林家菊丸師の「癪の合い薬」を聴いた。別名「やかんなめ」。菊丸師は、染弥から襲名して現在披露興行中。吉本興業が力を入れて売り出している噺家である。男前で顔も大きいので役者のような感じ。吉本の芸人が松竹芸能のメッカ「角座」に出るのは前代未聞の出来事であると述べていた。
癪の合い薬を菊丸師から聴くのは2回目であった。筋は分かっていても実におもしろい。特にやかん頭のお侍の家来の「可内」(べくない)が面白い。可内の笑いが止まらないのである。確かにやかん頭の人はいる。やかんがないからやかんに似たその頭をなめると奥様の癪が治る。その発想が落語らしい。舞台はどこか言わないが、江戸落語では向島。上方ならどこだろうか。桜ノ宮の土手のあたりか?癪と言ってもいまはわからないかもしれない。癪にさわるという言葉はあるのだが、しゃっくりでもない。どう説明したら分かるのか?今考えています。