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2015年11月29日日曜日

今日の演目(文我・宗助)


毎年11月に開催する「桂文我」独演会 今日は宗助さんが一緒 実は開演前に文我さんとすれ違った こんにちは 今日は楽しみにしていますよ ありがとうございます と文我さんは答えた その数分後宗助さんと会場の1階にある図書館ですれ違った 今日は何席やりますか 楽しみにしていますと 言えば宗助さんから2席やりますと応じてくれた
18時30分開演 まず宗助さん「替わ目」おなじみの酒飲みの噺 サゲは今行ったらお銚子の変わり目 ちょっと分かりにいくが・・・続いて文我さん「持参金」これは金は天下の回りものがサゲ いったん終わって続いて文我さんが「菜刀息子(ながたんむすこ」を一席 この噺は米朝師匠の4代目桂米團治さんが作った噺とか 滅多に演じることがないらしい 別名「弱法師(よろほし」というらしい 実は桂吉朝師匠が亡くなる前に演じた一席 笑うところはないので覚悟して聞いて欲しいと演じた 素晴らしかった 今日はこれだけで値打ちがある サゲもまあまあ
仲入り 宗助さんの稲荷俥(産湯稲荷までのこわーい噺) この噺は聞いたことがある 米朝さんの本を片手に高津神社さんに行った帰りに寄ったことがある 確かに怖い雰囲気のお稲荷さん そして最後は文我さんの「紀州」これは最後に演じる噺ではないが マクラが実に面白かった 笑わせてくれた 家康(家が安い)とか 綱吉を網吉(あみきち)と読んだ司会者 露の團六さんの但馬牛(ただし馬と牛の肉) キシューのサゲに入るまで引っ張って引っ張って笑わしてくれた 今夜はたっぷり2時間40分の最高の独演会でした 

2015年11月10日火曜日

同志社寄席イン誓願寺


新京極のほぼ真ん中 三条に近い所にある誓願寺での落語会 10月はこの寺になんと2回も「参上」した ここは落語の祖である安楽庵策伝師が何代かの住職をされていた浄土宗のお寺 毎年岐阜で「全日本大学選手権・策伝大賞」というのが行われている だから策伝師は京都ではなく岐阜(美濃)の出身らしい 策伝師が書いた「醒酔笑」という本には古典落語のネタが書かれていると言われているからまさに策伝師は落語界の祖である 「そう」
今日は4席 最初は阿久太さんの「犬の目」これが傑作だった いつものオチで太鼓が鳴った しかし終わるのかと思ったらまだ続いていた 阿久太さんがそこから独自の話を展開したのだった これはお客も! 喬楽さんが間違って太鼓を叩いたらしい
さて2番目は雀喜さん どんな噺をするのかと思いきや なんと「天狗裁き」 古典だ これは驚いた 実はこのネタを全然思いだせなくて雀喜さんにメールで教えて頂いた この日も噺が終わってからメモをしておいた それで安心してしまって頭の記憶装置から離れた メモをなくしたものだから全然思い出せなかった 「天狗裁き」と聞いてやっとマクラを思い出した 夢の話 マクラで冷で飲んどったら良かったとか 小判が夢で しょんべんがホンマやったとか言うてはった 夢の噺はいくつかあるがこの「天狗裁き」も面白い 雀喜さんは歯切れよく徳さんから家主さん奉行と進んでいよいよクライマックスシリーズの天狗さんを登場させて最後はお咲さんが「ちょっとちょっと、あんた えらい うなされて 一体どんな夢見たん」とサゲる ここは京都 天狗と言えば鞍馬山 そんなことを意識していたのだろうか それなら偉い 今夜はどんな夢を観るのだろうか 天狗が出ないことを祈る

2015年11月1日日曜日

鶴二さんの段(じっくりたっぷり2席)


