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2011年5月30日月曜日

宮島の穴子飯


5月に宮島に行って来た。宮島といえば、「ウエノ」の穴子飯。駅弁のトップクラスである。出来立てを食した。やわらかい穴子に美味しいタレ。加古川の下村の穴子も美味しいが、宮島が一番。

2011年5月25日水曜日

鴻池の犬

3匹の犬の悲しくもつらい物語である。クロ・ブチ・シロの3兄弟の内、クロが鴻池家に引き取られる。江戸の噺家が演じるときは、江戸から大阪に舞台が変わる。クロは贅沢な生活をする。一方、残された2匹は落ちぶれて大阪にやってくる。
この噺は、枝雀師匠が演じたら天下一品とか。十八番のようである。枝雀師匠の話では大阪市内が舞台である。二番目は事故死。末弟と長兄の出会い。鴻池宅では、シーコイ、コイ、コイで好物にありつけた。またシーコイ・コイで呼ばれたと思いきや、ボンをおしっこさせていたというサゲで終わる。そういえば親は子どもにおしっこをする際にシーコッコ、シーコッコと言ってさせていたことを思い出した。枝雀師匠は、親がご当地の出身で昭和20年に疎開していたということを聞いた。生きていれば今年72歳である。弟子の雀々さんが一番似ている。

2011年5月22日日曜日

文七元結

杏太郎さんからの情報で「どうらく息子」を購入した。現在2巻が出ているようだ。売り切れで1巻しかなかった。落語好きには為になる本だ。三三師匠の監修。映画「しゃべれども しゃべれども」も監修していた。これは封切り日に観た。記念ストラップをもらったのだが、いつの間にかなくした。漫画では、滝田ゆう氏の落語劇場がある。また古谷三敏氏も良く書いている。漫画は楽しい。「銅楽」=「どうら」くということか。銅楽の息子。
「文七元結」を最初に聴いたのは、紀伊国屋ホール。平成2年と思う。星の王子様と言っていた圓楽師匠の名演であった。こんな人情話があるなんて。長兵衛の50両の物語。元結とは、日本髪をしばる紐?噺をどきどきしながら聴いた。これは江戸の落語かな。

2011年5月21日土曜日

元犬

3年前の京都大学学園祭で聴いた「元犬」が良かった。演じたのはなんと他大学(母校であったが)の女性。彼女は551の蓬莱のなるみちゃんに似ていた。司会者がそういう紹介をしていた。京都の各大学の落研のお歴々が集まっていた。女性が多かった。朝から晩まで50人くらい登場。
「元犬」は、シロのお噺。シロ犬が人間に近いそうである。そのシロが人間になりたくてお百度を踏む。そうすると人間に。落語はありえない話の連続だ。想像を超える話が共感を得る。人間になったシロは、名前を聞かれて「ただシロといいます」から只四郎と命名される。只四郎は、昔の癖が出る。ごみ箱をあさったり、チンチンしたり。女中の「もと」と仲良くせよとご主人から言われる。主人がもとを探す。「もとはどこか、もとは居ぬか」。シロは、答える。「もとは犬、今朝ほど人間になりました」がサゲ。分かりやすい。彼女が落語家になったという話は聞いていない。

2011年5月20日金曜日

犬の目

昔昔、犬を飼ったことがある。確かに目は大きく澄んでいた。その目を人間に入れたらどうなるのか。実に恐ろしい噺である。目をノミでくりぬく、落語では簡単に取れるらしい。その目を洗って縁側に干したところ、犬が食べてしまった。仕方がないから医者は犬の眼を使う。さすが落語の世界である。犬の目を入れた患者は、喜んで帰る。遠くまで良く見えるらしい。ただ、電柱を見ると、もよおして片足を上げてしまう。
眼医者ではなく迷医者だろうな。8年くらい前に目がおかしいので眼医者に行った。診断は「飛蚊症」とか。原因は老化から来るものとか。そういえば、レーシックとかいう近眼の治療法があるらしい。良く見えるらしいが、犬の目にならないか心配である。

2011年5月19日木曜日

西行

落語好きの知り合いがいる。その人はビジネスホテルの副社長。知人を通じて紹介して頂いた。実際に演じているという。日舞もやるらしいから芸達者。教えてもらったのが「西行」。なんと柳亭痴楽師匠の噺が良いという。痴楽さんは私の落語の原点。破壊された顔の持ち主、4代目である。CDで聞いた。面白かった。
西行の若き日の失恋噺。北面の武士佐藤兵衛尉憲清は摂河泉一の美女に一目ぼれ。美女からラブレターが届く。歌でのやりとりが教養を刺激する。「阿漕」という語源も教えてくれる。上方では確か「鼓滝」で西行が登場する。(川西市にある) この前、大阪南部の西行の終焉の地にも行って歌人西行を偲んできた。西行の落語は、NHK大阪放送局で映像を見ることができた。ただし、圓歌師匠である。古すぎてあまり演じないのが残念である。

