ページ

2011年8月17日水曜日

百人坊主

文太師匠の百人坊主?を繁盛亭でやっていたので、珍しいなと聴いていたら、「大山詣り」であった。この噺は江戸が良く似合うと思った。上方は奈良の奥深い大峰山に行く。まるで役の行者ではないか。江戸は伊勢原の大山へ。だいせんではなくおおやまへ。一方帰りは、江戸は金沢八景に寄り道する。上方は和歌山の太地(たいち)へ。鯨で有名なところだ。かなり大周りしている。無理がある。
噺の筋は、熊さん(江戸では熊公)がお参りの帰りに暴れて丸坊主にされる。約束だから仕方がない。しかし熊さんは、早回りして先に帰って驚かす。太地で皆死んだと嘘を言う。おかみさんは、それを真に受けてしまう。尼さんになって読経をしているところに一行が元気で戻ってくる。ビックリ。先達は、めでたいと喜ぶ。「カカアを坊主にされて何がめでたい」「お山は晴天、家に帰ればお怪我(お毛)がなくておめでたい」とサゲる。髪形の噺だから上方でも良いがちっと無理がある。

2 件のコメント:

  1. 「大山詣り」を初めて聞いたのは,志ん朝師匠のCDでした。何ともテンポがよく,その後で聞いた志ん生よりもいいと思いました。
    ほら吹きの熊さんが,「せんみつ」(本当のことは千に三つしかない)と言われるのを聞き,そういう言い方をするのだ,と思いました。
    上方では「百人坊主」になる,というのは初めて知りました。

    返信削除
  2. 「せんみつ」確かに出てきましたね。この前亡くなったせんだみつおさんは、この「せんみつ」から命名しました。昔の不動産屋さんは「せんみつや」と言ったそうです。落語には出てきませんが、建設業界では、新米大工さんのことを「だいはち」ということがあります。大九と大工をかけたものです。業界には他にも面白い言い方があります。犬走りとか猫車とか、鳶とか。何か落語のネタになりそうです。

    返信削除