この日は三河 鶴二 そして小二三と二と三の名前が出演 これは珍しい これに一蝶さんが出ていれば一二三となる 露の団四郎が出ていればなお面白い そんなことを考えながら聞いていたのである 五は故人の露の五郎師匠 六は蝶六 七は七福 八は染八 九は五九楽 までいるいる 東西約八百名の噺家の名もなかなか味があるではないか
さて この日のお目当ての鶴二さん最初は「平の陰」江戸では手紙無筆とか 字を読めないおっさんのところに熊さんが手紙を持って行ったのだが おっさんは出鱈目ばかり読む 熊さんがこれ書いていないかと言うと 書いたあるとか言ってはぐらかすのだが 遂に手紙は御猪口を借りに来た手紙だったということが分かり 熊さんが御猪口が書いてあることが何で分からんかったんや と言うと おっさんは「平の陰になって見えなんだんや」 平の陰というのは大平椀のことなのだが現代では分かりにくいサゲである
もう一席は「算段の平兵衛」これも有名な噺ではあるがそんなに面白い話ではない 悪巧みが上手い平兵衛が活躍する噺でありあまり好きな噺ではないが鶴二さんは面白く演じている これは下げがなしで延々と続くサスペンスである 

2015年10月31日土曜日

田辺寄席長月席(2015年9月)


8月にペアチケットが当たったので義父と行った 家から直ぐの田辺寄席は助かる 入門して間もない桂三河さん ベテランの域に入った達者な鶴二さん 文太師匠 女性講談師旭堂小二三さんの講談であった いつもの文太師匠の開口ゼロ番は開園時間の10分前の13時20分から始まるのだが今日のお話は「一番太鼓」 師匠が解説します 最初に太鼓の縁をカラカラカラとたたく これはなんでしょうか 誰かが「木戸口が開く音」だと言った 師匠良く知ってはりますね と喜んでいた  そしてどんどんどんと来い ドンドンドントコイ 金持ってどんと来いと景気づけに叩く こんな豆知識を披露した これがいつも楽しみである
まず鳥取県米子市出身29歳の桂三河さんが桂三枝作の「お忘れ物承り所」で一席 続いて大好きな噺家 鶴二さんの「平の陰」 そして文太師匠の「盗人の仲裁」 これは江戸では「締め込み」である 仲入りがあって 旭堂小二三女史の講談 「片倉小十郎と幸村の娘」 トリは再び鶴二さんの「算段の平兵衛」だった 
小二三は若くて綺麗でした 歯切れも良く 堂々としていました 来年の大河ドラマは真田丸なので講談も面白そう この小二三とは一週間後の「はるかす寄席」でも講談をお聞きしました 講談もいいなあと感じた田辺寄席でした

2015年9月5日土曜日

福丸さんの「雨乞い源兵衛」


落語作家の小佐田定雄さんが枝雀師匠のために書いた「新作落語」の「雨乞い源兵衛」を福丸さんが演じた 小佐田定雄さんと言えば上方では相当有名な方である 一度田辺寄席でお見かけしたことがある 最近では「枝雀らくごの舞台裏」とか「米朝らくごの舞台裏」などを書かれている とにかく上方ではこの人の右に出る人はいない 江戸では矢野誠一 京須偕充 最近売り出しの広瀬和生 昔は安藤鶴夫とか小島貞雄とかうるさい評論家がたくさん居た 安鶴さんは新作落語に厳しかったと聞く とにかく古典落語派なのだ
さて、福丸さん マクラで「長屋」に住んでいるとか言っていたが本当かなあ 灘中 灘高 京大を出て落語界に入った人物 転職組は「皆さんは笑っているけど親は泣いている」と言って人を笑わす 福丸さんは自己紹介をしないのでそんなに高学歴ということは分からない 「たま」は京大をPRするが福丸は違う そこが彼の偉いとこ 噺も前よりも随分上手くなった ただバカ話が出来ない いつまでも冷静だ 「雨乞い源兵衛」も枝雀さんのような芸の幅はまだだ 自分の言葉で笑わすにはもう少し時間がかかる 噺は雨に降られる お花が男に振られるがオチとなっている 頑張れ福丸 応援しているよ