2011年5月18日水曜日

動物園

前座がよくやる噺と思う。三喬師匠のお弟子さんの喬介さんから目の前で聞いた。「落語やります」と三喬さん。これが彼のトレードマーク。移動動物園で虎が死んだ。困った園長の長谷川さんが虎のぬいぐるみを着てくれる人を探す。1日1万円のアルバイトに応じた無精者。虎の歩き方、首の振り方を教えてもらう。さあ開園。虎の周りには人だかり。虎が子どもに向かって「パン呉れ」と声を出す。驚く子ども。しばらくして今日のメーンイベントのライオンとの対決が始まる。そんなことを聞いていない虎。ぶるぶる震えている。
ここがクライマックスである。さあどうなるのか。噺は盛り上がるところ。ライオンが虎に近づいてささやく「心配するな、俺も長谷川さんに雇われて来た」。サゲが分かり易い。喬介さんからは、虎の仕草を教わった。手を交互に出して首を逆方向に振る。子どもにも受ける楽しい噺である。虎のぬいぐるみをみると思い出す。

2011年5月14日土曜日

梨の花は白い 4月に咲くのだ

江ノ島の風

なんとさわやかな題目だろうか。落語らしくない。この噺を聞いたのは、昨年9月。新宿末廣亭で桂藤兵衛師匠、この噺家も噺も初めてだった。2回目は、今年1月の田辺寄席で聞いた。演者は笑福亭生喬師匠、好きな噺家である。演題は「須磨の浦風」であった。ストーリーは、同じである。場所と登場人物が違う。上方は紀州の殿様、鴻池の金持ちだった。江戸は徳川様?三井様?忘れた。
殿様がお忍びで鴻池に遊びに来る。どういう接待をするのか考え、考えて須磨の涼しい風を殿に送ることにしたのだが。思わぬ出来事で、風の代わりに「屁」を持ち帰ることに。鴻池の旦那は怒ったが、さすが殿様「これ、怒るでない。途中で腐ったのだろう」とうのがサゲ。佐々木裁きのような殿様。やはり、関西人なので「須磨の浦風」が好きだ。江ノ島も行ったことがあるが良いところ。

2011年5月11日水曜日

化け物使い

3年前に橘家圓太郎師匠が池袋演芸場で演じた化け物使い。面白かった。珍しい噺であった。上方では1回も聞いたことがない。どうしてだろう?人使いの荒い隠居と口入屋から来た久蔵のやりとりは、関東訛りの方が良いのかも。大阪弁ではなじまないかもしれない。
久蔵さんもはじめは我慢していたけれど、隠居が化け物の出る屋敷に引っ越したのを契機に暇を取ってしまった。隠居は化け物なんか全然怖くない。一つ目小僧、大入道、狸が出てきて大騒動、どれもこれもこき使われる。隠居ほど人使いの荒い人はないというのがサゲ。こういう人は確かに居る。久蔵。そういえば試し酒に出てくる朴訥な親爺さんも久造さんだったな。

王子の狐

この噺も面白い。東京都北区王子の王子稲荷神社でのお話。実際に行ってみたことがある。嗚呼ここが舞台かと感激。鬼平も散策した場所とか。参拝の帰りに狐が女に化けるところを見かけた由さん。女を料理屋に連れ込み飲んだり食べたり。女は酔って眠る。そのすきに由さん帰る。
笑福亭たまのショート落語では「食い逃げや」になる。狐は人間に騙された。由さん、仲間から狐を騙すと大変なことになると脅かされて、お詫びに「ぼた餅」持参で王子稲荷に参上。子供の狐がその旨を母狐に伝えると、母狐は子供に言った。「ああ食べるんじゃないよ馬の糞かもしれない」。上方では高倉狐になるらしいが聞いた覚えはない。これは「高津の富」で知られる高津宮の中にある高倉稲荷が舞台だ。

2011年5月10日火曜日

七度狐

先日、桂雀々師匠の七度狐をライブで聞いた。時間が超過したのかどうか分からないが、途中で終わった。最初に麦畑で騙された。尼寺で騙された。ここで終わった。確か七度ではなく五度騙されるので、本当は五度狐と文珍さんは言っていた。本来なら狐の尾と思って抜いたら大根だったということで終わるようだ。そのサゲは是非聞きたかった。
それにしても雀々さんは顔が大きいな。面を被っているような感じであった。さすが、枝雀師匠の弟子、身振り手振りも大きく面白い噺家である。枝雀の後継者は間違いない。南光さんはちょっと違う。ま・く・らの観光バスでのうどんを食べる仕草で、客が笑わないとみるとひとことくすぐりを入れて笑わせる。さすが、芸達者。