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2015年8月22日土曜日

由瓶の「試し酒」


由瓶さんは最初に「試し酒」 この噺は実に面白い 他人に聞かせたくないほど面白い 初めて聴いたのは江戸の寄席だったと思う 落ちのどんでん返しが良く出来ている 大宮さんと近江屋さんの旦那が大宮さんの奉公人の久造さんが本当に5升の酒を呑むか呑まないかの賭けをする 呑めるわけないという近江屋さん 呑めるかもしれないという大宮さん 久造さんは呑んだことがないので考えさせて欲しいと言って家の外に出る しばらくして戻って来た久造さんに1升入る大きな杯 そこに酒が注がれる 1杯目の飲みっぷりが良い 仕草が上手い 久造さんと近江屋さんとの素朴な会話が笑いを呼ぶ 2杯・3杯・4杯目と進むのだが 最後はさすが苦しい雰囲気 あと1杯 なんとか呑み干す ここで拍手なのだが手を叩く人は私独り しばらくして近江屋さんが私の負け ところで先ほど久造さんが外にでたがあれは何かのおまじないか?と聞くと久造さん「おらあ5升なんか呑んだことがないから、外の酒屋で5升試に呑んできた 
今村信雄作の新作である 今村氏は落語研究家として名高い人 私も今村氏の本を何冊か持っている しかしこのような落語の作家だったとか 江戸の噺なので上方ではあまり演じる人はいないが今日の由瓶さんは体も大きいし呑みっぷりも実に上手かった 自信の噺だったように思った これで思い出したのが 高校時代に親友が牛乳を13本飲めるかどうかで賭けた事件 何故13本か記憶にないが・・・ 結局11本でダウン 試し酒のように学校の前の牛乳屋で飲んでくれば良かったのにと思った 冗談ですが

2015年8月21日金曜日

吉坊の「仔猫」 素晴らしかった


左手奥の階段を下りて吉坊さんが登場 さすがお洒落な高そうな着物 顔も艶やかでだいぶと大人顔になっている 久しぶりだ 米朝師匠の孫弟子とあってマクラでは師匠の俳句仲間「やなぎ句会」の小沢正一 加藤武さんらの話 特に先日亡くなった加藤武さんからは随分可愛がってもらったという 加藤武さんからは「えなりかずき」と渾名を付けられたらしい 自らも以前はお茶くみ坊やとかえなりかずきとかマクラで話していた そういえばこの句会のメンバーで今生きているのは永六輔と小三治師匠とか 江戸の扇橋師匠も先日お亡くなりになったなあ
今日の2席の内「仔猫」は聴きごたえがあった こどもの猫=仔猫 女中のおなべ 不細工だが一生懸命お店のために働く 皆とても助かっている しかし夜になると不思議な行動をする それを目撃した 怪談噺ではないが おなべの過去に・・・・・ 謎が 仔猫との関連が・・・落ちは「ねこかぶっていたのか」
 これは米団治さんもよく演じるネタ 結構大ネタである 45分くらいある 若い吉坊さんはこの難しい噺を熱演 汗びっしょりだった 以前は声が高く歯切れが悪かったが今日は聞きやすかった 吉坊はかなり勉強家である これからが楽しみな若手で注目したい 

2015年8月20日木曜日

帝塚山・落語菜(さい)とは

近所にあるのに1回も行ったことがなかった「無学」 鶴瓶さんが席亭 師匠の松鶴さんの自宅を買い取って寄席に仕立てた ここはタモリもさんまもお忍びで出る寄席とか 確かにゲストは凄い凄い メジャーな人物が来るのだ 80席ほどの小さな小屋であるが綺麗にしている 1999年に開場したそうだがこの前の道は馴染の道だった これを真っ直ぐ東に行くと我が家があったのだ 今日は「由瓶(ゆうへい)が後輩に胸を借りる会」である これは終わって由瓶さんが見送りをしているとこ
今日の後輩はなんと吉坊 桂米朝門下の桂吉朝さんの弟子 今や有望な若手である 何回も聴いたが段々上手くなっている 吉坊さんの上には吉弥さんが人気者でいるが吉坊も実力を出してきている 由瓶さんの2年後輩らしい あまり親しくないとか 着物を同じ店で仕立てているとか マクラで話していたのだが 
さて落語であるがまず前座は華紋(文華さんの弟子)さんの「牛ほめ」 2年目とは思えないくらいすいすい さすが関西学院大学在学中に学生落語選手権で日本一になった実力者である 卒業後に大学の先輩の文華さんに弟子入りしている若手である 続いて由瓶さんの「試し酒」、そして吉坊の「仔猫」、仲入りがあって 再び吉坊の「おごころもち盗人」 そしてトリは由瓶さんの「除夜の雪」であった 帝塚山の上品なお客さんで一杯でした 私は由瓶さんは初めてでした 昔のこぶ平の顔に似ていたので面白かった なかなかダイナミックな噺家さんです

小春団治師匠の「鴻池の犬」


小春団治師匠が古典を演じるのは珍しいと思う 普段は自作の創作落語が多い 今日は「鴻池の犬」だった マクラで金持ちの噺をした ビル・ゲイツが如何にお金持ちかを1万円札に例えて話したのは面白かった 792億ドルとか 1万円札を縦に並べて大阪から米原まで行くらしい 良く調べたものだ 小春団治師匠ならではである 日本では昔は鴻池善右衛門 紀伊国屋文左衛門 淀屋辰五郎 とか さすが日本一のユニクロの柳井社長までいかなかったが面白いマクラだった

鴻池の犬は3匹の犬の物語 クロ、シロ、ブチの三兄弟の悲哀 ここでマクラの金持ち鴻池家に引き取られたクロはとても大事にされるが・・・ ブチは亡くなり シロは下町で哀れな姿 クロの家のあたりに迷い込む そこで二匹は出逢うのである 弟を可愛がる兄のクロ 落ちはイマイチだが 落ちに至るまでの過程が面白いと思う 面白い=尾も白いというギャグはなかったが入れ欲しかったし犬のおっちんする真似をしても良かったのではないかと思う 

2015年8月19日水曜日

今年初めての田辺寄席で楽しむ


今年初めて田辺寄席に行った もう8月である 世話役の方に挨拶 今まで時間が合わなかったことを釈明した どうしてだろう こんなに時間を空けたのは 第722回は桂春団治系噺家の会 桂小春団治 弟子の治門 そして桂福団治門下の七福、福丸 それに桂文太師匠だ お盆だったが入りはまあまあ 馴染みのお客さんが多い
まず、治門の「二人癖」 つまらん 飲めるが口癖の二人がそれぞれ言わそうと知恵をひねる 松喬さんで聴いたことはあるが、若手が演じるとどうなるのかち聴いたがやはりあっさりしていた
福丸の「雨乞い源兵衛」は小佐田定雄作 文太師匠の「小倉船」は鳴り物が入って賑やか 仲入りの後は、七福の「○○医者」 そして最後は小春団治さんの「鴻池の犬」であった
福丸は注目している噺家である 高学歴 またルックスも落語家らしくない どうしてこの世界に飛び込んだのだろうか 笑福亭たまと同じ京都大学出身 ただ福丸は灘中・灘高のコース どうみても官僚の道
その福丸さんが演じたのが新作の「雨乞い源兵衛」 小佐田さんが枝雀さんのために書き下ろしたもの これには驚いた やはりまだ若いせいかしつこさに欠けた 優等生すぎるのだ 七福さんのようにオーバーに演じて欲しいと思うのである
最後の抽選会でペアチケットがあたった 来月は鶴二さんだから絶対行くぞー