2015年8月22日土曜日

由瓶の「試し酒」


由瓶さんは最初に「試し酒」 この噺は実に面白い 他人に聞かせたくないほど面白い 初めて聴いたのは江戸の寄席だったと思う 落ちのどんでん返しが良く出来ている 大宮さんと近江屋さんの旦那が大宮さんの奉公人の久造さんが本当に5升の酒を呑むか呑まないかの賭けをする 呑めるわけないという近江屋さん 呑めるかもしれないという大宮さん 久造さんは呑んだことがないので考えさせて欲しいと言って家の外に出る しばらくして戻って来た久造さんに1升入る大きな杯 そこに酒が注がれる 1杯目の飲みっぷりが良い 仕草が上手い 久造さんと近江屋さんとの素朴な会話が笑いを呼ぶ 2杯・3杯・4杯目と進むのだが 最後はさすが苦しい雰囲気 あと1杯 なんとか呑み干す ここで拍手なのだが手を叩く人は私独り しばらくして近江屋さんが私の負け ところで先ほど久造さんが外にでたがあれは何かのおまじないか?と聞くと久造さん「おらあ5升なんか呑んだことがないから、外の酒屋で5升試に呑んできた 
今村信雄作の新作である 今村氏は落語研究家として名高い人 私も今村氏の本を何冊か持っている しかしこのような落語の作家だったとか 江戸の噺なので上方ではあまり演じる人はいないが今日の由瓶さんは体も大きいし呑みっぷりも実に上手かった 自信の噺だったように思った これで思い出したのが 高校時代に親友が牛乳を13本飲めるかどうかで賭けた事件 何故13本か記憶にないが・・・ 結局11本でダウン 試し酒のように学校の前の牛乳屋で飲んでくれば良かったのにと思った 冗談ですが

2015年8月21日金曜日

吉坊の「仔猫」 素晴らしかった


左手奥の階段を下りて吉坊さんが登場 さすがお洒落な高そうな着物 顔も艶やかでだいぶと大人顔になっている 久しぶりだ 米朝師匠の孫弟子とあってマクラでは師匠の俳句仲間「やなぎ句会」の小沢正一 加藤武さんらの話 特に先日亡くなった加藤武さんからは随分可愛がってもらったという 加藤武さんからは「えなりかずき」と渾名を付けられたらしい 自らも以前はお茶くみ坊やとかえなりかずきとかマクラで話していた そういえばこの句会のメンバーで今生きているのは永六輔と小三治師匠とか 江戸の扇橋師匠も先日お亡くなりになったなあ
今日の2席の内「仔猫」は聴きごたえがあった こどもの猫=仔猫 女中のおなべ 不細工だが一生懸命お店のために働く 皆とても助かっている しかし夜になると不思議な行動をする それを目撃した 怪談噺ではないが おなべの過去に・・・・・ 謎が 仔猫との関連が・・・落ちは「ねこかぶっていたのか」
 これは米団治さんもよく演じるネタ 結構大ネタである 45分くらいある 若い吉坊さんはこの難しい噺を熱演 汗びっしょりだった 以前は声が高く歯切れが悪かったが今日は聞きやすかった 吉坊はかなり勉強家である これからが楽しみな若手で注目したい 

