由瓶さんは最初に「試し酒」 この噺は実に面白い 他人に聞かせたくないほど面白い 初めて聴いたのは江戸の寄席だったと思う 落ちのどんでん返しが良く出来ている 大宮さんと近江屋さんの旦那が大宮さんの奉公人の久造さんが本当に5升の酒を呑むか呑まないかの賭けをする 呑めるわけないという近江屋さん 呑めるかもしれないという大宮さん 久造さんは呑んだことがないので考えさせて欲しいと言って家の外に出る しばらくして戻って来た久造さんに1升入る大きな杯 そこに酒が注がれる 1杯目の飲みっぷりが良い 仕草が上手い 久造さんと近江屋さんとの素朴な会話が笑いを呼ぶ 2杯・3杯・4杯目と進むのだが 最後はさすが苦しい雰囲気 あと1杯 なんとか呑み干す ここで拍手なのだが手を叩く人は私独り しばらくして近江屋さんが私の負け ところで先ほど久造さんが外にでたがあれは何かのおまじないか?と聞くと久造さん「おらあ5升なんか呑んだことがないから、外の酒屋で5升試に呑んできた
今村信雄作の新作である 今村氏は落語研究家として名高い人 私も今村氏の本を何冊か持っている しかしこのような落語の作家だったとか 江戸の噺なので上方ではあまり演じる人はいないが今日の由瓶さんは体も大きいし呑みっぷりも実に上手かった 自信の噺だったように思った これで思い出したのが 高校時代に親友が牛乳を13本飲めるかどうかで賭けた事件 何故13本か記憶にないが・・・ 結局11本でダウン 試し酒のように学校の前の牛乳屋で飲んでくれば良かったのにと思った 冗談ですが