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2011年7月7日木曜日

親子酒

まくらでは、酔った親子の会話がよく出る。自分の家は「左を曲がって3軒目、これが俺の家や、待てそれはわしの家や」で喧嘩している。隣の人が「大将、二人が喧嘩してるで」と言う。大将「ほっときなはれ、あれは親子でいつものことやから」。聴き飽きるほど聴いているが、それぞれ噺家の持ち味があって、つい笑ってしまう。
昔、収録した「日本の話芸」から桂文治師匠の親子酒を聴いた。文治師匠は、往年の名人である。伸治と名乗っていたころからのファンだった。江戸っ子らしく、粋な噺家だった。テレビは、もっぱら江戸の噺家ばかりだった。この日の舞台も親爺の飲む酒の仕草は絶品だった。塩辛を作ったのはえらい人だな。塩辛やのおやじと思うけど・・・・。何気ない間。面白い。息子も酔って帰って来た。親子は禁酒の約束をしていたのだが、二人とも破ってしまう。ぐでんぐでんに酔った親爺が息子に「7つも8つも顔が見える化け物にはこの家を譲れないと言えば、酔った息子が「ぐるぐる回る家なんかいらねえ」で終わる。見事なサゲである。来年は平治さんが文治を襲名する。ファンとしては文治さんは文治さんが一番良い。

1 件のコメント:

  1. 桂文治の「親子酒」,CDを持っているので,聞いてみます(今までちゃんと聞いていませんでした)。

    桂文楽の襲名あたりから名跡襲名のモラルハザードが始まったと,誰かが書いていました。圓生襲名問題にしても,この人なら,という人はいませんね。

    平治さんは,テレビでしか見たことがありませんが,愛嬌があって結構好きです。

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