2015年8月20日木曜日

帝塚山・落語菜(さい)とは

近所にあるのに1回も行ったことがなかった「無学」 鶴瓶さんが席亭 師匠の松鶴さんの自宅を買い取って寄席に仕立てた ここはタモリもさんまもお忍びで出る寄席とか 確かにゲストは凄い凄い メジャーな人物が来るのだ 80席ほどの小さな小屋であるが綺麗にしている 1999年に開場したそうだがこの前の道は馴染の道だった これを真っ直ぐ東に行くと我が家があったのだ 今日は「由瓶(ゆうへい)が後輩に胸を借りる会」である これは終わって由瓶さんが見送りをしているとこ
今日の後輩はなんと吉坊 桂米朝門下の桂吉朝さんの弟子 今や有望な若手である 何回も聴いたが段々上手くなっている 吉坊さんの上には吉弥さんが人気者でいるが吉坊も実力を出してきている 由瓶さんの2年後輩らしい あまり親しくないとか 着物を同じ店で仕立てているとか マクラで話していたのだが 
さて落語であるがまず前座は華紋(文華さんの弟子)さんの「牛ほめ」 2年目とは思えないくらいすいすい さすが関西学院大学在学中に学生落語選手権で日本一になった実力者である 卒業後に大学の先輩の文華さんに弟子入りしている若手である 続いて由瓶さんの「試し酒」、そして吉坊の「仔猫」、仲入りがあって 再び吉坊の「おごころもち盗人」 そしてトリは由瓶さんの「除夜の雪」であった 帝塚山の上品なお客さんで一杯でした 私は由瓶さんは初めてでした 昔のこぶ平の顔に似ていたので面白かった なかなかダイナミックな噺家さんです

小春団治師匠の「鴻池の犬」


小春団治師匠が古典を演じるのは珍しいと思う 普段は自作の創作落語が多い 今日は「鴻池の犬」だった マクラで金持ちの噺をした ビル・ゲイツが如何にお金持ちかを1万円札に例えて話したのは面白かった 792億ドルとか 1万円札を縦に並べて大阪から米原まで行くらしい 良く調べたものだ 小春団治師匠ならではである 日本では昔は鴻池善右衛門 紀伊国屋文左衛門 淀屋辰五郎 とか さすが日本一のユニクロの柳井社長までいかなかったが面白いマクラだった

鴻池の犬は3匹の犬の物語 クロ、シロ、ブチの三兄弟の悲哀 ここでマクラの金持ち鴻池家に引き取られたクロはとても大事にされるが・・・ ブチは亡くなり シロは下町で哀れな姿 クロの家のあたりに迷い込む そこで二匹は出逢うのである 弟を可愛がる兄のクロ 落ちはイマイチだが 落ちに至るまでの過程が面白いと思う 面白い=尾も白いというギャグはなかったが入れ欲しかったし犬のおっちんする真似をしても良かったのではないかと思う 

2015年8月19日水曜日

今年初めての田辺寄席で楽しむ


今年初めて田辺寄席に行った もう8月である 世話役の方に挨拶 今まで時間が合わなかったことを釈明した どうしてだろう こんなに時間を空けたのは 第722回は桂春団治系噺家の会 桂小春団治 弟子の治門 そして桂福団治門下の七福、福丸 それに桂文太師匠だ お盆だったが入りはまあまあ 馴染みのお客さんが多い
まず、治門の「二人癖」 つまらん 飲めるが口癖の二人がそれぞれ言わそうと知恵をひねる 松喬さんで聴いたことはあるが、若手が演じるとどうなるのかち聴いたがやはりあっさりしていた
福丸の「雨乞い源兵衛」は小佐田定雄作 文太師匠の「小倉船」は鳴り物が入って賑やか 仲入りの後は、七福の「○○医者」 そして最後は小春団治さんの「鴻池の犬」であった
福丸は注目している噺家である 高学歴 またルックスも落語家らしくない どうしてこの世界に飛び込んだのだろうか 笑福亭たまと同じ京都大学出身 ただ福丸は灘中・灘高のコース どうみても官僚の道
その福丸さんが演じたのが新作の「雨乞い源兵衛」 小佐田さんが枝雀さんのために書き下ろしたもの これには驚いた やはりまだ若いせいかしつこさに欠けた 優等生すぎるのだ 七福さんのようにオーバーに演じて欲しいと思うのである
最後の抽選会でペアチケットがあたった 来月は鶴二さんだから絶対行くぞー

