくる。オチは膳所=ぜぜ=お金で終わる。あまり聴いたことがない噺であり、やはりご当地での落語会ではうける。お客のほとんどが滋賀の方、それも年配者が多いので皆さん満足しておられた。ちなみに矢橋の帰帆、粟津の晴嵐、瀬田の夕照、石山の秋月、三井の晩鐘、唐崎の夜雨、堅田の落雁、比良の暮雪。というのが「近江八景」。膳所がないのがオチにつながる。
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