2015年7月14日火曜日

六代文枝の時代だが その先が


人間国宝桂米朝さんがご逝去されて3か月経った 今でもテレビ・新聞で惜しむ声が聞こえてくる サンケイ新聞では毎週日曜日に特集を組んでいるが師匠のネタは尽きない 上方落語への情熱は人一倍強かった この人の右に出る者はこれからもないだろう
現在の上方落語界は文枝師匠が会長で隣の春之輔師匠が副会長 もう長い長い体制である 文枝師匠に続くのが、文珍 とにかく面白い 笑福亭では人気者の鶴瓶、鶴二、亡き松喬さんの後継者である三喬、生喬、米朝門下では息子の米團治 ざこば、米二 南光、吉弥 春団治門下では福團治 小春團治 、染丸門下では染二・・・といったところか しかしまだまだ文枝時代が続くがその先が今一つである 全員で盛り上げないといけない

それに比べて関東は人気者が続出している 最近ご逝去されたのが扇橋師匠だが おるわおるわ
もちろん人間国宝の小三治さんはご健在だし芸術協会からは 一朝、一之輔、小朝、彦いち、文左衛門、市馬、さん喬、権太楼、喬太郎、菊之丞 白酒、馬石、三三、たい平、芸術協会からは小遊三、鯉昇、 昇太、文治 立川流では志の輔、談春、志らくなどなど多彩である 頑張れ上方 

2015年6月15日月曜日

米朝師匠特集 ユリイカ6


書店に寄ったらやっと出ていた「米朝師匠の特集号」が出ていた。迷わず購入。談志師匠のときもユリイカは特集を組んでいた。めくると予想通りの方。意外だったのは上岡龍太郎氏、今は引退しているからということで何も語らないかと思っていたらかなり詳しくインタビューを受けていたのには驚いた。読みごたえはある。

米朝師匠はやはり普通の噺家ではない。落語研究家というか、文化人であった。私が大阪で落語を聴きに行ったのが昭和45年くらいだったから、師匠は何度も聴いた。一番覚えているのは、「鹿政談」である。これも奈良の歴史を丁寧に解説して為になった。小噺では「手遅れ医者」と思う。

大正14年生まれだから昭和の年号と重なる。今年は90年だから90歳。私の心残りは、京都の金毘羅神社での勉強会には行ったことがなかったことだ。ここが一門の原点だから是非行くべきだったなあ。勿論、神社には行ったことはあるが、落語会のないときだった。ここでは師匠が良く通ったことが記されていたのを眺めて満足した次第である。

今年の松喬一門会


恒例の一門会に足を運んだ 6月11日・12日の2日間だったが、2日目に参上 繁昌亭の前で喬若さんが声を張り上げていた 喬介さんも同じように 二人は三喬さんの弟子 二人とも「笛の名手」と聞く 喬若さんは松坂大輔似と本人が言っている 今日も登場すると「待ってました 喬若」との甲高い声が響いた 喬若さん「母です」とか言っていたがほんまかな?

2日目は喬介さんの「米揚げ笊」 笊は「いかき」「ざる」のこと あげるあげるということが好きな堂島の商人に「ざる」を売ったのだが・・・・・
続いて喬若さんの「七度狐」伊勢参りの喜六と清八の二人が狐に騙されるお話「深いか・・浅いか・・」「べちょたれ雑炊」とかなかなか愉快である
続いて登場は右喬さん「猫すねちゃった」は三枝作の創作落語 イマイチだった
中入前は喬楽さんの「首提灯」 マクラが良かった 喬楽さん入場時に短パンだったがこれに昆虫網と籠を揃えたら私の「セミ・フォーマル」になると言ったら前から2列目の女性が拍手 蝉取りとセミで笑えよ だった
本論に入っても松喬師匠の話し方と似ていて楽しませてくれた 酒の話はなかなか上手い

中入があって「鼎談」は遊喬、生喬、喬楽さんの3人で思い出話をたっぷり
トリは三喬師匠の「お文さん」 松喬師匠のネタをあえて選んでくれた 三喬師匠の味を出しながら松喬さんの様にもっていくのは難しいところだが聴かせてくれた あとから松喬師匠のものを聴いたがなんら遜色はなかったように思う

1日目は行けなかったがプログラムをみると生喬さんは「駒長」という珍しい噺を演じたようである 調べると「お駒長兵衛」という江戸落語のようである 是非次回は聴きたいと思った次第である

なおプログラムは風喬さんが書いた漫画でなかなか面白いものであった

2015年6月4日木曜日

松喬十六夜の十一夜は風喬でした


4月25日は角座で「松喬十六夜」を鑑賞。ゲストは鶴二さん。お待ちかねの鶴二さん、今日はどんな噺かなということで楽しみにしていた。

喬介 天狗さし  
    お馴染みの鞍馬山での出来事 鞍馬天狗を取ってくる噺
    ばかばかしいところが最高
    喬介さんは人気者だ 笛も上手いらしい
    三喬師匠の弟子として将来がある
    例の「落語しまーす」もユニーク

風喬 首の仕替え
    正直思い出せない どんな噺だったのか
    例の赤壁周庵先生が登場したので「犬の目」がダブル

鶴二 三十石
    鶴二さんらしい噺 伏見から天満までの船旅
    笑福亭らしい

米紫 宗論
    ざこば師匠の弟子 何回か聴いたことがある 都んぼが前名
    そこで出てくるのが「町長(蝶々)」のお話 
    宗論を熱演 今まで聴いた宗論では一番面白かったなあ

風喬 高津の富
    二席目はお馴染みの噺
    松喬師匠とはまた違う サゲも変わっていた 演者によって違うのが面白い

風喬さんはまじめで好感が持てるといつも思っている 実際もそうであって欲しい
ふわっとした雰囲気のある噺家だと思う
    

2015年4月29日水曜日

動楽亭で米朝さんを偲ぶ




4月11日(土)の昼席は米團治さんが登場し、3月19日に亡くなった師匠を語った。
弟子について、可朝、枝雀、ざこば・・・・一番弟子が可朝、ざこばさんは3番弟子とか
いろんな人間模様が語られた とくにざこばさんは実の親のように慕い、大事にしてきたことが分る。死ぬ前の出来事が生で聴けるのは貴重だった。
さて、6名の噺家が出て熱演した。雀太さんは初めてだったが、大変良かった。結構面白いなあと思った。表情が印象的だった。最近賞を取ったようでさもありなん。三幸さんとは同期とのことだが、三幸さんも負けていられないところだ。


演目は以下の通り。
優々=隣の桜(鼻捻じ)


三幸=立候補
雀太=いらちの愛宕詣り
岐代松=紙入れ
米團治=地獄八景亡者の戯れ:これが最高に出来ていた、なめらかな噺に拍手
文太=軒づけ:義太夫が出てきたので、寝床かと思ったが軒づけだった 久しぶり

2015年3月25日水曜日

久しぶりの鈴本演芸場


3月上席の鈴本演芸場の夜席に行ってきました。東京出張で時間が出来ましたので、久しぶりに上野広小路に参上。本席は落語協会が担当。やはり落語芸術協会よりも知っている噺家が多い。
浅草・池袋・末広は入れ替えなしですが、鈴本は昼夜入れ替えで興行しているのですね。まず、番組表にない前座さんが登場。市助さん 市馬師匠のお弟子さんみたい 「真田小僧」の前篇を。前途有望。
続いてからが番組表に書いてある噺家さんたちが続々登場する。市弥さん(二つ目)なかなかの男前である。弥とつけば吉弥さんを連想。ふたりともルックスが良くてモテルタイプと思う。勿論 市馬師匠のお弟子さん。噺は「元犬」 もとはいぬか・・・もとはいぬか・・・・と。
扇好師匠は「寄合酒」前篇 持ち時間が少ないのでさわりだけになる。本当は扇辰師匠がお目当てだったが交替出演で残念。
続いて
菊志ん 菊之丞師匠の代演とか 噂では聴いていた噺家を初めて聴いた。テンポが良くて談志さんみたい 物まねもしていた 噺は「芝居の喧嘩」。期待できる噺家です。
お待ちかねの一人「三三師匠」は、まくらも少しだけで「十徳」、さすが噺が滑らかで素晴らしい。上手いのひとこと。安定感がある。好きな噺家である。
仲入り前に登場したのが、林家正蔵師匠、マクラでスリの噺をしだしたので、これは人間国宝米朝師匠作の「一文笛」をやるなと分かった。正蔵師匠を以前、浅草で聴いたときは、文枝師匠作の「読書の時間」を演じていたので、上方噺を意識的に取り入れているのかも。結構、上手いといっては叱られるが、聴かせた。
色物が入り本日の主任は柳亭市馬師匠 落語協会の会長、歌手の市馬さんであった。歌うかなと期待していたらやはり喉をうならせた。噺は「八五郎出世」。ぴったしの噺で約40分。さすが、値打ちはある。来た甲斐があった。満足満足。
今日はお土産に正楽師匠の「紙切り」で「アイアイ傘の男女」のプレゼントをもらった。お客が50名位。こういうときは一番前に座るのが正解である。江戸落語を堪能した夜でした。

2015年3月24日火曜日

米朝師匠が・・・・・寂しくなります

人間国宝の米朝師匠がお亡くなりになった。3月19日。享年89歳。かなり弱っておられるとは、いろんな落語会でお聞きしていたが、やはり寿命だったのか。本当に上方落語を愛し、上方落語の発展に寄与した人だった。確か記憶では学生時代に岡崎にあった京都市民会館での「市民寄席」で生ライブを聴いたのが最初である。米朝師匠、春団治、小文枝、露の五郎、松鶴、くらいしか居なかった時代である。今や300名近くなる上方落語の噺家たち。素晴らしい功績である。
何とも言えぬ、絶妙の間があり、名人芸そのもの。学者肌というか、正岡容師の薫陶を得て、落語を掘り起こしたのも人間国宝に指定されるべき人だった。合掌。

何回も聴いたのであるが、印象に残っているマクラは、「手遅れ医者」。医者の使う言葉に「手遅れですな」というのがある。これは便利だ。患者に対して「手遅れですなあ」というと大抵の患者は納得する。あるとき、木から落ちて直ぐに医者に連れて行った。医者が「手遅れですな」・・・。付き添いの男が「何言ううてまんのや、今落ちたばかりですがな」「いつ連れてきたらえんや」と怒ると、医者が「落ちる前に連れてきなさい」

これは昨年発刊された「米朝全集」の最後の巻、第8巻にも掲載されている。他の噺家も同じマクラをふるが、やはり、あの間である。これは息子さんも真似できない。

2015年2月22日日曜日

菊丸師の癪の合い薬


林家菊丸師の「癪の合い薬」を聴いた。別名「やかんなめ」。菊丸師は、染弥から襲名して現在披露興行中。吉本興業が力を入れて売り出している噺家である。男前で顔も大きいので役者のような感じ。吉本の芸人が松竹芸能のメッカ「角座」に出るのは前代未聞の出来事であると述べていた。

癪の合い薬を菊丸師から聴くのは2回目であった。筋は分かっていても実におもしろい。特にやかん頭のお侍の家来の「可内」(べくない)が面白い。可内の笑いが止まらないのである。確かにやかん頭の人はいる。やかんがないからやかんに似たその頭をなめると奥様の癪が治る。その発想が落語らしい。舞台はどこか言わないが、江戸落語では向島。上方ならどこだろうか。桜ノ宮の土手のあたりか?癪と言ってもいまはわからないかもしれない。癪にさわるという言葉はあるのだが、しゃっくりでもない。どう説明したら分かるのか?今考えています。

2015年2月21日土曜日

松喬十六夜は喬楽 待ってました


喬楽さんから案内があったので、是非行かないといけないということで、1月17日の角座に行ってきました。当日、喬楽さんにメールをして行きますよと伝えた。当日券ありますと返ってきたが、既に前売りを購入していたので安心。松喬一門の「やたけた」を見ると喬楽さんが髭を生やしていたので驚いたのであるが、今日はもっと驚いた。今日も髭を生やして出てきたのである。髭の噺家といえば、可朝師であるが・・・松喬師匠だったらどういうのか・・・まあ一門にはタカラヅカを演じる生喬、生寿さんもいるので・・・仕方ないか

本日の喬楽さんは「みかん屋」と「壷算」の2席。体調を崩して前日まで寝込んでいたという。たしかに汗っかきの喬楽さん、本調子ではなかった。
他に喬介「米揚げいかき」、銀瓶「寝床」、そしてお楽しみは菊丸師の「癪の合い薬」であった。喬介さんも上手くなったなあ。銀瓶さんは、ものすごく面白いと思った。人気者である。韓国から日本人に?男前だし、鶴瓶師匠の弟子だが、これはいける。菊丸師は、襲名披露中だが、さすが成長している。

わが、喬楽さんは、どうか。発展途上である。面白いのは面白い、殻を破るのは独演会を数多く開いて勉強するしかない。今日の第十夜は「喬楽奮闘編」まさにぴったりのタイトルであった。なお、次は、風喬さん、4月25日(土)鶴二師がゲスト。そういえば、帰りに風喬さんが見送りに出ていた。

成駒屋 四代目中村雁治郎襲名公演


雁治郎はんと呼ばれて親しまれている四代目中村雁治郎襲名披露公演に行って参りました。中村頑雀改め雁治郎とのこと。席は前から3列目の花道の傍、なんと18,000円の一等席でした。義父から誘われての正月公演でしたので客席は華やか、女性も着飾ってなんともいえない歌舞伎の雰囲気がありました。

中村雁治郎はんは、坂田藤十郎と扇千景の長男、次男は扇雀を名乗っています。慶應義塾大学卒とか、学歴が半端じゃないですね。何を学んでいたのでしょうか。歌舞伎は数回みた記憶があるけど忘れてしまった。それも3階席だったので覚えていない。

演目は、曽我兄弟の仇討の「寿曽我対面」、「廓文章(吉田屋)」河内山宗俊の「河内山」の3目でした。曽我兄弟では、橋之助、愛之助、扇雀が登場。愛之助は女形おねえの役で大人気の役者、吉田屋では主役の雁治郎のほか橋之助、愛之助、扇雀、それに父君の藤十郎が夕霧で演じて大喝采。河内山では仁左衛門が主役で登場。丁度松竹座の楽屋に入る姿を拝見したので、よけいに親しみが湧いて観ることが出来た。格好いいです。口上は吉田屋のなかで語っていたのが面白かったですね。滅多に観ない歌舞伎を堪能した一日でした。いよ、成駒屋。

森乃福郎十七回忌



初代森乃福郎さんが亡くなったのは1998年12月27日、64歳であった。今夜は丁度祥月命日の12月27日、17回忌の追善落語会であった。初代は競馬中継を担当していたのは覚えているが、落語をしてたのは、聴いたことがなかった。珍品を演じていたという。男前で売れっ子だった初代。2代目はたくさんの教えをいただいた師匠だったと言われています。「本はぎょうさん読め、本は人生の先生や」良い話ですね。そういえば、2代目も読書が大好きで、彦八まつりでは古本屋をやっています。

この日は、2代目と弟子2人に特別ゲストとしてざこば師匠が登場。まず2番弟子の阿久太さん、最近入門したばかりで、前は俳優をやっていたので、俳優の「アクタ」をもじって命名、演題は「無いもん買い」、1番弟子の石松さんは「風邪うどん」、確かに減量成功で、痩せました。噺もだんだん上手くなってきました。ざこば師匠は「不動坊」さすが聞かせる、もう名人の域です。

さて、2代目は、「象の足跡」「妊娠」「馬のす」の3席をたっぷり演じました。可愛いお嬢さんがお茶子をしていましたが、どちらかといえば奥様似でした。「象の足跡」と「妊娠」は初代の珍品だそうです。古典にはないわくわくさがあって楽しかったですね。2代目とは顔なじみになっていますし、これからも足を運びたいと思います。